作:中井真里
秋の深まる季節。
ひとりでいると、
何だか無性に淋しくなる。
君と同じ時間を過ごす温もりに
慣れてしまったからだろうか?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
-朝
光月未夢は平尾町病院への道を走っていた。
またうっかり寝坊をしてしまったのだ。
これでは朝の申し送りに遅れてしまう。
主任の怒る顔が頭に浮かんだ。
「あ〜あ、また有沢先輩に叱られる・・・」
未夢は思わずため息をついた。
最初は叱れるたびに、落ち込んだものだが
さすがに一年続くと慣れも出てくる。
が、尊敬している先輩に何度も叱られたくはない。
-それに・・・
頭の中にひとつの顔が浮かぶ。
(な・・・私ったら何考えてるのかしら?)
思わず、赤面して立ち止まる。
”あの日の出来事”をきっかけに
何だか胸の奥がもやもやしていた。
気が付いたら、男の部屋にいて、
自分の横に眠っていたのは・・・。
想像するだけで、体中が熱くなってくる。
(そ・・・そう言えば、あれから口聞いてなかった)
あんな出来事の後で
顔を合わせるのは気まずい。
そう思いながら、自然と
彼から遠ざかってしまっていた。
何か用事があっても、同僚に任せてしまったり。
(きっと怒ってるよね。西遠寺先生。
私ったらいきなり叩いたりして・・・)
ふと立ち止まってその名を呟いてみる。
が、それだけで状況が変わるはずもなく。
しかし、そうもしていられない。
今は一刻も早く病院に到着しなければ。
未夢の足は自然と早くなった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
(あ、あいつまた怒られてる・・・)
彷徨は廊下の中央で足を止めて、
ナースステーションの方を見た。
主任の有沢志穂がひとりのナースを
叱りつけている。
金色の髪を頭で束ねたナースは
下を向いて、恥ずかしそうに俯いている。
そんな仕草も可愛くて仕方が無いのだが。
(光月のやつ・・・最近どうしたんだろ?)
彼女の姿を見つめながら、そう呟く。
”あの日”から自分達の関係は壊れた時計の針のごとく
止まったままだった。
あのような事件があって以来、未夢はあからさまに
彷徨を避けるようになったのだ。
引き起こすドジや、トラブルも
一層増えたような気がする。
(やっぱり俺のせいだよな)
自分に強い責任を感じ、胸が痛くなる。
例え、自分たちの間に何も無かったとは言え
彼女を傷付けてしまったのは事実。
何とかして謝るきっかけをつくろうとしたが
タイミングがどうも噛み合わず、ずるずると
二週間が過ぎようとしていた。
「俺、何やってるんだろうな」
”ごめん”と一言で済むことが
こんなにも難しいなんて、
思いもしなかったのだ。
思わず、ため息を付く。
だらしない自分が
次第に情けなくなってくる。
(こんな自分を彼女が
好きになってくれるはずがない)
そう思って、一歩を踏み出そうとした。
が・・・
「西遠寺先生、107号室・江藤さんの診察お願いします」
「あ・・・あぁ。すぐ行く」
後ろからナースに声を掛けられ
107号室へ急いだ。
毎回この調子なのだ。
(いつまでこんなことが続くのだろう・・・)
ギュッと締め付けられる胸の痛みに
これ以上耐えられそうも無かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「ねえ、聞いた聞いた?今日120号室に
新しく入院して来た患者さん、
凄くハンサムなんですってぇ〜」
「うっそ〜あとでチェックに行こうっと」
「西遠寺先生より格好いい?」
「う〜ん。私は西遠寺先生の方が好み」
「私は・・・望センセ・・・」
-ナースステーション
仕事の合間に同僚のナースが話題を振る。
未夢はその話に参加する気にもならず、
ふぅと長いため息をつく。
浮かんでくるのはひとつの顔ばかり・・・。
「ねえ、未夢。ところで昨日、西遠寺先生のマンションから
出てきたってホント?」
同僚のめぐみがニヤニヤした眼でこちらを見ている。
「そ・・・そんなわけないじゃない」
「ふ〜ん」
未夢は動揺を悟られないように
平常心を装うとするが、
すでに顔に出てしまっている。
