作:ちーこ
(だぁ×3の3巻を読んでいない方は読んでからにしてくださいね…。)
(ネタばれでは無いけど、わかりにくいかもです。)
「未夢さーん。起きてくださーい。遅刻しちゃいますよ。」
「ん〜。分かってるってば。」
未夢は布団から這い出すと大きく伸びをした。そして時計を見た瞬間。
「キャー。何でこんな時間になるまで起こしてくれなかったの?」
「そんなこと言われましても…。ワタクシはちゃんと…。」
「あーもう。朝ご飯食べてる時間ないじゃない。」
制服に袖を通しながらワンニャーに八つ当たりする姿は、はたから見るととても、無様だ。
「おい、未夢。先行くぞ。」
玄関の方から聞こえた声に未夢はあせって走り出した。
「ちょっと、彷徨待ってってば!」
彷徨に追いつこうと急いで靴をはき、石段をかけ下りる。
「ねぇ、彷徨って…キャァ〜〜〜〜〜。」
前を走っていた彷徨の耳を未夢の悲鳴がつんざいた。
「未夢、どうした?」
あまりの悲鳴に驚いた彷徨が振り向く。そこには…。
「未夢!!おい!!大丈夫か!?しっかりしろ!!」
どうやら石段を踏み外したらしい。未夢が気を失って倒れていた。外傷は特に見当たらない。推測で約15段は落ちたことになるが、それで無傷なのも奇跡的と言えるだろう。
彷徨は未夢を抱き上げると、階段をのぼりはじめた。
「彷徨さん。どうしたんですか?忘れ物ですか?」
玄関から足音と彷徨の声が聞こえてワンニャーは台所から顔を出した。
「いや。布団出してくれないか?コイツ、石段踏み外して、気失っちゃったみたいでさ。頭打ってたりしたら大変だから。」
「はい。ちょっと待ってくださいね。」
しかれた布団の上に未夢の体をねかすと彷徨は学校へ2人分の欠席の電話をかけた。
電話をかけ終えて、未夢の部屋に行くと、未夢は相変わらず目を覚ましてはいなかった。
あれから2時間がたつだろうか。未夢はまだ目覚めない。彷徨も本当に心配になってきた。
こーゆーときは医者を呼んだほーがイイのか、あと5分で起きなかったら呼ぶことにしよう、 彷徨が決意したときだった。
「ん…ぅん。」
未夢がうっすらと目を開いた。
「よかった。気が付いたな。どっかイタイとこないか?」
未夢の顔を覗きこみ彷徨が聞いた。しかし未夢の目は彷徨をしっかりと捕らえていない。
「…あなた…誰…?」
「未夢?」
未夢の言葉に困惑した彷徨は未夢の名前を呼ぶが反応はない。そして返ってきた言葉は。
「ねぇ。あなた誰なの?」
「おい、未夢。お前ふざけてんのか?」
彷徨は未夢の肩をつかみ、前後にゆする。
「いたっ。」
苦痛を示す言葉と共に未夢の顔に怯えが走った。
「…本当にあなた誰なんですか。」
最後の方は震えてしまって声にならない。どうやらこれが演技ではないことが彷徨にも分かった。
「怖がらせて悪かった。絶対にお前に危害は加えない。分かるな。」
こくんと頷いた未夢を見て彷徨は言った。
「これからいくつか質問をするぞ。知っていることなら素直に話せ。知らないことならはっきり知らないと言うんだ。分かったな?」
また未夢がこくんと頷いたのを見届けると彷徨は口を開いた。
「お前の名前は?」
「知りません。」
「お前の歳は?」
「分かりません。」
「オレは誰だ?」
「知りません。」
「お前が今すんでいる所は?」
「分かりません。」
その後いくつかの質問を続けたが、返ってくる答えは知りませんと分かりませんだけだった。
「53+47=?」
「100です。」
「文字の読み書きはできるか?」
「はい。」
彷徨は、近くにあった紙とサインペンを取るとそこに文字を書いた。
