『偽りの想い。入れ替わった心。』【基本 クリス→彷徨×未夢】

vol.X 【クリス→彷徨←未夢←流星】

作:聖 叶都

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連載・第五話
クライマックス突入?


「やべっ。遅刻だ。」

彷徨は通いなれた道を走る。
今日は、生徒会の役員会議。
早い登校を余儀なくされた日なのに、既に時計はその時間を過ぎていた。

「やぁ。おはよう。西園寺彷徨君。」

彷徨の前に立つ一人の男。

「…?…あ!昨日の。」

思い返せば、昨夜彷徨の留守中に尋ねてきた男だ。

確か、未夢の母さん達の知り合いだよな。
NASAから来たっていう。

彷徨は夕食中に聞いたことを思い出した。

「覚えていたんだね。初めまして。空野流星といいます。」
「どうも。あの、何か用ですか?俺急ぐんですけど。」

必要以上に冷ややかな態度を取ってしまう。
彷徨は、なぜ自分がこの男にそんな嫌悪を抱くのか分からなかった。

「冷たいなぁ。…どうやら暗示が解けて来ているみたいだ。」

ぼそりと流星が最後に呟いた言葉は彷徨の耳には届かない。

「え?…うっ…!」

その時、彷徨の首に手刀が入った。
どさりとその身体が倒れこむ。

「悪いけど、もう一度暗示を掛けさせてもらうよ?」

流星が彷徨の頭に手をかざそうとしたとき。

「何をなさってますの?!」
「彷徨!」

そこに現れたのは、クリスと未夢。
学校に現れ無い彷徨を心配したクリスが、西園寺に連絡を取り二人は一緒に彷徨を探していたのだ。

彷徨に駆け寄る未夢。

「きゃっ。」

流星は未夢にも、手刀を入れ気絶させてしまう。

「何をしますの?!貴方は、誰です!」
「おや、俺のこと忘れちゃったのかい?薄情だなぁ。」
「あ…。」

クリスはその声に覚えがあった。

「あの時の声の人?」
「あぁ。そうだよ。」

そう、空野流星は、他でもないクリスと未夢の立場を入れ替えたあの時の声の正体なのだ。

「俺は、あの日地球に流れた流れ星。君の願いを叶えたのさ。好きな男に愛されて、君は幸せだろ?」
「…っ。そんなことありませんわ。所詮代わりは代わり。私自身を好きになってもらわないと意味が無いんです!それに、彷徨君も未夢ちゃんも辛そうで…。私どうかしてたんです。元に戻して下さいませ!」

涙ながらに話すクリス。
もう既に彼女には分かりすぎる程に分かっていたのだ。未夢と彷徨の絆は誰も壊せないものだということは。
ここ数日、辛そうな彷徨と未夢を見ていると自分自身も身を切られる気がして、後悔の連続だった。

「ふふふ。地球人とは、本当に自分勝手だな。もう遅いよ。俺は、その未夢という娘を気に入ってしまったんだ。悪いけど、君にも、眠ってもらおう。」

流星の瞳が怪しく光る。




御都合主義万歳!(こらこら)
もう、色々頭の中にあった構想すっとばしました。

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