さようならを言う前に

-再会編3-「知らない。」

作:朴 ひとみ

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残ったのは、悲しみ

増えたのは、怒り

私はそれを隠すため、月となった。






「ガハーネット・ヒューズ・・・」
リンネに渡された紙には、そのバーの名前と場所が書いてあった。
意外と、ここから近い。

「ここでムーンが活躍してるってわけか・・・」
なんとなく、未夢という言葉は言いたくなかった。使ったら、ムーン=未夢ということを認めることになるから。
「・・・明日、行ってみるか。」















大学の講義が終わり、俺はいそいでアパートへと戻った。
服を着替えると、さっそく出かける。
場所は、とある裏道をずっといったところのビルの地下。
看板もなんにもなかったから、一見さんお断りな場所なのだろう。
俺は戸惑いながらも、階段を下りていった。










ドアを開けると、店員が出てくる。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
「あ、えーと・・・人を探しているのですが。」

すると、店員はあっさり俺を通した。

中にいたのは、いかにも裏の世界で活躍してそうな人達。
何か金の話をしているのだろう。
俺はとりあえず、カウンターに座った。
「何にいたしましょうか?」
店員が近づいてくる。
「いや、ただ人を探しているんだ。・・・娼婦系に詳しい人はいるか?」
「なら、あちらの方でしょう。」

店員が指したのは、カウンターの隅にいた女。
一人で煙草を吸っている。
「すいません。」
「あ、はい?」
「とある女の人を探しているのですが・・・。ムーンと言います。」

すると、女の目つきが変わった。

女はとりあえず、俺に横の席を勧める。
「知ってるん?ムーンのこと。自分、なかなか上の人なんやね。」
「そう!その人に会いたいんだけど。」
すると、女が体を乗り出してきた。
「ムーンじゃなくて、うちにせえへん?色々サービスするでv」
「・・・で、ムーンは?」
「ちぇっ、自分冷たいなぁ・・・。はい、コレ。」
すると、女はとある紙を出した。
「んーとね・・・ムーン、明日の一時くるに来ると思うよ。多分喋れるんちゃうかな。」

俺は女にお礼を言い、そこを出た。


















夜一時。
俺が入ると、なにやら真ん中に人だかりができていた。




まさか。




近づこうとしたが、人がいっぱいすぎて近寄れない。

すると、そんな時に誰かが俺の肩を叩いてきた。
「あ・・・・」
「ちょっと遅かったみたいやね。」
昨日のあの女だった。
「まぁ、もうちょい早く来いって言わんかったうちのせいやし。呼んできてあげるわ。」
女は俺の返事を聞かず、人だかりの中へ入っていった。



やがて、女がムーンを連れて出てくる。
「この子がムーンやよ!」





ムーンは、本当に未夢だった。
見違えるはずがない。
あのまま、大人になったって顔だ。

「み・・・ゆ・・・?」

未夢は今まで俯いていたが、やっと前を見て言った。






















「初めまして。ムーンです。」













月は

裏切った者を

絶対に許さない




















「私とヤりたかったら最低前金で20万は持ってきてください。じゃ、エマさん。戻りますね。」

戻ろうとした未夢を、慌てて捕まえた。
「未夢っ・・・!」

すると、未夢はその手を振りほどいて言った。


























「あんたなんか知らない。」























それは、余りにも冷たい拒絶の言葉だった。



何も考えずに、PCに即打ちというのは難しいですな・・・!
何が布石になるのか、ここであーしちゃったから、あれができないじゃん!!
・・・みたいな感じですかな?
詩なら、即打ちOKなのに・・・!連載は難しいですなぁ・・・。

あ、この小説で関西弁の子が出てるわけは、関西弁が大好きだからです☆
大好きー・・・絶対マスターしたい・・・

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