作:朴 ひとみ
いつか君と ずっと笑いながら 一緒に過ごせたらいいのに
第六章 -友との再会-
朝。
---彷徨!
「ん・・・・」
未夢が起こしてきた。
まだ眠い。
昨日の会話のことを考えていたせいで、あまり眠られなかった。
---昨日の会話のこと?
「あぁ・・・・・」
そうか、未夢にも分かるのか と考えながら彷徨は起きた。
---何の事だろうね・・・
未夢が心配そうな顔をして見つめてきた。
「・・・大丈夫だよ!」
彷徨がおもいっきり未夢の頭をガシガシしてきた。
---っもう、子ども扱いして・・・
「お前、子どもじゃないか!」
---彷徨もね!
未夢がベェっと舌を出した。
彷徨はハハハと笑い、
「さぁ、早く朝ごはんを食べようぜ。」
と言った。
幸い、この森には果物や木の実がいっぱい生っていた。
---街に着いたらまずどうする?
未夢は果物を食べながら聞いた。
「そーだなぁ・・・まず宿を探して・・・」
---宿代は?
「そこの宿で働いて返すさ。」
やがて二人は食べ終わり、歩き出し、何時間かすると大きな丘を発見した。
二人が丘の下を見ると、大きな街が見えた。
---あそこじゃない!?マーイネズシティって・・・
「あぁ、きっと・・・」
二人は丘を降り、街の入り口に着いた。
「ここが・・・マーイネズシティ・・・」
丘から見たときは、何の変哲もないただの街だったが、
近くで見るとどこか寒気がするような薄気味悪い街だった。
二人はまずこの街に一件しかない、大きな宿を見つけ、入った。
「・・・という訳で、泊まる代わりに働こうと思うんですが・・・」
しかし、キャストは困っていた。
「そう言われましても・・・」
と、くり返すだけだった。
彷徨達が仕方なく、出て行こうとした時、宿にあった鐘が鳴った。
その瞬間、キャスト達はレッドカーペットを敷き、その周りに綺麗に立ち並んだ。
誰か一人が大きな声で言った。
「花小町クリスティーヌ様がいらっしゃいます!」
彷徨達は訳も分からずつっ立っていた。
すると、レッドカーペットの向こうから同い年ぐらいの少女が歩いてきた。
---すごい綺麗・・・。
未夢の言う通りだった。
もちろん着ている服も綺麗だったが、本人もそれに負けないぐらい綺麗だった。
気が付くと、目の前にあの少女がいた。
「あ・・・・・・」
彷徨達は退こうとした。その時少女が彷徨の腕を掴んだ。
「待って--------!」
「!?」
「貴方達の・・・お名前は?」
少女が聞いた。
「・・・あんたの名前は?」
彷徨が聞くと少女が咳払いして言った。
「私の名前は、花小町クリスティーヌ・・・・クリスです。ここの支配人の娘で、この街一帯を仕切っている者です。・・・・・で、貴方達は?」
クリスが聞くと、彷徨も言った。
「俺の名前は彷徨。んで、この横にいるのは未夢・・・・・喋れないんだ。」
未夢がペコッとお辞儀した。
「そう・・・急に聞いてしまってごめんなさい。あまりにも私の好きな人に似ていたから・・・・。
で、二人は私の宿に泊まりに?」
彷徨は頷いた。
「あぁ。でも金が無くて・・・」
だから泊まるのを止そうとした、と言おうとした時、クリスがポンと手を叩いて言った。
「じゃあ、この宿で働きません?そうね・・・この宿にあるレストランで働いてもらおうかしら。」
クリスは二人に同意を求めた。
「どう?」
「じゃあ、せっかくだし・・・」
---働こうか。
未夢と彷徨は頷いた。
「じゃあ決まりね!・・・・ちょっとそこの貴方!」
クリスが近くにいたキャストに話しかけた。
「この二人に部屋を渡してくださる?あと、レストランの場所も教えてあげて!」
「はい。」
キャストは返事をすると、二人を部屋まで連れて行った。
「わぁ・・・!」
通された部屋は、結構広かった。
「レストランの場所は、さっきの所を左にずっと行った突き当りにあります。
ここに作業服をおいておくから、着たらレストランまで来てください。」
「はい、分かりました。」
彷徨は返事をし、キャストは出て行った。
「はぁ・・・。じゃあ着替えるか。」
---彷徨はトイレはお風呂で着替えてね!
未夢は大きな声で言った。
「は!?俺が!?」
---当たり前でしょ!ホラ、早く!
彷徨は渋々トイレへと行って着替えた。
「・・・おーい、もう行ってもいいか?」
---ちょっと待って・・・あっ、もういいよー!
彷徨は未夢が着替えていたリビングへ行った。
そこには。
思いっきりフリルが付いたメイド服を着ている未夢がいた。
「うわ〜・・・」
リンネがこれを着ろと言われたら絶対暴れるだろうなぁ・・・
と彷徨は思った。
---コレ、動きにくい・・・
未夢が動きながら言った。
「まぁ、仕事といっても未夢なら皿洗いぐらいだろ。行くぞ。」
---うん!
