ちいさな診療所。より

ボクが不機嫌になったわけ。

作:ちーこ

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「君のこと好きなんだ。…オレと付き合ってください」
やっと堂々巡りの委員会が終わって、オレはそろそろ帰ろうかと教室へ歩いていた。ちょうど教室の前まで来たときに、中から聞き覚えのある声がした。
三太だ。
相手の声は聞こえないから、誰だかはわからないけど。
まぁ…オレだってこんな真っ只中に入っていくほど無粋でもない。
…にしても…三太が告白…
普段の三太からは想像できない…
そういや…三太とそーゆー話したことねーもんな…
ふと三太がこの間言っていたことを思い出した。

「光月さんってかわいいよな。オレ狙ってもイイ?」

………………………………………まさか………………………………………
とりあえず、このままここにいるのも気まずい。
帰るのは少し時間を置いてからでも別にかまわない。
オレは教室から離れようと歩きだした。
そのときだった。
少しだけ開いた教室のドアの隙間から後姿の女子がみえたのは。
それが見慣れた姿でなかったら、家でも学校でも気にしている姿でなかったらオレは立ち止まらなかっただろう。
細くて色素の薄い腰まで伸ばした髪。
成熟したとはお世辞にも言えない体。
幼げの残った顔を見るまでもなく

オレはドアを開けていた。
音に驚いたのかふたりの視線が一斉にこっちに向いた。

「あっ…彷徨…」

未夢が気まずげに呟いた。
まるで悪戯を仕掛けている最中に見つかった子供みたいに。
一方三太はけろっとした表情でオレを見ている。

「じゃ、光月さんありがとなっ。彷徨もばいば〜い」

そう言うと三太はカバンをつかんで教室から出て行ってしまった。
後に残ったのは…オレと…未夢。
ものすごく気まずい沈黙。

「さっきの…聞いてた…よね?あれは…その…えっと…」
「別に言い訳しなくてもいいじゃん。じゃぁオレ帰ってるから。」
「わたしも帰る!」

オレは背中で未夢の声を聞きながら歩き出した。
後ろから未夢が走って追いかけてきた。
「あのねっ…あれは…」

歩調が速くなっていく。
ホントに言い訳なんか聞きたくなかった。
「ねぇ…彷徨…。ねぇってばぁ!」

どんっ!

背中に衝撃。
痛ぇ…

「なにすんだよ!」

むかむかしながら振り向くと、力をこめてカバンの取っ手を握りしめた未夢が立っていた。
凶器は…コレ…だな
じっとオレが見つめていると未夢は少し涙の浮かんだ目でオレを睨んだ。

「ばかぁ!!彷徨が話聞かないのが悪いんじゃん!」

だからって殴ることねーだろ。
言おうとしたオレを未夢の言葉が遮った。

「なんにも知らないのに勝手に怒るのが悪いんじゃん!」

知らないも何も…あの状況はどう解釈したって…他にないと思う…

「わたし…ただ三太くんと練習してただけなんだもん。彷徨の事待ってたら、三太くんが来て『好きな人に恥ずかしくて告白できないから練習台になって』って言われただけだもん。」
ふぅっと身体の力が抜けた。

「別にわたしは彷徨と三太くんの友情を邪魔してるんじゃないんだってば…あっ…でも…別な人に告白しちゃうんなら…結局同じ…ん〜…」

なんで…オレがそこまで三太を独占しなきゃなんねーんだよ…冗談じゃねー

「まだ機嫌…悪い?」

じぃっとこっちを覗き込んでくる顔があまりにも無邪気で、もう抜けきってしまったはずの力がまた抜けた。
その途端笑いがこみ上げる。
「元々機嫌なんてわるくねーよ。」
オレは未夢と並んで歩き出した。

よくよく考えてみれば、未夢が告白なんかされてあんなに落ち着いているわけがない。
だよな…そーだよな…バッカみて
さっきまでのいらいらはすっきりさっぱり消えていた。





次の日、教室へ入った途端、三太に話し掛けられた。
「おっはよ〜彷徨。あれ…?意外と機嫌いいってか…ゴキゲンじゃん。なぁんだ光月さんばらしちゃったんだ…つまんねーの。」
ちっと舌打ちする三太を見て、オレは気づいた。

遊ばれた!!



あぁ〜もうわけわかんないですよ。
最近なんだか文章がうまくいかない。
もともと上手いわけじゃないけど
これ授業中かいてて、そのルーズリーフなくしました。Σ(○□○;)
マジでどこいったんだろう…
てか人に見られたらかなり嫌なんだけど。

12721ヒットの由さんからのリク。「未夢が告白された場面を偶然目撃する彷徨」がテーマでした。
ボクがやきもちやいたわけ。の続きっていうか…まぁそれシリーズって感じで。
最近きちんとリク通りにかけてるのかいまいち不安です。
なんか違う気がする…

(初出:2002.06)

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