――――光月 未夢
――――西遠寺 彷徨
「読めるか?これがお前の名前。そしてこれがオレの名前だ。」
「こうづき みゆめ?さいえんじ ほうこう?」
「違う。お前の名前はこうづき みゆ。オレはさいおんじ かなただ。」
間違えた読みかたを訂正する。本当にコイツは覚えていないんだな、彷徨の胸で何かがチクッと動いた。
「か…なた…君?」
こわごわ呼んだ未夢に再度、彷徨が訂正をする。
「彷徨でいい。オレも未夢って呼ぶからな。」
「はい。」
彷徨は改めて未夢に自己紹介をすると、未夢が記憶喪失になったいきさつを話した。
部屋から出ると彷徨はワンニャーの元へ急いだ。
「ワンニャー。落ちついて聞けよ。」
「なんですか、彷徨さん?もしかして未夢さんに何か!?」
最悪の事態を想像したのか、ワンニャーの顏が青ざめる。
「未夢の…。未夢の記憶がないんだ。字も読めるし、話も計算もできる。けど、自分の名前も、オレのことも何にも覚えてないんだ。」
「では、ワタクシのことも。」
「おそらく覚えてないだろーな。」
心配顔のワンニャーに彷徨は無下に言い放った。
「とりあえず病院に電話してみよう。」
病院に電話するとすぐに医者がかけつけた。
「あの、コイツの記憶は戻るんですか?」
「分かりません。事故のショックで一時的な記憶喪失と言う例がいくつかあります。しかし記憶がこのまま戻らない可能性も否定できません。」
診察を終えた医者が難しそうな顔をしたまま答えた。
一生このまま記憶が戻らない、んなわけねーよな、彷徨は自分自身の考えを否定した。
医者を玄関先までおくり礼を告げると彷徨は部屋へ戻った。
わたしは誰なの、未夢は目が覚めてからずっと、布団の中でこんな自問自答を繰り返し続けている。
何でココにいるの、ココに居てイイの、自分の存在を確認するように指先で肩から指先までを順になぞっていく。
わけが分からなくなって、未夢はふらふらっと起きあがると部屋から出た。
あたりは暗い。おそらく深夜なのだろう。目の前にぼーっとほのかに明るい部屋がある。未夢は迷わずそこのふすまを開けた。
「彷徨君?」
机に座ったまま彷徨が眠っていた。そこには本がひろげてある。
「記憶とは……。」
本のタイトルを見て未夢は言葉を失った。わたしのタメにわざわざ調べてくれてる、未夢の目に涙があふれた。わたしココにいていいんだよね、口元を押さえる。わたしココにいたい、彷徨君のそばにずっといたい、未夢は彷徨に手近にあった上着をかけた。
「ん……。」
窓の外はもう明るい。いつのまにか寝ちゃったんだな、机に手をかけ、椅子から立ちあがった彷徨は肩から滑り落ちた上着を拾う。未夢か、部屋を見まわすが未夢の姿はない。あの時もそうだったよな、この間風邪をひいたときに、未夢がずっと手を握っていてくれたことを思い出す。普段は意地っ張りでかわいくねークセに意外とあったかいんだよな、彷徨は未夢の様子を見るために部屋を出た。
「彷徨さん、おはようございます。」
「おはよーワンニャー。未夢もう起きてるか?」
「えっ、あっ、はい。」
ワンニャーの返事がたどたどしい。自分がいつもの冷静さを欠いていることにも気付かずに彷徨は声を荒げた。
「何かあったのか!!」
「いえ、別に何でもないんですよ。」
やはりワンニャーの返事がよそよそしい。
「何だよ、はっきり言えよ。」
彷徨がワンニャーをけりかけたときだった。
「おはよー。彷徨。朝からどーしちゃったの?大声なんか出しちゃって。らしくない。」
いつもと同じような未夢の声がした。
