雪の降る夜は

雪解

作:どらむかん

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ごめんなさい!すごく遅れました!
12月24日に終わらす予定だったんですが遅筆すぎ!!!!!!!!
しかもまだ続く!長すぎ!計画なさすぎ!!


「未夢!未夢!」
彷徨は商店街のクリスマスツリーが飾られているメインストリートに向かって走っていた。
そこは寄せ集めだが暖かい家族と過ごした思い出の場所。
未夢はそこにいる気がした。

普段はそれほど長くない通りでも人通りがいつもより多くより長く感じる。
彷徨は一心不乱に走り続けた。
やっとクリスマスツリーが見えてきた。そこには大勢のカップルがいる。
そのカップルたちには目もくれずただ一人いとしい人を探す。

未夢!未夢!くそ…どこだよ…。

ふと、近くの本屋が目に留まった。
周りのイルミネーションに負けてしまっているがなぜか目を離すことができない。
すると、その店から誰かが出てくるのが見えた。
幸せそうなでも寂しそうに笑っているその人は店に手を振りながらクリスマスツリーの方へ歩いていく。
一目見てそれが彼女だと分かった。
会えたうれしさと誤解を解きたいという焦りから走っている速度は増していく。
彷徨は人ごみを必死にかき分けながら彼女の名前を呼ぶ。
「未夢!」
その声は周りにかき消されて彼女の耳には届かない。
それでも彼は叫び続けた。
「未夢!未夢!」
彼女はこちらに気づきうれしいという顔をした後すぐ強張らせた。
その彼女の顔にチクッと胸に刺さるが手放したくないというように彼女を抱きしめた。
「やっと見つけた!」
「彷徨!!え?どうして!」
自分の今の状況がわかってきたのか顔を赤くして必死に離れよう抵抗をする。

もし、このまま腕を離してしまったらもう彼女は自分のそばからいなくなってしまう…

抵抗を抑えつけるために力を強めた。
しばらく抵抗を続けていたものの諦めたのか抵抗をやめた。
力を入れていた腕を少し弱める。
「お前、俺と帰るって約束破るは家にいないわで心配したんだぞ。」
「無理だよ…」
未夢の声が震える
顔を見ようとしても自分が抱きしめているため確認はとれない。
「は?」
「一緒に帰れないよ。明日も明後日もその先もずっと、彼女さんに悪いでしょ?ほら私、そろそろアルバイト初めてさ。一人暮らしでも始めようかな?ってそれで」
全部を言わせないかのように抱きしめていた腕をもっと強めた。
「彷徨…痛い!」
「未夢、お前はそれでいいのか?」
「え?」
「俺がほかの女と付き合ってお前はそれでいいのか?」
「べ、別に彷徨が誰と付き合おうとわ、私には関係ない」

今にも泣きそうな声をして震えているのになぜそういう嘘をつく?

「俺は嫌だ。」
「俺以外の男が未夢のそばにいるなんて考えたくないし、そんなこと俺が許さない。」
「そ、そんなの私の勝手でしょ!?彷徨にだって彼女がいるんだから私だって…」
「彼女なんていねーよ」
「へ?」
「俺、いつお前に彼女ができたとか報告したよ?」
「で、でも隣のクラスの子がデートしてる姿見たって言ってるし。」
「俺の言葉より知らない他人の言葉を信じるんだ。」
「だって。」
「でも、彼女のために買いに行ったからな」
「え?」
「俺あの日、彼女にクリスマスプレゼント渡したくて買いに行ってたんだよ。たぶんそれを見られてたんだと思う。」
「え?でも彼女いないんじゃ…」
「うん、今はまだ。」
「そ、そっか…」

再び未夢が離れようとするが力を入れているため離れられない。
彼女にとっては拷問にしか見えていないだろう

「まぁ、最後まで聞けって。その彼女はおせっかいで勘違いすごくしてさ、バカでドジでどうしようもなくおっちょこちょいで、人一倍暖かいやつなんだ。」

彼女の顔を胸から引きはがし彼女の新緑の瞳をまっすぐに見つめる
「なぁ?誰だと思う?」
「…」
未夢の耳元に口を近づける
「なぁ?未夢?」
「あきらさん…?」
「はずれ、あと1回ミスったらキスな?」
「なんでそうなるのよ!」
「じゃあ、答えろよ未夢ちゃん?」


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