作:ちーこ
「じゃんけんぽん!」
ぐーとぱー。
「またぁ…?」
「はい、がんばれよ」
手ぶらの彷徨と両手に買い物袋を下げた未夢。
未夢はこんなことを言い出したのを後悔していた。
買い物をした帰り道、片手に下げた買い物袋を見て未夢が言った。
「ねぇ…じゃんけんで負けた方が次の電信柱までこれ、持つことにしない?」
「まぁ…いいけど?」
電信柱で立ち止まる。
「じゃんけんぽん!」
ぐーとぱー。
「よろしく〜」
彷徨はぽんと未夢の手に買い物袋を移した。
「お〜も〜い〜」
「自分で言い出したんだろ?ほら、もうすぐだぞ。」
また立ち止まる。
「じゃんけんぽん!」
ぐーとぱー。
「ほら、いくぞ。」
「…むぅ…」
「じゃんけんぽん」
「じゃんけんぽん」
「じゃんけんぽん」
「じゃんけんぽん」
「じゃんけんぽん」
「じゃんけんぽん」
「じゃんけんぽん」
「じゃんけんぽん!」
ぐーとぱー。
「またぁ…?」
「はい、がんばれよ」
手ぶらの彷徨と両手に買い物袋を下げた未夢。
未夢はこんなことを言い出したのを後悔していた。
「なんでわたしばっかり…」
「負けたからだろ。ほらじゃんけん。」
「じゃんけんぽん!」
ぐーとぱー。
「…また負けた…」
「ぷっ。…おまえさぁ…いい加減気づけよな…」
笑いながら彷徨が言った。
「何よ!」
不満そうな未夢の顔をみて彷徨が声をあげて笑う。
「おまえ、ずっとぐーで負けてんの気づかないわけ?」
「えっ…あ…ホントだ…。」
歩いてまた立ち止まる。
「じゃんけんぽん!」
ちょきとぐー。
「なんで〜!?」
「あんなこと言った後に素直にぱー出すかよ…」
「…ずるい…」
また電信柱。
彷徨がからかうような目つきで未夢を見た。
「オレ、次ちょきだすから。」
「えっ?」
「じゃんけんぽん!」
ぱーとちょき。
「だからオレ、ちょき出すって言っただろ。」
「…だって…」
未夢はまた買い物袋をふたつ持って歩き出す。
「次、私ぱー出すからね。」
「じゃぁ、オレちょき出すぞ。ほら」
「じゃんけんぽん。」
ぱーとちょき。
「おまえ…ホント素直な。」
「…うるさいなぁ…。」
西遠寺までの最後の電信柱。
「じゃ、オレぐー出すからな。」
「じゃんけんぽん!」
ぱーとぐー。
「あ〜ぁせっかくパーフェクトだったのになぁ。ほら、それ貸せよ。」
彷徨は未夢の両手の買い物袋を持ち上げた。
驚いている未夢を尻目に彷徨はそのまま石段を上っていく。
「ぼーっとしてんなよ。おいてくぞ。」
彷徨の声に、未夢も慌てて石段を駆け上がった。
26000ヒットのれなさんのリクエスト「買い物帰りの未夢と彷徨」でした。
じゃんけんゲームなんてなつかしいわ〜。
小学校の頃友達とランドセルでよくやりました。
ちょっとわかりにくいかもなのでじゃんけんの説明。
「ぐーばっかり」と言われて…未夢ちゃんは…
次は「ちょきかぱーだそう」と思ってしまい…
「自分がぐーで負け続ける=彷徨はぱーで勝ちつづける」なわけですから…
「ちょきを出せば勝てるかな」と。
結局そこまで読まれて負けてるし。(笑)
「ちょきだすから」と言われて未夢ちゃんは考えるわけですよ。
素直にぐー出したら実は彷徨はそれを狙ってぱーを出すかもしれない…
ってことは…ちょきを出すべきかな…でもそこまで狙ってぐー出されるかも…
とまぁ…で結局ぱーを出してしまったみたいです。
ちーこならちょきだしますね…。
「次ぱー出すから」と未夢ちゃんから先制攻撃。
「ちょき出すから」と返されて。
結局さっきと一緒ですね。
信頼問題にかかわるので…あんまりこういうのはお勧めしないですよ。
最後の「ぐーだすから」は…未夢ちゃんが彷徨くんが二回連続して言ったとおりのを出したのを見て
そのまんまくると思ったからというおまけかな。
ってか石段持ってあげるなら道でも持たせるなよ…とか書き終わってから思ったんですけどね(笑)
友達で実験したら。
「私ぐー出すから」といったら友達は素直にぱー出して勝ってましたよ。
一度これは確かめてみる必要が…。
まぁ…彷徨くんは未夢ちゃんのことなら何でもわかるぞって話が書きたかっただけかも。
今…人の気持ちがわからなくて…私の気持ちもうまく伝わらなくて…
ちょっとまいってたからかな…。
あぁ…なんか精神的に疲れたからおしゃべりになってるわ。
もっとだらだら書いちゃいそうだから…。
って、なんか心配してくださる方がいらっしゃるので…。
ちーこはとても元気ですよ〜。
…って…リクこれでいいのか…?
(初出:2003.01)