Wander each love

★Play TWO★

作:西光ゆな

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ショックだった・・・。
私は、彷徨のことが好き・・・。
自覚してしまったこの気持ち。


Wander each love★Play TWO★


―美人が好みなのよ!


―何で普通そうな子・・・



涼子に言われた言葉が未夢の頭の中でリフレインする。
消そうとしても消えてくれない。
逆に深く心に刻まれていく。
似たようなことが何回も起こるから。
その時未夢はいつも走り去る。
ついに外に出ることも怖くなってしまった。







自分が悪いわけではないのに、自然と外に出ることを拒絶していた。
学校は仕方ないからななみか綾に連れ添ってもらったけど。
それ以外は・・・










チャララ〜








未夢の携帯が鳴った。
彷徨からの電話。







今更何よ?
私のこと、追いかけもしなかったのに。
オレの彼女になれって言ったのは彷徨のほうだから、私のこと好きなのかな?
ずっと思ってた。
でも私の勝手な想像だったのね?





「未夢、出てくれ!話があるんだ」





彷徨の声が聞こえてきた。
無視しようと思ったけど、いつもと声色が違う。
少しびっくりした未夢は電話に出た。



「・・・何?」
「すまない、未夢。オレがきちんと縁を切っていればこんなことにならなかった」
「・・・・」




その言葉にどう反応すればいいのか分からない。
混乱ばかりする。
縁を切っていれば?
プレイボーイじゃないの。
私だってその一部なんでしょ?



「渡したいものがあるけど・・・無理だよな」
「私の家に来てくれればいいけど」
「分かった。今から行く」



そういって電話が切れた。


















彷徨は玄関のチャイムを鳴らした。




「未夢!オレだ」
「・・・開いてる」



言葉少なな未夢。
天地や小西の言うとおりだ。

(最近の未夢、なんか変なのよ)




未夢の部屋に入ったあと、オレは目的のものを取り出した。
目的のものとは・・・




「小型トランシーバー?」
「あぁ。コレをずっとONにしていれば、いつでもオマエの状況を把握出来る」
「・・・ありがと」









彷徨は、未夢が去ってからずっと考え事をしていた。
同じことが起こる危険性があったから。
未夢の状況を把握するためには・・・
そこで思いついたのがトランシーバーだった。
年上の幼馴染、天才エンジニアと呼ばれている喜上アキラに頼み込んで作ってもらった。
コレで未夢の恐怖心を少しでも拭い去る事が出来れば。






「じゃあ、オレ帰るから。トランシーバー、ずっと持ってろよ」
「うん」






そのときの未夢は笑みをわずかながらも浮かべていたので、少しは安心できた。
捜索を続けるために彷徨はまたどこかへと行った。






























「お嬢様、この方法は失敗。西遠寺彷徨が全ての女性と縁を切ったらしいです」




場所は変わって神野家。
ユリナは由香に報告をしていた。
1つごとに報告するのもユリナの役目だった。




「・・・・・・・・じゃあ、次はNo.7を実行して頂戴」
「分かりました。では、失礼しました」






















見てなさい・・・・光月未夢。
今にあなたの心をズタズタにしてあげるんだから。
ユリナならうまくやってくれるはず。
あなたがボロボロになるのがとっても楽しみ。
どんなザマになるのかしら。
ぞくぞくしてたまらないわ。
彷徨の心からもあなたの心からもお互いを消し去ってあげる。
あなたはこの世に存在してほしくないほど憎いから。

























そして、彷徨を・・・あたしのものにするの。


・・・・何だろ、コレ。
由香、久しぶりに登場させたらとんでもないことに!
由香の心情、怖い。
未夢が可哀想なポジション。

トランシーバーはアニメだぁ!のを参照に書いてみました。

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