「未夢。お前元に戻ったのか。」
「やっぱり、普段のわたしってこんなカンジなんですね。色々教えてくださってありがとうございました。ワンニャーさん。」
「未夢。お前ふざけてんのか!」
人が心配してるってゆーのに、彷徨の中で何かがふつふつと湧きあがった。
「…ふざけてないです。いつものわたしみたいにしてたら思い出せるんじゃないかなぁって。」
「わりっ。そーだよな。こんなことになって一番不安なのお前だもんな。オレも混乱しててイライラしてたんだ。ホント悪い。」
涙で目が歪みはじめた未夢に彷徨はあやまった。そんな目するなよ、彷徨は目をそらす。
ったくなんなんだよ、未夢がこうなってから彷徨の中で何かがもやもやし続けている。そのもやもやの正体が分からないからイライラする。イライラするから未夢やワンニャーにあたる。その後のどうしようもない罪悪感がまたイライラへとつながる。そんな悪循環にも気付かずに、彷徨は部屋のドアを勢いよく閉めた。
何でオレのこと覚えてねーんだよ、彷徨は、机を殴りつける。何であんなによそよそしいんだよ、痛みが走った小指をグッと握り締めた。
わたしといると彷徨君はいつも不機嫌になっちゃう、未夢はさっきの出来事を思い出していた。やっぱりわたしじゃまなのかな、また視界が歪む。泣いてばっかりじゃダメなのに、分かってるのに、未夢はクッションに顔をうずめて泣いた。
「おい、未夢。出かけるぞ。」
いきなり声をかけられて、未夢はビックリして彷徨の方を振り向いた。
「出かけるって、急に…。どこに行くの?」
「イイからついて来い。ワンニャー、ルゥのこと頼むな。」
「はい。晩ご飯までにはお帰りですか?」
「さあな。未夢次第だ。ほら、未夢ボケッとしてねーで行くぞ。」
「だから、どこに行くの?」
「いいから黙ってついて来い。」
よく分からないまま、未夢は彷徨の後ろへついて行った。
外に出てから初めて、未夢が心当たりのありそうな顔をした。
「地下鉄?」
「あぁ。分かるのか?」
「うん。なんとなくだけど。前に乗ったときも彷徨君と一緒に乗ったような気がする。」
やはり、はっきりとは覚えていないようで首をかしげながら答える。
「一緒・・・。と言えば一緒だな。」
しばらく前のことだな、彷徨はそのときのことを思い出す。
「?」
これから行く所でも何か思い出せるといいな、未夢はあたりをきょろきょろと見まわした。
「えっ。ココって・・・。」
ついた所は、遊園地。大きな観覧車が見える。
「そ。ずっと悩んでばっかいたってしょーがねーだろ?今日1日楽しもう、な。」
「ありがとう。ファンタジーパーク…。わたし来たことあるのかな?なんとなく知ってる気がする。」
「まぁな。」
これで思い出しちまったら、それはそれで洒落になんねーよな、彷徨は観覧車をまじまじと見つめた。 「ほら、早く。どれ乗りたい?」
「どれでもいいよ。」
「んじゃ。あれでいいか?」
キャーーーーーーーー。
「だいじょぶか?」
ベンチに座った未夢に彷徨が言う。
「・・・なんとかね。彷徨ってあーゆーの好きなの?」
「別に好きってわけじゃねーけど、なんか全部乗んないと損したって感じしねぇ?」
「そーかもしんないけど、だからって絶叫系ばっか6つも続けて乗ることないんじゃない?」
「いいだろ?お前だって何乗りたいか言わなかったんだし。」
「そうだけどね。」
彷徨はベンチをふわりと乗り越えると、未夢の後ろに着地した。
「どうだ?楽しいか?」
「うん。彷徨は?」
「…まぁな。久しぶりにお前が笑ってんの見た。笑ってる方がお前っぽくていいよ。」
