恋人ごっこ!?

ワンニャーの苦悩

作:

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「西遠寺くぅ〜ん」
「……小西」
「? どしたの? なんか悩んでる?」

休み時間、ななみとおしゃべりをする未夢を視界の端に映しながら、読んでいる訳でない小説を広げていた彷徨の席に、綾がやってきた。
昨日の未夢の言葉をずっと頭の中でリピートしていた彷徨は、いつもは三人一緒なのに、一人欠けていることに、今ようやく気がついたよう。
「……いや、別に…。 珍しいなと思って」
全部を言葉にしなくても、チラリとそちらに目をやれば、綾にその意味は通じた。ふふっと肩を上げて笑った綾は、閉じられた小説の上にノートを乗せる。

「なんか宿題、あったっけ?」
科目も名前も書いてないノートに首をかしげる彷徨。今日は特に集めなければいけない宿題もなかったはずだ。
「これ、お蔵入りの脚本なんだ〜。 書き出したはいいけど、どうにも上手く完結できなくて〜」
「へぇ…。 ……で?」
「平安時代とか昔の中国とかを舞台に、後宮の美女たちと、甘〜い言葉で彼女たちを虜にする皇帝陛下の話なんだけどね。 この皇帝のセリフ、参考になるかな〜と思って!
 未夢ちゃんから聞いたよぉ〜。 モモンランドのデート!」
渡されたノートを手にとって、パラパラと流し読みながら、その意図を聴く。最後の言葉に、ピタリと手が止まった。
「……俺は行くって言ってな」
「前の学校のお友達が彼氏連れて遊びに来る〜なんて言うから、未夢ちゃんも焦っちゃってぇ〜。 彼氏のフリなんてわざわざ頼まなくても、傍から見れば恋人同士にしか見えないのにね〜」
「な…、なんでアイツと…! ……!?」
(………なんだって…?)

「…こ、小西、今なんて……」
いつものからかいの声の中に、聞いてないことがたくさん出てきて、目を丸くして顔を上げた。
「ん? えっとぉ、傍から見れば…」
「いや、その前…」
「前の学校のお友達?? 彼氏のフリなんて―――…?」
「…フリ? つーか友達が来るとも聞いてねーし…」
「え? じゃあ未夢ちゃん、なんてっ?」




◇◇◇


「未夢さん、なぜあんな言い方を…。 彷徨さん、どうされるんでしょうか…。
 一見、愛の告白ですが、あれでは彷徨さんも怪しむでしょうし……」
お昼寝をしたルゥの傍で、ワンニャーはずずっと熱いお茶をすする。

お気に入りのワイドショーでは、折よく“冬でも初デートはやっぱり遊園地!”と、アトラクションの特集やカップルにお勧めのジンクスなどを紹介していた。
「モモンランドにも、素敵なジンクスがあるんですねぇ〜。 これを期におふたりの仲も、もしかしたら…!
 なんとか彷徨さんにデートに行ってもらう方法はないものでしょうかぁ、う〜〜〜〜〜〜ん……」

彷徨が事実を知ったとは知らないワンニャー。テレビの前で煎餅をかじりながら、頭を悩ませていた。



こんばんは、杏です。
思い付きの第2話、何とか上がりました〜(−。−;

これからどうなる!?どうしよう!?
何パターンも試してみては、納得いかず。結局パソコンに向かった時の気分で書いてますが、ちゃんと結末に辿りつくのか…不安。
今日はバレンタイン。…やば、ネタがない。とゆーか、考えることすら忘れてた(><)

いつも拍手&コメント、ありがとうございます!
みなさんのお言葉がヤル気になってます♪ホントに嬉しいです!
それを励みに、まったりと頑張っていきます。
次回もよろしくお願いします!

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