作:西光ゆな
アイツを守らなければ。
彼女のPLAYから・・・。
Wander each love
★Play ONE★
「何だって?」
彷徨は、前の学校地域で由香のことを調べていた。
すると、色々な単語が出てきた。
―お嬢様
―豪邸
そして・・・・
「神野家」
全国レベルで知られている極道一門「神野家」の娘、由香。
ちなみにユリナはお嬢様の側近「お守り役」である。
やはり。
由香と付き合うべきではなかった。
由香に敵対視される=極道を敵に回す。
こうなってしまったのは己が由香と付き合ったから。
自分の所為で未夢が・・・
「彷徨?彷徨ってば!」
目の前にいたのは未夢。
そういえば、今未夢と共に「Small」にきていたんだった。
自分の目の前の人物の事を考えていてすっかり忘れていた。
「彷徨。買いたい本、あるんじゃなかった?」
「・・・そうだったな」
「早く行かないと、閉店しちゃうよ。じゃあ瞳さん、代金置いておきますね」
未夢は彷徨と初めて一緒に来た「small」がとても気に入った。
何かあるとまず、瞳に報告。
未夢の第2の家だった。
今日は、彷徨と一緒に転入生の報告に来たんだっけ。
しかし「ユリナ」という単語にいつも目を鋭くさせていた彷徨。
・・・彷徨、あのときの眼にそっくり。なにか決意したような。
何かあったら言ってね、未夢ちゃん・・・彷徨・・・。
息子の異変に何かをいやな予感を感じ取った瞳。
「あ、彷徨くん!」
逆方向からやってきたのはプレイボーイだったときの彼女。
名前は・・・・何だっけ?
えっと・・・紺野涼子だったような。
「何よ、その普通そうな子」
未夢のほうを睨みながらいう。
今、本屋さんに向かっている途中だった。
お互い買いたい本があった。
彷徨はスルーしようとしたが。あっちが許さなかった。
「彷徨に、なれなれしくしないでよ!彷徨は美人が好みなの。
何でアンタみたいな普通な子が一緒にいるの!」
未夢の首を掴みながら言う。
憎しみに任せながら言ったセリフだったから、掴む力も強くなってくる。
未夢は呼吸が出来なくなってきている。
彷徨は、涼子の言ったセリフが機械的に聞こえた。
眼も何かにおびえているような感じがする。
「お嬢様か側近の命令でやってるんだったらその手、離せ!
じゃなきゃ、オレがオマエを今のようにしてやる・・・」
「側近」。
その言葉を聞いた瞬間、肩を震わせながら去っていった。
涼子は、ユリナが送り込んだ女だ。
早速実行しやがって。
恐ろしいヤツ。
なぜそこまでしてオレを手に入れたい?
未夢を傷つけてまで・・・・。
「大丈夫か?悪かった・・・」
「・・・・」
しかし、未夢は黙り込んだまま。
―普通そうな子!
―なれなれしくしないでよ!
未夢の心を少しずつ、でも確実に壊していく言葉。
''オレの彼女になれ''
最初、交換条件として突きつけられたあの言葉。
最初は気に食わなかった未夢だが、彷徨のことを好きになっていた。
だから今は・・・
「彷徨、私もう帰るね。用事思い出したの」
そういって立ち去ることしか出来なかった。
play=仕掛ける
これから由香の罠?が始まっていきます。
これじゃあ、前にも言ったけど完全昼ドラ風だ。
未夢が可愛そうな役割になりそうです。
でもハッピーエンド一本のゆななのでハッピーエンドにはなりますが・・・。
playシリーズ、開幕・・・。