作:杏
「…未夢、未夢っ!」
「未夢さん! 目を開けてくださぁいっ」
「まんま! まんまぁっ!」
(笑ってって言ったのになぁ…)
薄く瞼を開いた未夢が、覗き込んだ彷徨の頬にゆっくりと手を伸ばした。
「未夢…!」
その手の温かさに。彷徨は腕の中で力なく横たわる未夢を思わず抱きしめた。
「泣かないで…?」
抱きしめた、はずなのに。未夢に抱きしめられていると、気付く。
「ばぁか、泣いてねーよ…。 心配かけんな」
「未夢さん、どこに行ってらしたんですか?」
「ここに…さいおん、じに…。 かなたに……あったの…」
ぼんやりとした瞳で、ワンニャーとルゥを見上げて。
「こっちは、あったかい、ね――――…。 むこうは、ね、じゅういちがつで…さむくて…」
そう言ってまた、瞳を閉じた。落とした腕から、滑るように流れたストール。見覚えのある、けれど、未夢のものではない。
「まんま…?」
「怪我もないようですし、疲れてらっしゃるんでしょうか…。
それにしても、西遠寺にいたとはどーゆーことでしょう…?」
(11月…このストール……。 まさか……?)
「彷徨さん?」
「…あ、あぁ…。 とにかく、無事でよかったよ…」
こんにちは、杏です。
お目にかかれて光栄です!
距離的には間に合わず、きっとルゥくんの力でラ○ュタ的に降りてきた未夢ちゃん(笑)
1話の冒頭に繋がります。
元の世界では数時間過ぎているようですが、未夢ちゃんが過去にいたのはほんの1時間ほど。
タイトルはそう、“異なるもの”です。後付けタイトルなので、上手く中身と合えてないこともしばしば…(−−;
あぁ、連想ゲームって難しい。。
あと少しで完結。お付き合いいただけると嬉しいです。
ありがとうございました。