君さえいれば

競技終了 副賞

作:

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『部活対抗ダンスバトルの結果が出ました! 優勝は………

やはり、日頃の練習がダンスに通じるものがあったのでしょうか!? 演劇部のみなさんでーす!!』



「「やったぁ!」」
「おめでと〜綾ちゃ…あれ、いない」
未夢が振り返ったら、そこに綾の姿はなかった。ほんの一瞬前には、ななみと手を取り合って喜んでいたはず。
「もういっちゃったよー」
「は、はやいぃ〜…」
ななみが指差したのは、表彰台。

「どーしてあの速度が100メートルでは出ないんだかねー」
「あはは、綾ちゃんらしい…」



「…ところで、こーゆーときって部長さんが行くもんじゃないの? なんで綾ちゃん?」
「演劇以外で人前に出たくないんだってー。 だからコンクールとかも、いっつも綾が代表だよ」
「へぇ…変わってるんだね、部長さん」
「ん〜綾に負けず劣らずって感じかなー」

「おっ! 今年は演劇部が優勝?」
「あ、三太くん、お疲れさま〜。 そうそう、すごいよね〜綾ちゃん勝っちゃった〜」
「すっげーダンスしてたもんな〜」
「そうなの? 見たかったぁ〜」

校長先生に賞品と小さなトロフィーを貰っている綾を、遠い団席から見ながら話す。リレーを終えた選手達が団席に戻ってきていた。
「そーいや、こっち戻ろうとしたら、彷徨が先生に捕まってさぁ〜。 何話して…」
『さて、ここで副賞のリクエストを発表しまぁーす! 演劇部の副部長、小西さんより戴いたリクエストは!
 ……“美少年と私”? な、なんですか、このタイトル…』
『え? ひねらない方がわかりやすいかな〜と思ったんだけど…』
『いやぁ、かえってわかりにくいというか、全くもってわからないというか…』


「リクエスト?って??」
未夢が隣のななみに訊ねた。
「部バトの勝者に副賞で、最後のインターバルの競技リクエスト権がもらえるの!
 綾が決めたルールで、綾が決めたひとたちが最後にたたかうってワケ!」
「綾ちゃんが決めた…。 な、なんかすごそうですなぁ〜」


『ルールはカンタン! 借り物競走の要領で、コースの途中にあるボックスからくじを引いてもらいまぁ〜す!
 くじにはそれぞれポーズが書いてあって、出場者にはまず団席からパートナーを見つけてもらって、ふたりでステージ…がないから、え〜っとぉ……あ、あれ! 表彰台に上ってハイ、ポーズ!』
『なるほどぉ〜』
『あ、せっかくだから写真も撮っちゃいましょう!』
「はいはいは――いっ! それはこのオレ、黒須三太におまかせ―――っ! いいポラあるんだぁ〜! オレちょっと行ってくる〜っ!」

放送席に陣取り、マイクで説明する綾に、三太がトラックを挟んだ団席から大きく手を上げて立候補。すぐさまカメラを取りに校舎へ駆け出した。
いくら三太の声が大きいといっても、綾に届いているのだろうか。未夢もななみも、さすがに無理じゃない?と苦笑して顔を見合わせる。

『うん、言うと思ってた〜! ってコトで、黒須くんに決めポーズで写真撮ってもらって、その写真を持ってふたりでゴール!って感じでぇ〜す!』

「……す、すごいね、綾…」
「う、うん…」


『とゆーことで! 出場者は再来週の美少年コンテストにエントリーされている、我が校自慢の美少年たちでーっす! はーくしゅ〜〜〜〜!』

もはや放送委員は御役御免、マイクは綾の手にしっかりと握られている。指差した方に集中した生徒たちの視線。その先では、二十五人の男子たちがスタート位置で待機していた。

「美少年…? ってことは…」
「ま、頑張れ! 未夢!」
「えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!??」



うはっ!短い!

こんばんは、杏です。おまけをちょろっと。前後、もしくは3話完結予定!…うん、予定!
さぁ、彷徨くんに何してもらおっかなー♪

今から考えますw
案が浮かばなかったら、このまま未解決事件になるかも(笑)
………いやいや、それはいかんですね(^^;
何とかします。

気持ちは半分、次に向いてるんだなぁ〜。どれもやりかけ。困ったもんだw

有り難いことに、こんな私を応援してくださる方がいらっしゃるんです。。
だから、頑張ろー!って思います。ありがとうございます。
また見てやってください。杏でした。

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