作:朴 ひとみ
少年は少女を裏切った
少女は血の涙を流した
さぁ、少女が少年を許すのは・・・何年後?
約束の時間の10分前なのに、リンネはもういた。
「馬鹿者!遅い!約束の15分前にはもういるというのが常識だろう!さぁ、マヌケ行くぞ!」
リンネが、俺の手を引っ張りながら近くの喫茶店へ入った。
「・・・何の用だ?」
コーヒーにあり得ないぐらいの量の砂糖を入れた女に、俺は話しかけた。
「聞きたいことがある。」
リンネがバッグをゴソゴソとあさっている。
一体、何を出すつもりなんだ。
出してきたのは・・・手帳?
「今、これをやっている。」
そこには、『警部 仲原 リンネ』と書かれてあった。
「・・・警察!?」
「そう。」
リンネが手帳をしまった。
「そしてな、今とある事件を受け持っている。」
今度はレポートみたいなのを出してきた。
「『娼婦について』・・・?」
どうやらリンネの話によると、今は娼婦について調査しているらしく、娼婦の保護や無理やり売春させている者の逮捕などしているらしい。
「そのレポートを見ろ。本当は一般人に見せてはいけないものだから、誰かに言ったら・・・」
いつになく、リンネが真剣だ。
俺はそれを感じ、そろそろとレポートを開いて読む。
『NO.25
通り名:ムーン
年:不明
一昨年頃から名が売れ始め、裏の世界に通じる者なら大体は知っている。
居場所を転々としているらしいが、大体は東京のホテルにいるらしい。』
そして、二枚目。
そこには、写真が貼ってあった。
彼女を買った誰かが撮ったのだろう。かなり際どいポーズをしている。
まぁ、そんなのは置いといて。
正直、背筋が凍ってしまった。
「これは・・・」
「そう・・・」
リンネが頷く。
「それ、未夢だな?」
どうか
悪い夢なら覚めて?
「まさかっ・・・だって・・」
いつの間にか、手が震えていた。
「あり得ないっ!!!」
俺は机をバンと叩いて立った。そのせいで、他の客がこっちをジロジロ見てくる。
「彷徨、落ち着け。現実を受け止めろ。」
しぶしぶと椅子に座る。
「どうやら未夢、高校3年生あたりから家出をしたらしい。」
「そんな!・・・じゃあ、未夢の親父とかは・・・」
「ご両親は、未夢が高校2年生のとき、またアメリカに行ったらしい。未夢のご両親にはまだ・・・言っていない。」
俺は乾いた声でハハハ、と笑った。
「なんで・・・俺に教えた?」
「もしかしたら知っているかも・・・というのと、協力してくれるという気持ちで半々だな。」
リンネは『協力してくれなきゃコロス』という目で見てきた。
「俺は・・・協力しない。」
「は?」
リンネが信じられないという目で見た。
「あいつが決めた道なんだろ。だったら・・・」
すると、リンネがおもいっきり俺の頬をビンタした。
「何を言っているのだ!?」
喫茶店の店員が出てきて止めようとしたが、リンネは止める気配がない。
「それで未夢が幸せになれると思っているのか、馬鹿者!!!お前も随分落ちぶれた者だな!!」
すると、リンネが小さい紙を出した。
「まだ未夢を愛しているならここへ行け。・・・くれぐれも無茶はするな。」
リンネはそう言って出て行った。
コーヒーの代金を俺に任せたまま。
リンネ・ぷろふぃーる。
・彷徨とはイトコ関係。2,3歳ぐらい年上。
・いわゆる「ツンデレ」。ブリーチのルキアと鋼のエドを足して2で割ったような感じ。
・家は金持ち。
・動物に例えると「猫」。でも動物占いでは狸(笑)
・最初は腐女子設定にしようと思ったが、なんかキャラが崩れそうなのでやめさせられた、運がいい子(笑)
・ボン・キュッ・ボン。
・・・ごめんなさい、ふざけすぎました。
でも、こんな感じですよ。
リンネ・・・お金持ちなんだから自分のコーヒー代くらい払えよ・・・!!