作:朴 ひとみ
君といつまでも 一緒にいたい--------
-----第二章 大きな変化------
あれから、5日後。
未夢は畑の世話もちゃんとやってくれるし、本当に良い『相棒』だった。
畑作業が終わり、一息ついていると未夢は彷徨の家の近くにある倉庫について聞いた。
---あれは、何?
「ああ、あれは俺の親父が残した本の倉庫だよ。・・・見てみる?」
未夢は頷いた。
その倉庫は、何年も人が来ていないかのようだった。
「ごめん・・・。全然掃除していないんだ。」
未夢は首を振り、片っ端から本の背表紙を見ていったが、とあるところで動きが止まった。
「-------何?」
---これ、天界の本?
未夢が急いで紙に書いた。
「あぁ・・・。親父、こういうのが好きでね。よく見ていたよ。」
未夢が本を落とした。
「--------未夢?」
身体がガタガタ震えている。
「未夢!?どうした!?」
未夢は床に倒れ、必死に何かを耐えている様子だった。
「未夢!未夢!未夢!」
すると、未夢の身体が光に包まれた。
「・・・・・?これは・・・・!?」
やがて光が消えていった。
未夢が、身体を起こした。
「・・・彷徨?」
「・・・・え?」
「彷徨でしょ?」
「あ、うん・・・・・って、喋れてる!?」
彷徨はビックリした顔を未夢に向けた。
「ええ。こっちの私、『リンネ』はね。」
「・・・リンネ?」
リンネは頷いた。
そして、悲しそうな表情をして言った。
「・・・・・まだ、思い出していないのね。」
「・・・・え?なにが?」
彷徨が問うと、リンネは首を振りながら言った。
「いいえ・・・・。じきに思い出すわ。」
リンネはそう言うと、彷徨が言った。
「それより、『こっちの私』って・・・。」
「・・・・知りたい?」
彷徨は頷いた。
「そう・・・。じゃあ言うわ。」
リンネは語り始めた。
-------まだ、この世界が生まれて間もない頃。
天界には、「光」を司る天使と
「闇」を司る悪魔がいた。
二つは、丁度釣り合いがとれていた。
------しかし。
悪魔が、間違えて天使に傷を負わせてしまった。
その天使は死んでしまい、悪魔も後を追って死んでしまった。
しかし、二人がいなくなってもいざこざは続き、戦争がおきた。
「--------私は、その中の天使よ。」
「・・・・・」
彷徨は、なんて答えればいいのか分からなかった。
少し時間が経ち、彷徨は口を開いた。
「じゃあ・・・なんで人間界に?」
「私は、天界で死んでしまった・・・。でも、まだやることがある。だから、人間に転生したの。」
彷徨は納得した。
そして、彷徨は一番気になることを聞いた。
「二つの魂が一つの肉体に入ったら・・・」
「ええ。未夢の魂は私の力が強いから、ゆっくりと・・・・無くなる。元々、肉体一つにつき魂一つなのだから・・・・。」
彷徨は、目の前が真っ暗になりそうになった。
「そのかわり、未夢は私を取り込んだから強い力を使える。」
「じゃあ、未夢の声が出ないのは・・・。」
「ええ。私を取り込むのに、隙間が必要だったから取り除いたわ。」
そこまで言うと、彷徨はリンネの頬をひっぱたいた。
「馬鹿野郎!!」
彷徨は、リンネの身体を揺さぶった。
「お前のせいで・・・・・未夢は・・・・・・!」
記憶も、自分のことも分からない少女。
自分が助けてやりたいのに、消えてゆく。
「--------助けたい。」
「え?」
「未夢を・・・・助けたいんだ!!」
彷徨は真っ直ぐな目をしてリンネに言った。
「・・・・・・本当に?」
リンネが言った。
「--------ああ!」
彷徨が決意したように言った。
その目を見て、リンネは頷いた。
そして、言った。
「分かったわ。行きましょう。天界へ。」
第二章 END
この身がどうなっても 君を助けたい
第二章、終わりましたーーーー!!
長かったです・・・・・。
「輪廻」は、まだ最初と最後しか考えていないんですよね・・・・・。
考えなきゃ・・・・。