作:西光ゆな
そろそろ、最終ラウンドね。
見てなさい、光月未夢・・・・。
アンタを消し去ってやるんだから・・・・。
待っててね、母さん。
母さんを・・・救うから。
Wander each love
★Play EIGHT★
「ねぇ、キミ」
未夢が後ろを振り向くと急に口を塞がれた。
「んっ・・・・・なっ・・・に・・・するん・・・です・・か・・!」
「さぁな・・・」
声を聞く限り、男性が4人ほど。
顔はいかにも極道そうな顔。
未夢を荒々しく掴むとその場を去った。
ユリナはその様子を妖しく笑ってみていた。
でも、少し寂しい顔もしていた。
「さて・・・最終ラウンドやな。未夢・・・ごめん・・・」
ごめんな・・・。
ウチ、未夢のことは好きやったけど、お嬢様を・・・
お嬢様を裏切ることは出来へん・・・。
すまん・・・な・・・・。
未夢は大きなかばんに入れられていた。
気絶してしまったからだ。
しかし、今は意識がある。
この状態をどうにかしなきゃ。
とっさに思った未夢は携帯を取り出した。
連絡先は、ななみちゃん。
携帯を握ってボタンを押した。
「もしもし?未夢?」
「うん、ななみちゃん・・・落ち着いて聞いて!」
「・・・・何か・・・あったの!?」
「誰かに・・・捕まって・・・トランクの中・・・」
ななみは驚いた。
未夢が、トランクの中?
どうしてそんなところに・・・?
「あ、車が止まった・・・切るね・・・・!」
ななみは慌てて連絡した。
綾に、そして・・・彷徨に。
今までの中で一番危険な状態だ。
このままだと未夢がどうなるか分からない。
「もしもし、西遠寺くん?大変なの!未夢が・・・」
''未夢が捕まった・・・・''
何故オレが由香に近くにいるのに、未夢に攻撃する?
オレは、ある意味道具だったのか・・・。
オレを奪ったことを恨んでいるように見せかけて?
たぶん、捕まったところ見ると最終ラウンド。
オレが未夢のところを去ってから1ヶ月。
未夢のところはノーマークだった。
少しでも連絡を取っておくだった・・・。
未夢・・・未夢・・・どこにいるんだ!
未夢、ゴメン。
やっぱりオレが近くにいるんべきだった。
転校なんていうバカな選択をしなけりゃ・・・
絶対こんなことさせなかった。
だから今はとにかく未夢を・・・。
「おい、天地。未夢、何処で連れ去られた?」
「・・・宇宙船町のマイナスプランっていうカフェ」
「そっか。オレも手当たり次第探すから・・・」
「分かった。こっちも綾と探すから!」
しばらく探すと、電話をしている声が聞こえた。
由香の声だ。
だけど・・・誰と話している?
陰に隠れて聞いてみた。
「そう。彼女はちゃんと、平尾町立体育館にね」
平尾町体育館・・・。
未夢はそこに行くはずだ。
由香の言う彼女は未夢のこと。
彼女が電話を切って、行く先はきっと体育館。
未夢をきっと・・・。
もう少しで最終話・・・。
由香の陰謀は未夢を消し去って過去の恨みを発散!みたいな。
・・・・・・書くことがないや。
それでは失礼しました。