私の気持ち

準備☆@

作:久保真理

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軽く着飾って、鏡で自分の姿を見てみる。

「うん。変じゃない」

にっこり笑う未夢は、

スマイルの絵柄の白いTシャツで薄い黄色のベスト、

ベストより少しだけ濃い黄色で、小さな花が散っているロングスカートをはいていて

胸には、未来がくれたペンダントがついていた。



それで、すぐに走ってリビングに戻ると、彷徨は未夢の食べたお皿を洗っていた。

「ちゃんと着替えたよっ」


ずいずいっと彷徨の目の前に行って胸を張った。

顔を上げて、未夢を見た彷徨は口を開いたまま固まった。

「あ、ああ。そうだな」

その後すぐ下を向いた。

”一年でなんでそんなキレイになるんだよ。一瞬見とれちまった”

真っ赤になりそうな顔を見られないように下を向いて、食器を洗った。


「手伝う?」

気がついたら、未夢が彷徨の隣にいた。

「あ、じゃあ食器拭いてしまってくれ。」

下を向いたまま言う

「了解〜」

彷徨目の前にあった食器が消えた。

てきぱきと未夢が片付けていく

「食器置くところなーんにも変わらないね。一年前のまま。」

「変えるなんて、めんどくさい。」

「彷徨らしいね。はい、おわり」

そう言って最後の食器を片付けて戸を閉めた。


「じゃ、次はお堂で今日の準備だ。休みなんて無いぞ?」

「ふへ〜」


「床拭いといてくれ、俺他の仕事やるから。 

  それが終わったら、机とか出して2人で準備だから。」



「はーい」

昨日拭いたのにと思いつつ、雑巾とバケツを取りに行った。


その後姿を見送ってから、彷徨は布団を5枚取り出して、

見えにくいけど日の良くあたるところに干す。


未夢には言ってないけど、今日は皆泊まりでくる。

お堂で雑魚ねの予定だ。













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