私の気持ち

早朝A

作:久保真理

←(b) →(n)


今言うんだ

今がチャンス


あたしの気持ち


彷徨に伝えるんだ。


ルゥくんワンニャー


あたしに勇気をください





「え、あ。なんだ?」


いきなり声をかけられたのと


一瞬未夢の横顔に見とれてしまったので


あたふたと動揺する彷徨


その頬はかすかに赤いが


そらがまだ日が出たばかりで赤く、カモフラージュになる


けど




未夢は自分の気持ちを言おうと勇気を振り絞っているため


周りを見る余裕もまったくなかったから、心配はないけど。





と、いきなり未夢が彷徨に顔を向けた



「あ、あのね!あたし、あたしね。か、彷徨がっ・・・」



勇気を振り絞ってまさに言葉にしようとした瞬間




「おやぁ?その声は未夢っちかい?」


望が『お約束』のように見事に登場したため



未夢の言葉を遮り、



未夢の勇気もしぼませてしまった。





「ぇ・・・・あ・・・う・・・・」


何か言おうと口をパクパクさせるけど、




何も言葉は出てこなくって。










ダーー!!!!









と、勢いよく未夢は走り去ってしまった。





”今、未夢・・・何を言おうとしたんだ?”




今の言葉から推測できる言葉は





果たして自分の勝手な想像なのか




はたまた、



本当に未夢がそう自分に言おうとしてくれていたのか。





彷徨の頭はぐるぐるしていた。












「西遠寺くん」







その時、望が彷徨の名前を呼んだ。


それは、いつもの明るい感じではなく


静かに



冷静で



落ち着いた声だった。




それが、


ぐるぐるとしていた彷徨の頭の中を冷静にさせる。




「なんだ?」



「今、どうしてこのタイミングで僕が出てきたか、わかるよね?」



「は?」



にっこりと笑う望は、


余裕で、大人の微笑み的な感じがした。



彷徨は、いまいちよく分からない。



と、いうより



わざと、このタイミングに出てきたというのが気に食わなかった。





未夢の言葉をわざと遮り、未夢はどこかにはしっていってしまった。




2人でいるのを見られたからなのか



イライラする。






そんな自分が、ガキだな。




と思う、どこかいつも冷静な自分がいる。



そして、望の微笑は


にやり。と言う感じの笑みに変わった。




「レディーにあんなこと言わせチャダメさ。」



「キミが本当に紳士ならね。」




フフンと笑って、


望は下に降りる。


「さぁて、もう一眠りするかな!皆寝ているのに僕だけおきていてはつまらないからね」


そう言って、お堂のほうに向かって行った。



彷徨は


何か


決心したような



そんな顔をして


望の背中を見ていた。







更新遅くなってすみません!!

今回で、未夢に告らせよーかと悩んだのですが
それだとやっぱりつまらない!!
と、いうことで望にわざと登場してもらいましたー!!笑
お先真っ暗状態なので、この先どうなるかも分かりません。汗

そろそろクライマックス
楽しんでいただけたらなによりです。(5/28)

←(b) →(n)


[戻る(r)]