「あんたもさぁ、結構苦労してんだね。
大変な人に好かれちゃって。このこの」
「す・・・好かれてって・・・そんな訳ないじゃない」
(そうよ、私なんかが本気で相手にされるはずがない・・・)
そう心の中で呟いて、俯く。
(ふぅ、この子はどうしてこんなに鈍いんだろ。
男が気のない女を部屋に入れたりするわけないのに)
めぐみは少し呆れた表情で未夢を見た。
「光月〜120号室の山村さんの点滴お願い♪」
「は・・・はい」
有沢に指示を出され、ようやく
ナースステーションを後にする。
その様子をふたつの眼が見つめていた。
瞳には温もりが満ちていて・・・。
その姿は、この平尾町病院で知らないものはいない
クールで硬派なドクターに抱かれているイメージとは
全く違ったものだった。
めぐみは何だか未夢が羨ましくなって、
ふぅ、とため息をついた。
「林原、あんたも110号室の森川さんの点滴お願い
それから、123号室の平松さん、術後の経過に注意して」
「は・・・はい〜」
「それから、光月の動きにもね。
ここのところ様子がおかしいし」
有沢はニッコリ笑って目配せをしてみせた。
彼女は彼女なりに気が付いていたのだ。
「分かりました〜」
めぐみには何となく、その気持ちが
分かるような気がしていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「未夢ちゃん。久しぶりだね」
「や・・・山村さんって
みずきお兄ちゃんのことだったんだ」
未夢は120号室に入った途端、
新緑色の眼をぱちくりさせた。
みずきは小さい頃、
近所に住んでいた男の子だった。
少し年は離れていたが、いつも一緒にいた。
いつの日か、彼に会うたびに
胸の高鳴りを感じるようになった。
名前を呼ばれるたびに
手が繋がれるたびにドキドキして。
その気持ちに気づかないまま、
時はあっという間に過ぎた。
やがて、未夢は高校を出て上京することになる。
みずきは地元の会社に就職した。
最初は手紙のやりとりも
していたが、お互い忙しくなって
連絡も途絶えてしまった。
自分を見つめる優しい眼、表情。
すべてがあの頃のままだった。
「みずきお兄ちゃん、東京に来てたんだ」
何年ぶりにその名前を呼ぶのだろう。
懐かしさを噛みしめていた。
「うん、まあね。でもドジって怪我しちゃってさぁ。
一ヶ月の入院だよ。でもここって
未夢ちゃんが勤めてる病院って
聞いてびっくりしちゃったよ。」
みずきはそう言って優しく微笑んだ。
胸が熱くなる。
が、あのときに感じた胸の高鳴りとは
違うような気がしていた。
「ふふ。気分はいかがですか?」
「はいはい、今のところは大丈夫ですよ」
そう言ってお互い微笑み合う。
二人の間には、穏やかで
暖かな空気が流れていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「やぁ、西遠寺くん。気分はどうだい?」
昼休み。
彷徨は食堂でぼんやりと座っていたが
突然、お盆を持った望が前に座った。
彷徨の前にある食事は
殆ど手が付けられていなかった。
「見れば分かるだろ。ったく元はと言えば
お前のせいで、こんな面倒なことになったんだからな」
彷徨はそう言って、望を恨めしい目で見ると
今日何度目かのため息をつく。
「もしかして、120号室に来た、新しい患者さんの
ことかい?何でも未夢ちゃんの幼なじみとか。
ふふふ、思わぬライバル出現だねえ」
「うるせ〜」
「おや、怒るのは図星を突かれた証拠だよ」
望はこちらを見ると、面白そうに笑っている。
こいつはそう言うやつなんだ。
彷徨は心の中でそんなことを呟きながら
自分の不器用さを嘆くしかなかった。
「それで、どうするんだい?」
「どうするも何も・・・」
望はそんな彷徨の態度が
焦れったくて仕方がなかった。
「西遠寺くん、いっちゃあ悪いけど
男は時にびしっと決めた方が良いときも
あるんだよ。」
毎日三回以上はシャンプーしている
自慢の髪を掻き上げて
わざと気取ったような言い方をしてみる。
「お前は決めすぎだろうが。それに
何度もそんなことしてたら、
重みが無くなる」
彷徨の顔が次第に強ばってくる。
予想通りの反応が面白い。
「じゃあ、未夢ちゃんに言うかい?
