作:ちーこ
カレーをつくろう。
夏ばて気味の君のために。
にんじん たまねぎ じゃがいも ぶたにく
おなべにいれて ぐつぐつにましょう
思わず口ずさむのは幼稚園の頃に習ったカレーの歌。
それに合わせて野菜を刻んでいくから、実際には
にん〜じん た・ま・ね・ぎ じゃがいも ぶたに〜く
ってな具合に歌のリズムとは微妙にずれてたりする。
ちなみにこの歌は肉じゃがにも使える。
そもそも、料理の苦手なわたしがカレーなんかを作ってみようかなぁ、なんて思ったのは…まぁ…夏ばてといったらカレーでしょ、と安易な発想だったりするわけで。
夏ばてしてる彷徨が元気になったらいいなぁと…思ったから。
冷蔵庫の中にカレールーは入っていた。
でも甘口。
甘口じゃぁ夏ばては吹っ飛んでってくれない気がする…。
とりあえず冷蔵庫の中から辛い物を出してみた。
肉と野菜を炒めたところで水を入れ、煮込んでルーを入れる。
味見してみる。
辛くないね、これ。
さすが甘口。
テーブルの上に並んだ辛いものシリーズ。
カレーに入れてもおかしくないのは…
タバスコ…かな。
ちょっ、ちょっ、っと振り入れる。
味は変わってない。
だぱぁ。
入れすぎた…かな?
よくかき混ぜて味見。
何だ大して変わってないじゃん。
からしのチューブを手にとる。
これはあんまりカレーには向かないかなぁ…。ちょっと入れてみる。
おぉ。これはおもしろい。
にゅにゅにゅにゅにゅ。
ぱかっ。にゅっ。じゃぽ……
気づくと…わさびとしょうがのチューブも空になっていた…。
キムチのタッパも半分ぐらいなくなってたし…
七味もコショウもトウバンジャンもかなり減っていた。
………あは。
なんとなくだるくて、部屋でごろごろしていたオレは異臭を感じて起き上がった。
…何のにおいだ?
においの発生地、台所の戸を開けた途端。
目の前に広がる惨状と悪臭に顔をしかめた。
テーブルの上のものは一見カレー。
しかし、どうみてもこのにおいはあれから漂ってきている。
そして同じくテーブルの上の残骸。
これを材料としたならば…あれが出来てもおかしくは…ない。
あれの作者と思しき未夢は不思議そうな顔をして立っている。
…何が不思議なのかがわからない。
オレははぁとため息をついて後片付けを始めた。
暑中お見舞い申し上げます…だったはずのイラストが…。
色塗りをする時間がなくてこんな時期に(泣)
イラストの構図が先に浮かんで…それに合わせて書いたのですが…
…なんじゃこりゃ。
ええ、もう。はははと乾いた笑いで流してください。
甘くもなけりゃぁ、内容もない。
まぁ…ギャグと言うことで。
(初出:2003.08)