無題

2.

作:ロッカラビット

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「おい、西遠寺、光月さんの彼氏って誰なんだよ。」

「知らねぇよ。」


今日何度目かの、このやり取り。


学校についた途端、見覚えはあるが名前は知らない同級生に何度となく捕まり、この質問を投げかけられる。

声を掛けてくるのは男ばかりだったが、教室に入れば女子たちの噂話が嫌でも耳に入ってくる。

どうやら昨日の未夢とみずきさんを見かけたのは、俺と三太だけでは無かったようだ。


「未夢ちゃんが年上の男の人にマフラー渡してたんだって〜。」


「え〜!じゃあ、西遠寺君とは本当に付き合ってなかったんだ〜。」


「ってことは、まだ私達にもチャンスあり?」


「キャー!!!じゃあ……-―――――。」


マフラー?

女子達の会話から未夢が渡したのがマフラーだとわかった。

それがわかった所で、何かが変わる訳ではないのだが…。


彷徨がフリーだとわかり歓喜する女子達と、未夢に彼氏が居たと知り落胆する男子達の差で教室内が異様な空気になっている。


そんな教室に普段と何も変わらない未夢が入ってきた。


「おはよ〜。あっ彷徨!先に行くなら行くって言ってよね。彷徨が居ないからルウ君泣いちゃって大変だったんだから〜!」


クラスメイトの視線を集めている当の本人は、まったくそのことに気が付いていないようで、スタスタと彷徨の元へ歩み寄ると朝の出来事に文句をつける。


「あっ、わりぃ。」


「え……?」


いつもなら何か言い返してくるはずなのに、こちらを見向きもせずに軽く謝られて、未夢の方が言葉を失う。


「彷徨、なんか…。」


――キーンコーンカーンコーン――


「はーい!席について〜。」


未夢が声を掛けようとした所でチャイムがなり、水野先生が教室へ入ってきた。

仕方なく自分の席へ戻る未夢だが、一度彷徨を振り返ると小首を傾げた。





どんだけ”マフラー”引きずってるんだよっ!!

って思われた方、あなたはロッカラビットの作品を読み過ぎです。(笑)

今回、本当は手袋にしたかったのですが「未夢に編めるのか?(笑)」という声が何処かから聞こえてきまして…。

「なんですとー!(怒)」という未夢の声も聞こえますが…。(笑)

そんな冗談はさておき。

もういっその事、この冬はマフラー推しで行こうかな。

とにかく、またマフラー話ですみません。

こんな駄作にお付き合いいただき、ありがとうございます。



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