君の気持ち」
「・・・・」
「あの男に取られてもいいのかい?」
「い・・・いいわけないだろっ!!」
彷徨はそう叫んで立ち上がった。
周りは彼らしくない態度に
驚きを隠せず、呆然と見入っている。
望はまさにしてやったりという表情で
彷徨の方を見た。
クールで、優秀なドクターの裏の顔。
本当は不器用で心優しい、
少年のような感情を持ち合わせた男。
未夢は彷徨のそんな一面を
知っているのだろうか?
望はその点に置いて
強い興味を抱いていた。
もちろん、恋に不器用な友人のため
ということもあるのだが。
「で、どうするんだい?
何なら手を売ってやってもいいけど」
そう言って、不敵な笑みを浮かべた。
(やつがこんな表情をするときは
何か企んでいるに決まってる)
彷徨はそう思ったが、今の自分には
彼の策に従う術しか残されていなかった。
そして、無言でこくりと頷いてみせる。
改めて、不甲斐ない自分が
情けなく思えて来た。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
-婦長室
午後、未夢は婦長室のドアを叩いていた。
有沢によれば、婦長が直接話があるらしい
とのこと。
「光月ですけど。お話ってなんですか?」
「そこにお座りなさい」
婦長の白鹿野梨子は未夢に座るよう
促すと、話を切り出す。
「120号室に新しく入院された
患者さんをご存じですね」
「みずき・・いえ、山村さんのことですか?」
突如出された名前に、戸惑いながら答える。
「ええ。その山村さんについてなのですが、
有沢主任と光ヶ丘先生の話し合いの結果
担当はあなたで、ドクターは西遠寺先生
に決まりました。よろしくお願いしますね」
野梨子は言い終わると、ニッコリ笑った。
その笑顔は、まるで日本人形のように美しい。
が、未夢にとっては、その奥に何か別の感情が
秘められているようでならなかった。
「は・・・はい。喜んで担当させて頂きます」
みずきに自分のドジな姿を見せたくは無かったし
彷徨と顔を合わせるのは気まずかったが
いわば、”婦長命令”に逆らえるはずもなかった。
「あ・・・あの、話はそれだけですか?」
「ええ。お仕事中に引き留めてごめんなさいね」
未夢は野梨子に頭を下げると
ユウウツな顔で婦長室を後にした。
野梨子はそれを見送ると
大きな瞳を見開かせて
不敵な笑みを浮かべた。
(さて、どうなるかしらね。ふふっ)
未夢は婦長室を出ると、
みずきの待つ120号室に向かって
歩き出した。
(また、悩み事が増えちゃった・・・)
心の中でそう呟く。しかし、今の自分には
どうすることも出来なかった。
目の前で、”あの日”に見た
彷徨の笑顔が浮かんで消えた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
-120号室
彷徨は担当医として、
山村みずきの前に立っていた。
とにかく、同性の眼から見ても
綺麗な男だなと思った。
表情が穏やかで、
自分より明らかに大人の男だった。
今は、現在の状態や今後の治療方針などを
順序立てて説明しているところだ。
望が仕組んだことだと
すぐに分かったが、今の自分に
逆らう余裕など残っていなかった。
みずきは先程から、何が嬉しいのか
顔をニコニコさせながら
自分の話を聞いている。
時々、頷いたり、考え込んだりしながら。
彷徨は昔からこのタイプが信用出来なかった。
心の奥底で、何を考えているのか
分からないからだ。
(みずきお兄ちゃん・・・)
心の中で、あの日
未夢が呟いた言葉が蘇る。
胸がズキリと痛んだ。
これ以上、この場に居たくない。
そう思った。
「以上で、説明を終わります。
点滴は一日一回、食事は通常通り
一日三回でお願いします。
じゃあ、僕はこれで」
全ての説明を言い終えると
すぐに立ち去ろうとした。
が・・・
「先生、未夢ちゃんがいつもお世話になってます」
みずきはニッコリ笑うと、軽く頭を下げた。
(・・・・は?)