ふぅ、っと彷徨は息をついた。
「やっぱムリか…。思い出せるかと思ったのにな。」
「彷徨…。」
彷徨は後ろから未夢を抱きしめた。
「こんなに近くいるのにな・・・。」
ぽたっ。ベンチに一つぶのしずくが落ちた。それは光を反射させ光っている。彷徨泣いてるの、未夢は彷徨の顔を見上げることができなかった。
「悪り。ほら次あれ行こうぜ。」
バカみてー、何やってんだ、オレ、彷徨は未夢を連れて歩き出した。
「もうすぐ閉園だね。そろそろ帰ろっか?」
「あぁ。でもちょっとココで待ってろ。絶対動くなよ。」
彷徨どこいったんだろ、未夢は柱に寄りかかった。 あの観覧車…なんだろう…何かあった気がする、ライトアップされている観覧車はとてもきれいだ。何か思い出せそうな気がする…なんだろう、全神経を集中させて記憶をたどるが思い出せない。動くなって言われたけど…ちょっと観てくるだけならいいよね、未夢は観覧車に向かって走り出した。
あれ…未夢の奴どこ行ったんだ、戻ってきた彷徨はきょろきょろとあたりを見まわした。ったく動くなって言ったのに、彷徨は手がかりもないままに走り出した。
何なんだろう、未夢は観覧車を見上げた。ココで何があったんだろう、未夢は諦めてさっきの所まで戻ろうとした。
「フリーパスだね。さぁ早く。もうすぐ閉園ですので一周でお願いしますよ。」
「えっ。あっ。」
返事をする前に押し込まれてしまった。ドアが閉まり上に向かって観覧車があがりだした。
前に乗ったときも何か不安だったなぁ、顔を上げると夜景が視界に入った。きれいだなぁ、どうやらてっぺんを過ぎたらしい。徐々に降りていっている。彷徨…わたしのこと探してるかな、未夢が彷徨を探そうと下をのぞいたときだった。
ガッコン。
え・・・止まっちゃったの、急に周りが暗くなった。
「観覧車はただいまを持ちまして終了させていただきます。」
うそでしょ、未夢は下を見た。この高さなら何とか屋根に移れるかも、ドアノブをひねるがドアは開かない。外からしか開かないみたい、未夢はもう一度椅子に座りなおした。明日の朝まで待つしかないよね、ふぅっとため息をついた。
「バーカ。何やってんだお前。いくら記憶なくったって2回も同じことする奴なんかいねーよ。」
「彷徨。…彷徨?彷徨ー。」
わけもないのに彷徨の名前を呼び続けてしまう。未夢の瞳から涙がこぼれ落ちた。
「バーカ、動くなって言ったのに、何でこんなトコにいるんだよ。ほら帰るぞ。」
彷徨が差し出した手につかまり屋根へと移る。
「ねぇ…。前にもこんなことあったよね。」
「思い出したのか?」
ぽつりと言った未夢を彷徨が見つめる。
「ううん。違うけど。なんかそんな気がしたの。」
「そっか。そこ危ないから気をつけて降りろよ。」
「うん。」
「行くぞ。ワンニャー達が待ってるから。」
先に歩き出した彷徨に未夢も追いつこうとして歩調を速める。
「っと。やるよ、これっ!」
「いったーい。何、これ。」
未夢の顔面に彷徨の投げた小さい包みがぶつかる。
「遊園地みやげ。」
これって…これって…、未夢の目から涙があふれた。視界がぼやけて彷徨の顔がはっきり見えない。
「…あの時も、…彷徨…このくまのキーホルダー…くれたよね…。アキラさんと…彷徨のこと…追いかけてったんだよね…。…やっぱ…あの時も、…観覧車から…助けてもらった………。」
しゃくりあげながら、必死に言葉を続ける。
「思い出したのか?」
「うん。全部思い出した。わたしが光月未夢だってことも、彷徨が西園寺彷徨だってことも、ウチにワンニャーとルゥ君がいることも、ぜーんぶ思い出した。」
