作:久保真理
啓徨はご飯を食べてから、すぐに学校に向かって行った。
「ルゥくーん・・・あら?ワンニャー?」
啓徨を見送ってから居間に来た未夢はワンニャーもいることに少し驚いた。
「未夢さぁーん。お久しぶりですぅ」
「ワンニャーは相変わらずみたいね」
啓徨行ったよといいながら未夢は座った。
「それにしても、どうやってきたんだ?」
「あ、それはね。時空のひずみのコントロールが出来るようになったからなんだ。」
へぇとふたりは息ぴったりに言った。
「そうなんです!最後の決め手はルゥちゃまでしたんですよ!!」
鼻息を荒くするようにワンニャーは言った。
「「そうなの(か)??」」
2人は身を乗り出した。
「ん。まぁ。でもたいしたことないよ。」
ルゥは少し照れたカンジだった。
え〜
と言った時だった。
ジリリリリ。ジリリリリ。
家の電話が家中に鳴り響く。
「あ、電話!」
そう言って未夢が立ち上がったとき、その音は止んだ。
「あ、もしかして親父・・・」
と言って、4人は顔を見合わせた。
「私、一様見てくる」
「たのむ。2人は一様隠れてくれ。」
「うん」
「はい」
一瞬のうちにアイコンタクトをしてそれぞれ行動に出る。
ちょうど2人が押入れに入ったとき
未夢がリビングに行こうと襖を開けたとき
宝昌が勢いよく走ってきた。
「未夢さん。彷徨やぁ!ワシはこれから修行に行ってくる!しばらくは戻らんから後は頼んだぞ!」
そう言ってそのままどこかに消えて行った。
「・・・やっぱ、親父が電話出たんだな」
「みたいね。ちょっと安心かも。でゆーかお義父さん今度はどこの国か言ってない。」
「まぁ、大丈夫だろ」
「そ、そうだね。」
ぽかんとしながら、未夢と彷徨は安堵のため息をついた。
「2人とも、出てきて大丈夫だよ。」
そう言って未夢は襖を開けた
「彷徨さんのお父様、また修行なんですね。」
ワンニャーがそういいながらのそのそと出てくる。
「気にする必要がないから、楽だろう?」
「え、まぁ」
ぽろっとワンニャーの本音がこぼれた。
「『また』って?」
ルゥは小さかったから、わからないみたいでキョトンとしている。
「ルゥくんが地球に飛ばされてきたとき、お義父さんはインドに修行に行っちゃった直後だったのよ。」
未夢があの頃を懐かしむようにルゥに説明をした。
「ああ、ナルホドね」
「そういえば昔さぁ・・・・」
と、昔話にしばらく花を咲かせていたとき
「ただいまー!」
未宇が勢いよく帰ってきて
一目散に居間に走ってきた。
「よかった!ルゥいたぁ!!」
と言って、そのまま座った。
ルゥはじーっと未宇を見て
未夢と彷徨を見た。
「未宇て、やっぱり顔ママ似だよね。啓徨さん。だっけ?はパパ似。性格もそっくり」
「えっ!お兄ちゃんに会ったの?!」
そのコトバに未宇は驚いたようだった。
「うん。朝」
「お兄ちゃん、ぶっきらぼうじゃなかった??嫌いになった?」
未宇がすごく焦ったように矢次にルゥに質問した。
「ん〜。少し、かな?パパみたいだった。嫌いになってないよ。どうして?」
ルゥの言葉に未宇はあきらかに安堵のため息をついた。
「お兄ちゃんね、本当はやさしいの。だけどね、だけど・・・」
「恥ずかしがりやなのよ」
未夢が未宇の言葉を継いだ。
「未宇は啓徨、大好きだもんな」
彷徨のこの言葉に、ルゥがぴくっと反応した。
「大好き?僕よりも?」
「「「「え」」」」
未夢、彷徨、未宇。
そしてワンニャーまでもが驚いてみんながルゥのほうを向いた。
ルゥの顔には眉間にしわがよっていて
いつもの優しそうな顔とは、少し違う顔をしていた。
未宇はびっくりして口をあんぐりと開けていた。
「ちちちちち、違うよ!意味が違うよ!!」
はっとして未宇は否定をした。
「意味?」
まだルゥは不機嫌そう。
「だ、だから。お兄ちゃんの『好き』と、ルゥの・・・す、『好き』は違うの。」
両親とワンニャーの前でこんなことを言わなきゃいけない未宇は
ものすごく恥ずかしそうにしている。
「どういう意味?」
それでも、ルゥはまだまだ不機嫌そう。
3人は未宇の次の言葉を待っている。
その場の空気に耐えられなくなった未宇は立ち上がった。
「ルゥ、こっち来て」
そう言ってルゥの腕を引っ張ってどこかに連れて行った
その顔は真っ赤。
その後姿を3人はそれぞれ眺めていた。
「青春ですね〜」
「いいなぁ。ラブラブねぇ」
「ルゥちゃま、彷徨さんみたいです。」
「は?」
その言葉に彷徨の眉間に皺がよる。
「嫉妬しているときの彷徨さんに、今のルゥちゃまがそっくりです。」
その言葉に軽く頬を赤らめてそっぽを向いた。
「彷徨、嫉妬なんかしてたの?誰に??」
鈍感未夢健在。
嫉妬なんて、未夢以外にすることはないのに
それに気づかない。
彷徨はため息をついて、
ワンニャーは意味ありげ〜に
にやっと笑っていた。
ルゥに嫉妬をしてもらいました。
好きとか。大好き。愛してる。て難しいですね。
意味が深い。
友達として、家族の『好き』と
異性への『好き』
『好き』と言う言葉一つにも使い方や使う人によって意味が少し違う。
難しいけど、面白い言葉だと私は思います。
更新が遅くなり、すみません。
また更新できるようにがんばります。
『私の気持ち』のボツ品を一時誤って出してしまってすみませんでした。(汗)
(’09年8月24日・真理)