「西遠寺先生は、未夢ちゃんの
ボーイフレンドなんでしょ?」
(・・・へ?)
彷徨はみずきの思わぬ言葉に
呆然と立ち尽くした。
「違うの?この病室の方達も、
他の看護婦さん達も、みんなそう言ってるよ?」
みずきは午前中の間に、未夢の事を聞いて回ったのだ。
元々、噂の絶えないふたりだ。すぐにそんな話が
耳に入ってきても自然では無い。
もちろん、当人達はそんなことに
気づきもしないのだが。
彷徨の顔は一瞬のうちに真っ赤になった。
「ち・・・違いますよ。俺と彼女はそんな関係じゃ・・・」
そう弁解してみたが、みずきには通用しなかった。
「ふ〜ん。でも西遠寺先生は
未夢ちゃんの事が好きなんでしょ?」
みずきは終始ニコニコ顔を崩さず、そう言った。
自分の心を一瞬にして言い当てられて
体中が熱くなるものを感じていた。
「ふふ。やっぱりね。顔に書いてありますよ」
「で・・でも。山村さんは光月のことが・・・
それに光月だって・・・」
彷徨の言葉に、みずきは首を振った。
「確かに僕達は一度、お互いに幼なじみ以上の感情を
抱いたことはある。これは否定しない。
でも結局、それは違うって分かったんだ。
僕達は、どうやっても”家族”以上の線を
越えることは出来なかったから。
それは未夢ちゃんも同じだと思う。
だから誤解しないで下さいよ。西遠寺先生」
みずきはすべてを見透かしたような表情で、
彷徨の方を見ると、嬉しそうに笑った。
少し複雑な感情を胸の奥にしまいながら。
彷徨は体中が弾むのを感じていた。
(俺は、彼女を好きになってもいいんだ・・・)
そんな希望が沸いてくる。
「改めて、未夢ちゃんをよろしくね」
「は・・・はい!」
彷徨は戸惑いながらも、
そう返事をする。
(想いを告げられるかどうかも分からないけどな)
心の中で、そう呟きながら。
周りではふたりの事情を良く知る
患者達がニヤニヤと彷徨の方を見ている。
(気・・気まずい・・・)
これ以上、この場の雰囲気に
耐えられそうになかった。
「じゃ・・じゃあ、俺はこれで」
そう言いつつ、病室を後にした。
みずきはその背中を
微笑みながら見送っていた。
それから彷徨は、120号室を
逃げるような速度で後にした。
しかし、途中でぼんやり歩いていた未夢と
衝突してしまった。
彷徨は未夢が倒れるところを
すんでの所で抱き寄せる。
「ご・・・ごめん」
「ごめんなさい。私、ぼんやり歩いてて・・・」
お互いの体制に気が付いて、すぐに離れた。
顔を真っ赤にさせながら。
「あのさ。そ・・・それより今、時間あるか?」
「??大丈夫ですけど?」
「話があるんだ」
彷徨は未夢の両肩を掴むと
真剣な眼差しで見つめた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あ・・・あの、話って何ですか?」
二人は病棟の裏庭に移動していた。
ここの方が人目に付かなくて
話をするのに丁度いいと思ったからだ。
「この間はごめんな」
先程の真剣な眼差しは変わらない。
真っ直ぐな瞳で、目の前の彼女を見据えた。
「い・・いえ。私の方こそ
いきなり叩いたりしてごめんなさい」
未夢は、あまりの恥ずかしさと気まずさから
顔を俯かせつつ、何とか口を開く。
「あの日、お前酔っててさ。
家の場所も言えない状態だったから
俺の家に連れてきたんだよ。
だけど、軽率だったよな。ごめん」
彷徨は胸の奥から溢れ出しそうな想いを
必死に抑えながら、言葉を続けた。
「いえ、いいんです。お酒が呑めないくせに
よく考えもせず、友人に付いていった
私が悪いんですから」
「い・・・いや」
「で・・・も」
お互い言葉が詰まる。
視線がぶつかる。
しばらく見つめ合う。
彷徨は顔を近づけると
