時を越えて

8話 出口

作:

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「はい、天地でーす! あ、西遠寺くん?
 未夢? 来てないけど…またケンカでもしたのー?」



「もしもしお待たせ〜西遠寺くん! え? 未夢ちゃん?
 うちには来てないよぉ〜? 帰ってないの? こんな時間に…」






「ぱんぱ!」

「彷徨さぁん! やっぱり未夢さんの靴は全部ありますよぉ!」


「…じゃーどこ行ったってゆーんだよ!!」

「す、すみません……」



「いや、悪い……」

時刻は20時過ぎ。未夢が居ないと気付いたのは、夕方。

そのときは彷徨もワンニャーも気にしなかったけど、外はもう暗い。



「ま、まさか誘拐……!」

「……もう一回探してくる」



辺りを探しまわって、息つく間もなく友人たちに電話。また靴を履いた彷徨の表情は、先程よりも険しい。



「わたくしも行きますっ!」

「わんにゃ! まんまぁっ!」


ボンっとワンニャーがいつもの奥さんに化けて、ルゥを背負う。



ガラガラッ





「か、彷徨さんっ! あれっ!」

本堂の屋根より、ずっと高い位置。虹色の光。



「時空の歪み…。 まさか、未夢…!」





その光の中から、吐き出される未夢の姿。

「未夢さぁ――んっ」

「落ちる…!」



彷徨が未夢の落下点に向かって駆け出した。

(間に合え……!)



「まんまぁ―――っ!」


未夢ちゃん、無事(?)帰還―――!
間に合ってね!彷徨くん!!

彷徨くんが思わず怒鳴るシーンって、結構好き。このギャップ、書いてて楽しいんです。
彼の心のうちを書くのが好きなんですかね。
彷徨くんの一人称って書きやすいし、彼のモノローグ考えるとよく言葉が浮かびます(笑)
未夢ちゃんのはかえって難しい…。
杏の思考は彷徨くん寄りなんでしょうか(^^;

8月も終わり。杏の企画も締め切り間近です。
中間報告…予想通りの貴重っぷりとなっております(笑)
お寄せ戴いたみなさま、ありがとうございます。
思い付きワードひとつで結構です。私はそこから妄想を繰り広げてますから。
因みに、この『時を越えて』は、「約束」。
こんなんで十分です。
何かございましたら、ご一報くださいませ。

さぁ、これからが大事ですね!頑張ります!杏でした!

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