輪廻

第五章 -別れと涙-

作:朴 ひとみ

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出会いには、必ず別れが









第五章 -別れと涙-








ワンニャーの家に居て1時間経った。

「さぁ・・・そろそろ行かなきゃな。」

---そうだね。


彷徨と未夢が行こうとすると、ルゥがしがみついた。

「パンパ・・・マンマ・・・!」

ルゥが泣き出した。

「ルゥちゃま・・・・」

すると、未夢がルゥを抱きしめた。



---ルゥ君・・・ごめんね・・・。


しかし、未夢の言葉はルゥには聞こえない。

「ルゥ・・・」

今度は彷徨が話しかけた。

「絶対・・・絶対帰ってくるから・・・ごめんな。」

彷徨の言葉はルゥの心に伝わったらしい。
「・・・・・・・・・・」
ルゥが、掴んでいた手をはなした。

「ありがとう。」

---じゃあね、ルゥ君・・・。


ルゥは、ワンニャーの方へ行った。


「ワンニャー、これから何処に行けばいいか分かるか?」

ワンニャーは頷いた。
「この森を東へずっと行って抜けたら悪魔の街、マーイネズシティがあります。なんらかの情報が得られるでしょう。」

「悪魔の・・・・街。」
正直、行きたくないと思った。

それを察したのか、ワンニャーが言った。
「悪魔といっても、悪い人ばかりではありません。ちゃんと聞く耳を持った、立派な悪魔もいます。」



---分かりました。行きます。


未夢が強い眼差しでワンニャーに返した。

「俺も・・・・分かった。行くよ。今すぐ。」

未夢は頷いた。




ルゥとワンニャーは玄関口まで見送った。

「十分・・・気をつけてください。」
「だぁ・・・・・・」


彷徨はルゥの頭を撫でながら言った。

「あぁ・・・ありがとう。」


---ルゥ君、またね。


未夢もルゥの頭を撫でた。
















そして、夜。


未夢はリンネに変わった。

「危険なのか?」

彷徨が聞いた。

「この辺は夜になると・・・何かを感じる。オバケなどではない、何かを・・・・」

リンネはそう言いながら、地面に座った。


焔がパチパチと燃えている。



「・・・ルゥと、また会えるかな・・・・」


「さぁな・・・・彷徨、お前まだ両親居るか?」


彷徨は首を振った。


「そうか・・・・私もいない。といっても輪廻転生したのだから当たり前だが・・・。」


リンネは焔を見ながら喋り始めた。



「今日ルゥと会って、あぁ、母親ってこんな感じなんだなぁ・・・。と思った。
・・・彷徨は?」


「俺もだよ。いいものだなぁ・・・と思った。」



それを聞いたとき、リンネは笑った。



「なんだよ!」

彷徨が言った。


「いやいや・・・こんなことを彷徨が言うとは思わなくて・・・驚いたぞ。」



このとき、初めてリンネの笑い顔を見たと思った。



「お前もだろうが!!」

「あぁ・・・そうだな。」

リンネは座り直した。



「なぁ・・・・」

彷徨がおもむろに喋り始めた。


「どうして、未夢を転生の器に選んだ?」




リンネの身体がピクッと動いた。





「・・・・・あんたが思い出したら分かるよ。」


「だから!!」

彷徨がバンッと立った。

「思い出せって何のことだよ!!」



リンネがプイッと顔を背けた。


「・・・・いずれ、思い出すさ。」


彷徨はいてもたってもいられなくなり、リンネの顔をこっちに向かせた。





「・・・・・・・!!」











泣いていた。




静かに、一粒だけ流して。













「・・・・・・・・・もういいだろ。」




リンネはまた顔を背け、寝ようとした。


「おい・・・・・!」




「起きた時にはもう、未夢だから。じゃあな。」




リンネはもう寝てしまった。















第五章  END





誰か僕に  涙の意味を教えて?









(今回は、朴が失踪したためキャラが後書きを締めくくります。ちなみに、未夢さんは皆に分かるように筆談です。んで、特別に未夢とリンネは身体がバラバラです。やりやすいように、朴が権力を使ってしました。本文ではこんなことありませんのでご注意ください。)




彷徨---ったく。朴の奴、どこにいったんだ・・・・。
未夢---後書きが書けないって言って、失踪したらしいよ?
リンネ--っち・・・あんな奴、私が・・・・
未夢---きゃーーー!!リンネさん、落ち着いて!!ほら、この章について話さなきゃ!!
彷徨---そうだなぁ・・・。リンネ、お前口調変わったよな。
未夢---あー、確かに・・・。男っぽくなったっていうか・・・。
リンネ--私はあれが元だぞ。最初に会ったときは、初対面だったから女言葉だったんだ。
      それに、朴が「こっちの方が書きやすい」とかなんとか言って・・・
彷徨---なるほど。つまり朴に改造されたと。
リンネ--ったく・・・。アイツは気が合わん!
未夢---あっ、ほらリンネさん!落ち付いて・・・・。
彷徨---あれ?こんなところに紙が・・・。


彷徨、紙を拾って広げる。


未夢---あれ?これ「設定資料」って書いてる・・・・。
彷徨---へ〜・・・あれ?ここの未夢の欄に「歩けない、喋れないなどの異常はなし」って書い
     てる・・・。
未夢---えーーっ!私、喋れないし!!
リンネ--彷徨のところに「喋れない」と書いてあるぞ。
彷徨---じゃあ、朴の奴入れ替えたんだ・・・・・・あ、リンネのもあるぞ。
リンネ--なになに・・・。「動物に例えると黒ヒョウ」・・・・?
未夢---なんか、すっごい微妙な・・・・
彷徨---俺は犬、未夢はウサギって書いてある・・・。
リンネ--朴は異常なんだ。
未夢---あっ!「リンネは性別不明」って書いてある!!
彷徨---何っ!リンネ、どっちなんだ!?
リンネ--は?んーっと・・・女・・・かな。私はどっちでも良いが・・・。
彷徨---うっわ!すっごい適当!!
朴-----リンネは女のつもりだよ。一応。
リンネ--朴!!?
未夢---今までどこに・・・。
朴-----ん?未夢ちゃんはそんなこと気にしなくてもいいんだよー(さすさす)
彷徨---ってか、何しに・・・?
朴-----あぁ、これ以上喋っているとさ、本文よりも長くなっちゃうからさ。そろそろいいかなー
     ・・・みたいな。
リンネ--お前というやつは・・・・!!
朴-----ほら、リンネ黙れー。えーっと、今度の第六章ではとりあえずクリスちゃんが出てくる
     予定です!ではでは〜
彷徨---あっ!逃げやがった!!
未夢---追いかける!?
リンネ--もちろんだ!!







未来---・・・皆が居なくなったので、後書きはこれで終わりです!では第六章であいましょう
        !って私、六章出てこれるのかな・・・・。










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