作:西光ゆな
気が付いたら、気が付かないふりは出来ない。
時間(カコ)は元に戻せない。
Wander each love ★Aware★
「・・・!」
気が付いたようやな。
西遠寺彷徨、ウチの正体に。
すぐに気が付くとは思てなかったんやけど。
まぁ、気が付いたら気が付いたらでウチには手がある。
「ウチの正体、気付いたん?やったら、せいぜい気ぃつけることやな。
アンタがどんだけ、未夢を守れるか・・・、お手並み拝見ね」
小声でつぶやいた。
あっちは少し驚いたようやけど、ウチは未夢に
「ほな、一緒にカフェでも行こう」
といい、その場を去った。
正直、西遠寺彷徨の判断力に驚かされた。
これじゃあ、お嬢様が言っていたことと違う・・・。
彼女は、「すぐには気付かないわ」と言ってたのに。
「西遠寺くん!」
オレが後ろを振り返ると、女子が2人。
確か・・・天地と小西だっけ。
未夢の中学校時代の親友だったから、覚えていた。
「天地・・・小西・・・。聞きたいことがあるんだが」
「あ・・・、もしかして転入生の小泉ユリナ?」
「あの子・・・危険よ。未夢の名前聞いてものすごい険しい顔してた」
それから、色々なことを聞いた。
未夢と席が隣ということに始まり、未夢とユリナが仲良くなってしまったこと。
ユリナが1人でいるときはいつも考え事をしていること。
そして・・・
「由香お嬢様とかいう相手と電話していたよ・・・」
由香・・・、神野由香。
やはりアイツ・・・!
まだオレに未練があるのか?
未夢に何がしたい?何をするつもりだ。
しかし、お嬢様って?
由香、1人暮らしだと聞いていたが。
「天地、小西。小泉を見張っててくれないか?
何かおかしなことがあったらオレに電話してくれ」
「「うん!」」
さて、調査開始だな・・・。
未夢、何があっても守ってやる。
小さいころからいつも一緒だった、未夢。
いなくなってしまって、未夢の大きさを知った。
自分の心(なか)はいつも未夢で埋め尽くされていた。
そもそも、由香と付き合ったことから間違っていたんだ。
あの時、断っていれば良かったのに。
未夢が欲しくて、ただがむしゃらに転校してきた。
でも、オレの行動全てに問題があったんだ。
未夢に何かあったらオレの責任だ。
全身全霊で未夢を守ることが、今のオレの使命・・・・。
aware=気が付く
彷徨がユリナの正体に気が付いたのと、
ユリナが彷徨に正体を悟られたことをさしています。
本当はresolution=決意にしようとしたのですが、
なんか違う気がしたのでやめました。
さて、ユリナと彷徨。
お互いに行動開始!