作:聖 叶都
連載・第3話 彷徨視点
サブタイトル『迷える彷徨くん』(笑
ふわふわの髪に、柔らかい眼差し。
ずっと女なんて信用できなかったけど、そんな俺を根底から覆してくれた。
花小町クリスティーヌ。俺の恋人。
「彷徨くん。お…おはようございます!」
「おう。」
丁寧な言葉。女らしい仕草。はかなげな容姿。
なんだろう。好きだったはずなのに、どこか……物足りない。
昼時。
「あ、あのお弁当!作ってきたんですけど。」
そう顔を赤らめながら渡された包み。
中身は完璧。いつものこと…だよな?
「あぁー。良いな。彷徨ぁ。愛妻弁当かぁ。」
「全く。いい気なものだよね。」
隣で三太と光ヶ丘が話してる。
俺は、三太の弁当の中身に目が行った。
「なぁ、三太。弁当交換してくれ。」
「は?」
「だめか?」
「いや、だめじゃないけど…。」
「君…花小町さんに悪いとは思わないのかい?」
光ヶ丘や三太に散々文句を言われながら、俺は三太の弁当を手にした。
少し焦げ目のついたかぼちゃの煮つけがメイン。形の歪んだ卵焼き。
なんだか…なつかしい。
放課後。
俺はクリスを送りがてら、彼女の家に立ち寄った。
「あ…あの。お茶でもいかがですか?」
そんなことを照れながら言われたら、寄らずには帰れない。
どっと疲れが身体を襲うけれど。それは気のせいだと思おう。
相変わらず、豪勢で女の子らしい部屋。
落ち着かねぇ。
部屋に通されてしばらく。
クリスが両手にティーセットを抱えて部屋に戻って来た。
「お待たせしました。彷徨くん。」
「あ…あぁ。」
「あ。そうだ。未夢ちゃんに連絡しておきましたので、今日は夕飯召し上がって行ってくださいな。」
にっこりの笑顔。
ん?今、なんて。
「え?なんでそんな勝手にっ…。」
つい。声を荒げてしまった。
「あ…あの…。」
怯えたクリスの顔。
「あ…わるい。」
そうだよな。別にそんな怒鳴るほどのことじゃないよな。
沈黙が流れる。
「ごめんなさい…。出すぎたことを…。」
涙を瞳に溜めて、クリスが誤る。
でも…なぜだろう。心に響いてこない…。
「いいんだ。怒鳴ってごめんな。」
クリスの肩を叩く。
沈黙のあと、クリスが瞳を閉じた…。
お互いに顔が近付く。
長いまつげ。
ふわっと香る…香りが…チガウ?
「…っ…。」
つい。クリスを引き剥がしてしまった。
「悪い。俺。帰るよ。」
逃げるようにして、その場を去った。
何がなんだか、わからないけど。
…誰かわからないけど…会いたい…。
彷徨くん大混乱。
ぶっちゃけ。私も迷ってます…(をぃ
低迷中です。
やべ。収拾つかなくなってきた…
既に意味不明だ!