作:西光ゆな
ねぇ、この真っ暗闇なのは一体何処?
何で私はこんな事されるの?
彷徨が・・・いや、ユリナちゃんがきてから・・・・
★Play NINE★
「てめぇか・・・」
「本当、お嬢様がおっしゃっていらした通り」
真っ暗闇に連れ込まれた未夢は、周りを囲まれた。
囲んでいるのは、極悪な人ばかり。
けれども何故この人たちがいるのか全く分からない。
いや、どうしてこういう状況になってしまうのか?
「な・・・何ですか・・・?あなた達は・・・?」
「てめぇに聞かれる筋合いは無い」
いくら質問をしても答えない。
ただ、未夢を冷たい目で見るだけ。
自分に何をするわけでもなく、囲んでいるだけ。
まるで誰かを待っているように。
時間は刻々と過ぎていった。
「あ、いらっしゃったわ、お嬢様が」
一斉に礼をする。
未夢が皆の視線の方向を見ると、遭いたくない人がいた。
今まで彼女を思い出さないようにしていたはずなのに、見た瞬間、1年前にされた事を思い出した。
自分を裏切った彼女。
ずっと親友だと言っていたのに。
私が彷徨を好きだと知っていたのに。
彼女は自分を裏切った。
あんなに仲良かったのに。
「久しぶりね、光月未夢」
「ゆ・・・神野由香・・・ちゃん・・・・」
「由香さん、コイツ殺って良いでしょうか?」
「まだ」
私をどうするつもりなの、由香ちゃん?
私に何をするの?
今更、何なの?
私の幸せを奪って苦しめたのにこれ以上、何がしたいのよ?
「アンタ、今がどういう状況か分からないでしょ」
心を見透かしたような言い方。
確かに彼女の言うとおり、未夢はよく分からない。
「私を、どうするつもりなの?」
そう叫んだ未夢の口を塞ぐ由香の手下。
「アンタを恨んでいるわ。ずっとずっと、10年前から」
10年前?
10年前なんて知らない。
私が初めて会ったのは2年前。
「全く訳わかんないって顔してるわね。
あなたは覚えてないでしょうけど・・・」
覚えていない?
私が6歳のとき・・・・6歳・・・・!?
まさか、あれは・・・?
「10年前、アンタは・・・・あたしの母さんを奪ったのよ!」
そういった由香の顔は恐ろしく、未夢の顔は歪んでいた。
10年前、私は飛び出し事故を起こした。
ボールを追いかけて思わず道路に飛び出したの。
その時、黒い車にぶつかった。
奇跡的に私は助かった。
でも、運転していた人は植物状態になってしまった。
今も生きているとは聞いている。
それが、由香の母親だった・・・。
やっと未夢と由香の過去が出来ました。
本当は由香ママが逝ってしまった設定にしようとしたんですが、
あまりにも未夢が可哀想でやめちゃいました。
次回で最終話です。