未夢のおでこにコツンと触れた。
「これで、おあいこだな」
そう言ってニッコリ笑った。
未夢の顔は耳まで真っ赤になっている。
「////さ・・・西遠寺先生って割と
子供っぽいところもあるんですね」
「悪かったな」
頬をうっすら赤くして、そっぽを向く姿が
未夢には可愛らしく感じられた。
まるで、拗ねた子供のようで・・・。
普段のクールで毅然とした顔とは
違う面が見えてくる。
時々格好良くて、可愛くて。
私、先生のそんなところ全部・・・
そう思える。
彷徨は未夢のそんな心中には気づかずに
言葉を続けた。
「そ・・・それで、この間の
お詫びって訳じゃないけどさ
今度の休み・・・」
「今度の休み?」
彷徨がそう言いかけたとき、
後ろの方から声がした。
「光月さん〜主任と光ヶ丘先生が呼んでますよ」
同僚のナース・須藤瑞樹が声を掛ける。
「今行きますって伝えておいて〜」
すぐに簡単な返事をする。
「じゃあ、私行かなくちゃ。
続きは仕事が終わってからでいいですか?」
「・・・・いや・・・いい。また今度な」
「??」
彷徨は不機嫌そうな顔で後ろを向くと
病棟に向かって歩き出した。
「先生待って下さい〜私も行きます」
そう言って未夢も歩き出す。
自然と横に並んだ。
「何だか怒ってません?」
「怒ってない!!」
彷徨はすっかり不機嫌になって
そっぽを向いて歩いている。
(はぁ。少しは気づいてくれよな・・・)
そんな事を思いながら。
未夢はそんな彷徨の態度に首を傾げつつも
こうして彼の横を歩いている自分に
確かな幸せを感じていた。
私は、西遠寺先生が好き。
想いは通じないかもしれないけど
こうしていられるだけで、
十分幸せ・・・。
心の中で、そう呟きながら。
秋の心地よい風が
二人を優しく包み込んでいた。
THE END
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(後日談)
「はぁ・・・」
「西遠寺くん、どうしたんだい?」
「どうしたもこうしたも・・・」
望が心配そうに声を掛ける。
しかし、顔が笑っている。
彼のそんな様が面白いのだ。
あれから、一週間。再び悩みの淵にいる
彷徨がいた。
仲直りはしたものの、すっかり友達のポストに
落ち着いてしまったのだ。
「あいつにとって、俺って何なんだろうな?」
思わず、心の中の聞きたくて
聞けない疑問を呟いてみる。
(ったく、そんなのこっちが聞きたいくらいだよ
あんなにお互い、あからさまなのに何で気づかないんだか)
さすがの望も呆れてため息をつく。
そして、この二人が結ばれる日は
まだまだ先になりそうだ。
そう確信したのだった。
THE END
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こんばんは〜流那です。
白衣かなたんシリーズの
第三作目をお送りいたしました。
二作目がシリアスだったので
今回はコメディで。
テーマは、ラブラブな、かなたんと未夢ちー。
周りは分かっているのに、気づいていないのは
ふたりだけ(爆)。
一作目で気まずくなった二人を
仲直りさせてみました。
う〜ん、どうかしら?
無駄に長くてすみません。
感想など頂ければ嬉しいな♪
ちなみに今回もコラボキャラが
たくさん出ているのですが、
誰だか分かるかな?(爆)。
分かった方には、もれなく白衣かなたんフィギュアを
一体差し上げます←嘘
BGM : 幸せって・・・: song by 奥井雅美
突然のEmotion : song by 森川美穂
'03 9.7 流那
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