作:朴 ひとみ
僕らは、これで終われる・・・本当にそう思ったんだ。
第九章 -閉幕、そして開幕-
「どうもこうも・・・やっていくのみだ!!」
リンネは「焔龍来力」と叫んだ。
その時、リンネの後ろから焔龍が出てき、クリスの方へ突っ込んでいった。
彷徨はクリスが負けると思った。
しかし、クリスが「水球粉砕」と叫んだ瞬間場面は変わった。
水の球がクリスの周辺から出てきて焔龍に近づくと、パァンと割れた。
焔龍は水で消火されてしまった。
「・・・・!!」
クリスが見下したように言った。
「分かったでしょ?今のは私の力の1/5程度・・・
あなたは勝つかしらね?」
「・・・・まだ分からないだろうが!!鎌鼠伝来!!」
風が強く吹いてきた。
それが鎌鼠(かまいたち)となり、クリスを襲う。
「障害防御!」
ピカッとクリスの周りが光り、丸いドーム型のバリアーが出来た。
「今度はこっちから攻めるわよ!土地震呼!」
面が大きく揺れた。
リンネの足元ちょうどに地割れが出来てき、リンネは落ちそうになった。
「うわわぁぁっ!」
リンネは凸凹しているところに何とか掴まった。
「危ない!!」
彷徨が駆けつけ、急いで手を伸ばした。
しかし、伸ばした手は何も掴むことなく握られた。
「リンネー!!」
彷徨が叫んだ。
しかし、なんの反応もなかった。
「・・・これで終わり?」
クリスが言った。
「案外弱かったわね・・・」
それを聞いた彷徨は我を忘れて走り出し、クリスの襟首をむんずと掴んだ。
「なんだと!?」
綾とななみが制止する声も聞こえず、殴りかかった。
クリスの力で跳ね飛ばされるかもしれない。
深手を負うかもしれない。
でも
リンネを侮辱する奴は許せなかった。
しかし
クリスはそれを大人しく受けた。
「・・・!なんで・・・」
「何故か・・・って?」
クリスは哀しげな目をして微笑んだ。
「最初に会ったときに言ったでしょう?好きな人に似ている・・・って。」
クリスは彷徨の方を真っ直ぐと見た。
「でも、さっきので割り切れたわ・・・・いくわよ。」
「天矢空降」とクリスが叫んだ。
すると、天から黒い矢が降ってきた。
ななみが槍を地に刺した。
「毒護聖地!」
槍が刺さっている地から光が出てき、広がった。
光は黒い矢をボロボロにし、矢は灰みたいになった。
ななみと綾は彷徨の横に立った。
「あなたは・・・行きなさい。出来る限り私達が攻撃を無にするわ!」
ななみが声を上げた。
「早く行きなさい。・・・リンネが怒っているわよ!さっさと行けって。」
彷徨はリンネが怒っているところを想像し、笑った。
「ああ・・・いくぞ!!!」
彷徨達は走り出した。
「水龍海神!!」
水龍が彷徨達目掛けて襲ってきた。
「木葉来縄!」
綾が弓矢を放ちながら叫んだ。
弓矢は水龍の身体に刺さった。
すると弓矢が弾け、中から木の葉で作られた縄が出てきて、龍に巻きついた。
「雷神襲撃!!」
ななみが槍を龍に刺した。
すると槍の先から電気が出て、龍は気絶した。
彷徨はクリスの元へと走っていく。
彷徨が思いっきりジャンプをした。
「リンネの仇だぁっ!!!」
彷徨はクリスを刺そうとしたが、かわされた。
「私が悪魔の力しか使えないと思ってる?・・・大間違いよ。」
クリスは彷徨の腹を目掛けて思いっきり蹴りを入れた。
しかし、それを見極めた彷徨はかわした。
「確かに・・・体術もか。」
「ええ・・・。小さい頃から命を狙われていたから、体術も鍛えていたわ。」
クリスが彷徨の顔目掛けて殴ろうとした。
彷徨はヒュンとしゃがみ、剣を足目掛けて振るった。
剣は足を微かにかすった。
「まだまだ・・・!!」
彷徨は剣をクリスの心臓部分目掛けて刺そうとした。
クリスは後ろへ側転し、ジャンプして彷徨の剣を持っている手を蹴った。
「くっ・・・!」
彷徨は剣を落とした。
それをクリスが素早く取る。
「これで・・・おしまいかしら?」
クリスがニコッと笑った。
「金縛不自!」
彷徨は身体が金縛りにあったように動かなくなった。
「なっ・・・!!」
どんなに動こうとしても動かない。
「さようなら・・・・それなりには楽しめたわよ。」
クリスは剣を彷徨の首狙い、剣を振った。
「!!!!」
もう駄目だ、と思い目を瞑った。
その時、目に一筋の光が見えた・・・・・様な気がした
第九章 END
奇跡なんて信じていなかった。
でも、死ぬ前に君の顔がみたい---
その奇跡だけ、僕は生まれて初めて祈った。
こんにちは、朴です。
いやぁ、本当に更新遅くてごめんなさい(汗)
最近、打つのが遅くなってきました。
ていうか、今回も忙しくて・・・。
だれか朴に時間をくれーーー!!(切実)