作:久保真理
未夢が、あんなことを言ってくれて
本当にうれしかった。
俺は未夢と2人で本当の家族になって待ちたい。
ルゥと、ワンニャーを。
ゴールデンウィークだけじゃなくて、その先も。ずっと・・・
でも、その言葉は飲み込んだ。
未夢がそういう対象で見てくれているかは分からないし
もし、そうだったとしても。
せっかく一緒になった家族を、離れ離れにさせてしまう。
また悲しい思いを俺がさせてしまうことになるから。
でも、
俺は・・・・
お互い、なんだか恥ずかしくて。
沈黙がなれそう。
彷徨が声を出した。
「いつか!来るよ。きっと。だから、待とう?」
やさしく。
自分にも言い聞かせるように言う。
「そう。だね。」
未夢は安心したように、やさしく彷徨に笑った。
「いつか。いつか。また、皆で・・・」
そう言う未夢は、たそがれるように言った。
それは、とてもキレイで。彷徨は見とれてしまった。
「あ!」
それを見ていて、思い出してつい彷徨は大きな声をつい出してしまった。
「どうしたの?」
きょとんとした顔で見返してくる。
「布団干して、そんまんまだった。」
外はもう夕焼け。もうすぐ日が沈みそうだった。
「入れてくる」
そういって彷徨は立ち上がる
「あたしもやるよ。あたしが使うお布団でしょ?」
そう言って彷徨の後に未夢についていった。
2人でサンダルを履いて外に出る。
「じゃ、未夢は毛布とシーツ持ってくれよ」
「うん」
そう言って受け取る。
彷徨は敷布団をもって、2人で中に戻った。
未夢の布団を部屋に持っていった。
「布団冷えちまったな。」
「いいよ別に。」
そう言ってふたりで部屋を出て、廊下を歩く。
「明日は、招待客がいるから外出るなよ?サプライズなんだから」
にっと笑って、彷徨は未夢に言った。
「わかった。じゃぁ、明日はこのお寺お掃除して過ごす〜」
笑って、無邪気にそう言う未夢の姿は彷徨には輝いて見えた。
「じゃ、俺もそうするかな。あ、料理は手伝ってくれよ?上達したんだろ?」
ちょっぴりイジワルに笑って言った。
「りょーかい!!」
にっこり笑って警官みたく手を額につけた。
そのうちに、台所に着く。
「それじゃ、夜ご飯。作りますか!」
彷徨が元気よく言う。
「おー!」
それに答えて、未夢は握りこぶしを上げた。