泣きながら未夢は笑った。
「ありがと…彷徨。」
少し遅めになった夕飯を渡しながらワンニャーが言った。
「それにしても、よかったですねー。一時はどうなることかと思いましたけど。」
「だぁあ。」
「うん。」
あの時彷徨は何で泣いてたのかな、未夢はチラッと横目でかなたを見る。あのあと一度も目あわせてくれないね、視線を夕飯に戻す。コイツ記憶ないときのことも覚えてんだろーな、彷徨は自分が遊園地でしたことを思い出す。うかつに話できねーな、記憶がないときのこと覚えているなら、おそらく追求されるだろう。覚えてなかったとしても、それが思い出すきっかけになるかもしれない。
「ねぇ、かなた。」
「っ…なんだ?」
突然話しかけられて彷徨は息を呑んだ。
「遊園地!」
何言い出すんだよ、彷徨はさりげなく目線をそらす。
「今度は4人で行こうね。」
びびらせんなよ、はぁっとたまっていた息をはく。
「あぁ。そのうちな。」
「そぉですね。楽しみですね。ルゥちゃま。」
彷徨が目をあわせてくれない理由分かっちゃった、彷徨の反応を見て未夢はくすっと笑った。そんなに怖がらなくていいのに、わたし聞いたりしないから、未夢はご飯をほおばる。
彷徨がいて、ワンニャーがいて、ルゥ君がいて、わたしがいる。
未夢がいて、ワンニャーがいて、ルゥがいて、オレがいる。
これってスゴク幸せなことだよね。
これって結構幸せなんだよな。
「遊園地…楽しみですねぇ。」
これやめさせねーと心臓に悪すぎる、彷徨はワンニャーの何気ない一言に怯えていた。遊園地連れてきゃもう言わなくなるか、頭脳をフル回転させて考える。でも、遊園地で、こないだ行ったときなんて話題になったら避けらんねーし、彷徨の苦悩はまだしばらく続く気配だ。
このことは絶対に忘れないだろう。お互いに。それは2人の思い出だから。
FIN
あとがき
第2作目です。いつの間にか『ホントの気持ち』シリーズ化ですね…。
前回はシリーズにするつもり無かったのでサブタイトルはありませんでした。がさすがに今回は必要だろうということで付けてみました。『Memory』何の変哲も無い名前ですが…。(文才無いんだもん。)
これ書き終わって気づきましたが、私には「ベッド(布団)」「泣く(涙)」「抱きつく」が必需品みたいです。(妹に話したら「どんな話書いてんの?Hっぽい。」と即答されてしまいました。)
コナンの『瞳の中の暗殺者』の影響がちょっとあるかな。なんせこれを書いてるときに小松未歩さんの『あなたがいるから』(映画のエンディング)を聞いてましたので…。
今回も特にこれと言った進展はないですね。(ラブラブにしちゃうと書きにくいんだもん。)
ここまで読んでくださった方々、そして前回のに感想を下さった方々、私を励ましてくださった方々、本当にありがとうございました。これからは本当に受験シーズンに入ってしまうので、パソコンに触れる時間も減っていくことと思います。しばらくは新しいのは書けないと思いますがアイディアだけはいつでも考えています。
またこうやって会えることを祈っています。
ではまた(掲示板には行きますよ。時々だけど)
本当にありがとうございました。
ちーこ
これを書いたのは大体1年前なようです…。
恥ずかしー。なんかまだ文のきり方が幼い感じがする…。
(一応成長しているらしい。)
でも恥ずかしいなぁ。ほんとに。このころから私の書く彷徨はヘタレだったことが判明。(爆)
でも…このころのほうがまだ原作に忠実だったような気がしなくもないのはなんでだろう…
(初出:2000年)