全ては黄昏となりて外伝

叫び

作:しーば

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φ(`д´)〆切〆切ひぇ〜!場面展開が一気に進みますよ〜。


私の生きていた世界の私達は幸せにはなれなかった。


だから、今私が居る過去の世界の2人には幸せになって欲しい・・・。


そう願って2人を応援し続けていたのに・・・



「あのね彷徨、私パパとママが居るアメリカに行く事にするね」

過去の私がこの言葉を彷徨に伝えてしまった。


なんでこうなったのかな?


確かに過去の私は、この世界の彷徨の事を好きなはず。
でも、いきなり過去の私が変わってしまった。


いきなり彷徨への態度が素っ気無くなり、私は彷徨の事なんて好きじゃありません。
とまで言い出した。


何がきっかけだったんだろう?



2人は普通にメールのやり取りをするのみ。

彷徨凄くカッコイイんだから早い所彼女作りなさいよ。
私なんて、彷徨なんて比べ物にならないくらい優しくてカッコイイ彼ができたんだよ。

と、嘘のメールを送る。

彼氏なんて彷徨と離れてから一度も作った事無いでしょ?と聞いても

いいの。

とだけしか返事をしない。


両親のアメリカでの仕事が終わって日本に帰って来ても、過去の私は彷徨に嘘を言い続ける。

それに、私が乗り移ろうとするのを必死に拒む。
喧嘩もするようになった。



本当に神様って居るのかな?
どれだけお願いすれば願い事が叶うのかな?



この世界の私も、幸せにはなれなくなった。
見た目はまったく元気な過去の私なのに、数年後までは持たない。

そんな宣告をされた。



過去の私は、何日も部屋に閉じこもってしまう。


幽霊である私は、閉じたドアを気にする事無く部屋に入れるけど、この時はどうしても入れなかった。



だけど、とある日。
私は過去未夢に乗り移って欲しいと言われる。


どうして?と聞くと、話す事がたくさんあって言葉だけじゃ伝えきれない。と答えられる。

なら、と過去の私と手を合わせて身体を共有する形で乗り移った。



今まで溜め込んでいた過去の私からの想いが溢れていた。


ごめんなさい。


この言葉は私が言ったのか、過去の私が言ったのかはは分らない。


過去の私は最初に乗り移られてから、私が未来から来た事と。
彷徨と結婚までしていた事、幸せだった事、だけどその後私が死んでしまった事。

全ての感情を読み取られていて、私が彷徨と一緒にならなければ彷徨が幸せになれるという強い考えばかり持って居た事も知られて居た。

なんで、それを最初に言わなかったの?と質問すると。


だって、未来の私がこの身体に乗り移って彷徨を見る目、彷徨への感情、彷徨と話している喜び、全てが伝わって来て、それで、感情が全て乗り移られている過去の私に全て伝わってるって事が言い難かった。

だから、未来の私が乗り移っている時は、楽しく彷徨と会話していたけど。
過去の私の心は、未来の私が最初持っていた、彷徨への罪悪感で一杯になって、彷徨の事を好きだけど、どうしても離れたいと思うようになった。


だけど・・・私の命が残り少ない事を教えられた時。
真っ先に彷徨の顔が思い浮かんだの、そして私の中ではやっぱり諦めきれない。
彷徨に会えなくても良いから、遠くからでも良いから最後に彷徨を見たい。


そう、過去の私から告白された。
ごめん、ごめんなさい。
未来から幽霊にまでなった私は、2人の事を応援していた気持ちを伝えた。
もしかして、今の貴女は私の過去とは違う道を歩んで来たから彷徨と幸せになれると信じていたのに・・・未来は変えられないのかな?


私達は泣き続けた。





そして、私達2人で西遠寺の石段前までやって来た。

彷徨に会うと、絶対に今の気持ちを抑えられず今の気持ちを言ってしまうだろう。
でも、今の彷徨は幸せかもしれないし、万が一彷徨が私の気持ちに答えてくれても、私はまた後悔しながらこの世を去らなければいけなくなる。


だから、遠くから一目見るだけで帰ろう。
そう決めて来た。


石段を一段一段、緊張しながら登って行く。

登りきって境内の中を見て彷徨を探す。

彷徨の姿を見つけた時、胸が高鳴り彷徨の元へ飛び出して行きそうになった。
一歩踏み出したところで、過去の私に(待って)と止められた。

彷徨は誰かと話をしていた。
とても嬉しそうな、でも悲しそうな表情でその子と話をしていた。


(ねぇ、もう帰ろうよ、良かったよ・・・彷徨幸せそうだよ・・・)
過去の私が、泣きそうになりながら幸せそうと言った事に対して

『悲しそうな顔もしてたよ』
との答えを言おうとしたけど、今更何を足掻くんだろう?と情けなく思った。


そのまま、私は何も考えられずに石段を下る。


どうしてだろう、彷徨はきちんと私以外の誰かと幸せそうにしていた。
これが、幽霊になっても時空の歪に巻き込まれながら、私がしようとしていた事なのに。


何故だか、心の底から喜ぶ事が出来ない。
過去の私が、気遣って(良かったね〜、これで私も安心だよ〜)と、強がって話しているのが聞こえる。


だけど、私は耐えられなくなって最後の質問をしてみた。
『ねぇ?もしもだよ。もう一度生まれ変わる事が出来たら・・・・・・』
「未夢!危ない!」

後ろから彷徨の声が急に聞こえ、同時に身体が前に押し出された。
後ろでは、大きなブレーキ音が鳴り響き、その後人の悲鳴が聞こえた。


私は何も考えられず、仰向けに倒れている彷徨の所へ行く。
彷徨は笑顔で「未夢、大丈夫か怪我ないか?凄く会いたかったんだぞ」とだけ言い残す。


一瞬にして、別の光景が浮かんできた。

ブレーキ音が聞こえ、私の身体が軽くなった感触がして、振り向くと別の場所にある私の身体、何も動かずに止まっている私の身体。
それを、見た後に早く彷徨の所に帰らないと・・・良い知らせがあるんだからね・・・。
と西遠寺に戻り、彷徨を見たその時に
ねぇ、彷徨私あのね・・・とそれを伝えようとしても彷徨は私に気付かなかった。


・・・どうして、私の世界では私一人だけ居なくなっただけなのに。
過去の世界では、私はもう少ししか生きられない、大切な彷徨は私のせいでこんな事になってしまう。



嫌だ嫌だよ、私・・・彷徨と幸せに暮らして生きたい!!




いやぁぁぁ!!!彷徨ぁぁぁ!!



( ..)φ次で最終回です。

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