作:朴 ひとみ
「希望」という名のお守りを持って、さぁ出発。
第四章 -憩い-
「〜っと、何処にいるんだよ・・・そのワンニャーって・・・・・。」
あれから3日後。
すぐに見つかるかと思い、はりきって北の森へ行った彷徨達だったが、全然見つけられなかった。
それもそのはず。
北の森は、世界一とも思えるほど広かったのだから。
---まぁまぁ、もう少し探してみよう?
「って言われてもな〜・・・。」
彷徨は地面にへたりこんだ。
その時。
未夢の身体を光が包んだ。
「・・・もしかして、リンネに・・・・!?」
光が消えたとき、リンネが出てきた。
顔は未夢と一緒だが、天使みたいな白い服に変わっている。
「危ない!」
リンネが彷徨の首近くをめがけて、緑色の閃光を発射した。
「うわぁぁぁぁ!!な、何するんだ!?」
「・・・今、彷徨の後ろに熊がいたわよ。」
彷徨は後ろを振り返った。
そこには、気絶している熊が倒れていた。
彷徨はありがとうと言うか、文句を言うか迷ったが結局何も言わなかった。
「ワンニャーを探しているんでしょ?」
「・・・まぁな。けど、どこにも・・・・」
すると、リンネが言った。
「あら、私わかるわよ。」
リンネが当たり前のように言った。
「ちょっと待ってて・・・」
リンネは両手を重ねて前の方へ突き出した。
すると、リンネの周りがピカッと光った。
「・・・知の精、ワンニャーよ。どうか私達の前に姿を現せ。」
リンネが呪文みたいなのを唱えると、目の前に突然お菓子の家みたいなのが出てきた。
彷徨が呆然としていると、リンネが言った。
「ここが知の精、ワンニャーとそれを司るルゥが住む家よ。・・・・・どうやら、私はここまでみたいね。」
リンネの身体から、白色の光が出てきた。
「頑張って!そして・・・早く思い出して。」
そう言い終わると、光が消え未夢に戻った。
白いワンピースを着ている。
---ワンニャーの家、見つかったね!
「あ、あぁ・・・」
彷徨は、リンネの「早く思い出して」の言葉に引っかかっていた。
---彷徨?
未夢が心配そうな声を出した。
---どうしたの?
「あ、ごめん、何でもないんだ、何でも・・・・・」
彷徨は自分にも言い聞かせるようにして言った。
---そう?何かあったら言ってね!
未夢はそう言いながら、その家のドアをノックした。
「すいません。」
彷徨が言った。しかし、何の反応も無い。
---居ないのかな?
「う〜ん・・・。」
彷徨はおもむろにドアのノブを回した。
ガチャ。
「・・・鍵はつけてないみたいだけど・・・」
---じゃあ、入ってみる?
彷徨の返事を待たずに未夢がドアを開けた。
すると、中から大きな声が聞こえた。
「ルゥちゃま〜〜!!!待ってくださーい!!」
「な、何・・・・」
彷徨が部屋の中を見ようと身体を乗り出すと、赤ちゃんが空中に浮きながらこっちの方へ向かって来た。
彷徨は、その赤ちゃんを受け止めた。
赤ちゃんはキャッキャ笑っている。
「ルゥちゃま〜!!」
猫みたいな犬みたいな動物がこっちへ向かってきた。
「あぁぁ〜!!ありがとうございます!!」
「あ、いえ・・・・」
彷徨は赤ちゃんを渡した。
「あの・・・・ワンニャーっていう人はいますか?」
「あ、私がワンニャーです!」
---えぇっっっっ!!
未夢の叫び声が彷徨の頭に響いた。
「あの・・・・知の精のワンニャー・・・ですか?」
彷徨も驚きながら言った。
「なんですかー!その言い方・・・。『知』が欲しいんでしょ?あげませんよ!!」
「知・・・・?」
彷徨は何のことを言っているか分からなかった。
「知って・・・・?」
「知を知らないんですか?」
知らないと分かると、ワンニャーはコホンと咳払いして説明し始めた。
「知というのは頭の能力のことを言うんですが、キレ・落ち着き・回転力が良い人は、知があると言うんです。」
彷徨と未夢は納得した。
---でも、知ってあげられるの?
未夢の質問を聞いた彷徨は、ワンニャーにその質問をぶつけた。
「知って・・・そんな普通にあげられるのか?」
ワンニャーは、その問いに頷いた。
「はいー!でも、どれだけあげていいか決められているんです。で、知、いりますか?」
ワンニャーが聞いた。
「ああ!」
それを聞いたワンニャーはニッコリと笑い、引き出しから丸い玉を取り出した。
「なぜ要るかは、帝様から伺っています。さぁ、これを飲み込んでください。」
未夢と彷徨は飲み込んだ。頭がスッキリとした。
「知が、あなた達を守ってくれることでしょう。頑張ってください!」
そうワンニャーが言うと、おもちゃで遊んでいたルゥがこっちに来た。
「ルゥちゃま?」
ルゥは彷徨と未夢の間に来て、お互いの腕を引っ張った。
「マンマ・・・パンパ・・・がんば・・・れ!!」
「パパ?」
---ママ?
彷徨と未夢は顔を見合わせ、笑った。
第四章 END
--この時間が 君とずっと続けばいいのに
やっと第四章です!!
今回はほのぼのとしていて、書きやすかったです^^
皆さんは、どのキャラが好きですか?
私は・・・リンネですかね。
はっきりとしているから、書きやすいんですよ。
あーいう人、お姉さんとして欲しいです(笑)
さてさて、この「輪廻」は結構一日とか二日おいてUPされていましたが、構成をもっと練りたいのと、私の都合により週一にUPすることになると思います。
あ、でも「今週二本出来るんじゃない?」と思った週は二本いくかもしれません(汗)
でも、出来なくなる週もあると思うのでなんとも言えませんが・・・。
でも、絶対にサジを投げたりしないので、これからもよろしくお願いします!