作:ゆな
「ユリナ、頼みがあるんだ」
あなたの役に立てることが、ウチの願いなんよ。
お嬢様。
だからウチは何でもやる。
たとえ、どんな願いでも・・・。
★Transfer student★
「ねぇねぇ、今日私たちのクラスに転入生が来るらしいよ」
「そうみたいだね」
宇宙船高校2年1組は転入生の話題で持ちきり。
1年ぶりの転入生ということで、みんなはしゃいでいた。
特に未夢は顕著だった。
「どんな子だろう?綾ちゃん、ななみちゃん!」
「未夢はしゃぎすぎ」
「いいネタ無いかしら?」
「・・・」
先生が扉をガラッと開けて、転入生と一緒に入ってきた。
小泉ユリナと紹介されたその子は激美少女。
そんな顔に似合わず、関西弁で話し始めた。
「初めまして、ウチは小泉ユリナいいます。関西出身なんで、
こんな話し方ですけど、どうぞよろしくお願いします」
「じゃあ、小泉さんは・・・後ろから2番目の窓側ね。
隣の光月さん、よろしくお願いします」
光月・・・?
光月って・・・あの、お嬢様が話していた・・・。
ということは、ターゲットはあの子のことなんか・・・。
休み時間、未夢はユリナに話しかけた。
「小泉さん。私、光月未夢。よろしく!」
「光月・・・さん?」
「未夢でいいよ。みんな、そう呼んでるし、私も転入生だから」
ななみと綾は、そんな様子を見ながら考えていた。
「ねぇ、見た?光月って聞いたときの険しい顔・・・」
「うん。なんか、企んでるって感じ。でも、未夢ちゃん、仲良くしたいって言ってたし」
「止めることは、出来ないよね」
「けど、見守ることは・・・・」
小泉ユリナ。
彼女の正体は、闇に包まれている。
関西出身くらいしか知らない。
彼女は一体何を企んでいるのだろう。
あの可愛い顔の裏に何が隠されているのだろうか。
未夢に、また波乱が起こりそうな予感。
「あ、彷徨!」
ユリナと共に歩いていた未夢は彷徨を見つけた。
彷徨は未夢の隣にいたユリナを見て、険しい顔になった。
あいつ・・・、この間オレにぶつかった子・・・。
未夢に対して、殺気を出していた。
なんとなく、彼女に似ていて。
どーすればいい?
どうすれば・・・?
Transfer student=転入生。
すなわち、ユリナのこと。
新キャラ登場です。
一人称の都合で、関西人にしてしまいました。
小泉ユリナ 16歳
闇に包まれた、不思議な子。
関西弁で明るいが、それは表の性格。
彼女がお嬢様と慕っている人は一体・・・?
久しぶりに書いたので、会話ばかりに・・・。