作:久保真理
「未夢ちゃん。久ぶり。見ない間にキレーになったねぇ。」
「そ、そんなことないよ〜」
にひひと笑う三太は横目で彷徨をちらみする。
「あいつら布団入れてるよ。さっさと料理しちまおーぜ!」
途中だった料理を再開する。
三太にはお堂に戻ってもらった。
カモフラージュに飲み物を持たせて。
「未夢、大丈夫か?」
彷徨はさっきのことがあったから、はらはらしてる。
「全然大丈夫だよ!」
一方未夢はさっき切ったコトを忘れてるんじゃないかってくらい元気にピースした。
そんな無邪気な姿にドキッとする彷徨だった。
あとから揚げをあげるだけになって、
揚げてる間、未夢に見ててもらって、
彷徨はお堂に向かうことにした。
顔に出ていないか心配でたまらない。
「うっす。」
そう言ってお堂に入っていった。
「あ、かなたぁ!料理どーだ?」
「もうすぐできる。少ししたらメシにするか?」
「いいですわね!西遠寺くんの手料理なんて・・・」
クリスはぽわ〜と妄想にふけっている。
「皆であつまるなんて、久しぶりだよね。」
「未夢、元気かな」
元気だよ。心の中で彷徨は返事をした。
ななみとあやは少し寂しそう。
「未夢ちゃんから連絡はないの??」
「手紙少しだけしてる状態、かな」
「あぁ!未夢っちに会いたい!!アメリカに行きたい!」
望はオーバーに両手を空に向けている。
「ははは」
彷徨と三太は苦笑いした。
「あ、そろそろ戻らなくちゃ。」
そう言って彷徨は退散しようとお堂を出て、角を曲がった。
そこには
「未夢・・・」
目に涙をためた未夢がうつむいて立っていた。
「とりあいず、戻ろう?から揚げは?」
「あげられたから、出してある。火も止めたから大丈夫だよ・・・」
「そうか」
そう言って、未夢の背中を押す。
どこか落ち着けるところ。
そう思って、たどり着いたのはルゥたちのいた部屋だった。