私の気持ち

ホンネ

作:久保真理

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ルゥとワンニャーのいた部屋で、2人は腰を下ろした。

「みんなも、未夢に会いたいって、よかったな」

そう言って彷徨はやさしく頭をなでる。

「かなたぁっ」

未夢は彷徨の胸にしがみついて、顔をうずめた。

彷徨は腕を背中に回して安心させるようにきゅっと抱きしめる。


うぅ〜

あまり声を出さず、静かに泣く未夢

肩がかすかに震えてる。

ぽつり、と未夢がつぶやいた。



「・・・たくない・・・・・」


「ん?」


やさしく彷徨が聞き返した。




「帰りたく、ない・・・



ここに、皆と一緒にいたいよぅ・・・」



ぽろりとこぼれた未夢の本音だった。



「両親と暮らせてるのに?」



「わかってるよ。けど、ここにいたいの。

こうなるって、わかってたから1年も戻ってこれなかったんだもん。


アメリカよりも、前に住んでいた家よりも、

ここの方が、たーっくさんの失いたくない思い出があるんだもん・・・・」



未夢はぎゅっと力を強めた。


「そうか・・・」


彷徨はぽんぽんとたたいて未夢を落ち着かせようとしながら、


自分の騒ぎ出した心臓の音が、未夢に聞こえやしないかとヒヤヒヤしていた。

そんなことを言ってもらえると思っていなかったから、

夢のようで。


心の準備みたいなのも出来ていなかった。



自分の気持ちを知られたくない。


そう思ってても、未夢を話さなかったのは、


ここにいてほしいとおもっているからだ。



未夢の両親のためにも、帰ってあっちで暮らすべき


それでも、傍にいてほしいを言う気持ちがどうしても捨て切れなかった。




「・・・・なんてね!!わかってるよ。パパとママが心配する。


冗談だよ冗談。彷徨ってば本気で捕らえすぎなの〜」


未夢は笑って顔を上げた。



未夢の顔は、寂しそうだった。




「・・・いやだ。」

そんな寂しそうな顔を見たとたん。

彷徨の本音もポロリとこぼれ落ちた。


未夢の本音も聞いたからかもしれない。






本音トークでっす。

さあこの先どうしよう。。ワクワク

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