未夢と彷徨はレストランへ行った。
「-------で、俺がこのレストランの主任の三太だ。」
二人はレストランへ行き、挨拶に主任へと会っていた。
「未夢さんは話せないんだよな。じゃあ未夢さんはお皿洗いを。
彷徨には注文を聞きに言ってもらう。」
未夢は紙とえんぴつを持ってキッチンへ行き、彷徨は三太に付いて来い、と言われレストラン
のキャストの休み場所へと通された。
「注文を取る前に、メニューを覚えなきゃな。ちょっと多いけど、頑張ってくれ。
・・・・・未夢さんって、お前の彼女?」
いきなりの質問に彷徨は赤面した。
「バカ!なんでそう・・・」
三太は笑いながら言った。
「いや、それっぽいなぁ・・・ってな。それに、未夢さん、このレストランに来たときずっと彷徨の
顔を見ていたぞ。」
「き、きっと顔にゴミが付いていたんだよ!!」
彷徨は大きな声で言った。
「ふ〜ん・・・まぁ、いいけどなぁ・・・」
三太がまだニヤニヤ笑っているのを見て、彷徨は三太の頭を叩いた。
「って!!」
「うるさい。早くメニューを貸せ。」
幸い、彷徨は頭が良かったし、知をもらったのもあるのか、すぐ覚えられた。
そして、夜になった。
未夢はまた、リンネになった。
「このホテルでもか?」
彷徨が昨日のことを気にしていないような感じで言った。
「まぁ、悪魔の街だしな・・・。
それに、ここには・・・・」
リンネがカーテンを開けて窓の外を見ながら言った。
「悪魔の上玉がいる。」
「上玉・・・?」
「ああ、誰かは分からないがオーラが出ているぞ。」
リンネは気味が悪そうにフッと笑った。
「まぁ、そいつが私達を襲うかは別問題だがな。」
そこまで言うと、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「・・・私がでよう。何かあったときの為に・・・」
リンネがそう言い、ドアを開けた。
すると。
リンネの叫び声が聞こえてきた。
「リンネ!?」
彷徨が駆けつけると、二人の少女がリンネの上に乗っていた。
「リンネ、久しぶりね!覚えてる?綾とななみよぉ!」
「転生したんだよね?元気にやっている?」
綾・ななみの二人はリンネを気にすることなく話している。」
「あ、あの〜・・・」
「「あら?」」
二人の声が揃った。
「誰・・・・ですか?」
「こ・・・こいつらは・・・」
リンネが苦しそうに声を出した。
「私が転生する前の・・・悪友だ・・・・」
「まぁ!悪友だなんて!!」
三つ編みをしている少女が言った。
「親友でしょ!!」
ボーイッシュな少女が大声で言った。
そして二人は彷徨の方を向いた。
「あなたの名前は?」
「あ・・・彷徨です・・・」
「そう。私の名前はななみ。んでこの横にいるのは綾よ。」
ななみがよろしく、という感じで握手をした。
第六章 END
強敵出現・・・・?
ななみ--「こんにちは!今回はWEB拍手のコメントで質問がきたので答えたいと思います!」
綾-----「5月11日の20時にコメントをくださった方です。
『リンネは転生前、どんな容姿だったんですか?』というものですが・・・」
ななみ--「うーん・・・今のとは結構違うよね。」
彷徨---「へぇ・・・。そうなんだ。」
綾-----「ええ。ポニーテールだったし・・・」
ななみ--「うん。目も、もうちょっとキリッとしていたし、まぁモテていた方だったよね。」
彷徨---「・・・あいつが?」
綾-----「でも、性格はあれだったから見かけだけで付き合おうとした奴らは大体ブッとばし
ていたわ・・・」
ななみ--「そうそう!空手ができたからすっごい強かったし・・・」
彷徨---「へ、へぇ・・・(汗)」
ななみ--「だから私達、リンネに彼氏ができれば、もっと女の子らしくなるんじゃ・・・と思って ね。『リンネは恋人募集中!』っていう噂流したり・・・」
綾-----「そうそう。あとは、美男子達をリンネに告白させるように仕組んだり・・・」
彷徨---「で、リンネは・・・?」
ななみ--「その美男子の一人がリンネにボコボコにされそうになったとき口を滑らせちゃって
ね〜・・・。」
綾-----「悪魔みたいに怒ってたわ〜。あんなに怒るリンネ、初めてよ・・・。」
ななみ--「鞄の中にいつも藁人形入れてたしね。」
彷徨---「仮にも天使なのに・・・」
綾-----「まぁ、そっちの方がリンネらしいんだけどね。」
クリス--「・・・あの〜・・・」
彷徨---「あ、花小町・・・どうしてここに?」
クリス--「朴からお使いを頼まれまして、これを見ている皆さんにへと・・・」
彷徨---「(ったく・・・朴もちゃんと自分で最後まで、質問に答えろっての・・・・) 皆に、なんて?」
クリス--「ええ。『皆さん、輪廻などで質問がありましたらweb拍手のコメント欄で書いてくだされば出来る限り質問に答えます! なお、答えてほしいキャラの名前を書いてくだされば、そのキャラが答えます!』 と・・・」
ななみ--「また人任せ?」
綾-----「ホント、いやな奴・・・」
クリス--「皆さん、悪口はいけません!きっと朴は・・・その・・・頭がちょっと・・・」
彷徨---「おかしいだろう?よし、皆探しにいくぞ!」
皆-----「オーー!!!」