作:西光ゆな
「都合により戻ってきました、西遠寺彷徨です」
まさか、本当に戻ってくるとは思わなかった。
あたしの彷徨。
嬉しいけどユリナに任務は続けさせるわ・・・。
彼女を追い込むまで・・・・。
Wander each love
★Play SEVEN★
「おぉ!彷徨が戻ってきたぜ!」
「西遠寺くんが戻ってきてくれたわ!」
平尾高校はその話題で持ちきり。
人気者の彷徨が戻ってきたんだから。
けれど、彷徨の本当の目的を知るものはいなかった。
「由香、ちょっといいか?」
放課後、彷徨は由香を呼び出した。
由香はもちろん肯定した。
戻ってきた彼に呼び出されるのだから、
きっと良いことだろう。
でも、彷徨にとってはこれ以上最悪なことはない。
人を意図も簡単に利用する由香。
極道の娘。
考えてみれば恐ろしい。
彷徨を動かしていたのは未夢を愛する気持ちだった。
「由香・・・もう1度、オレと付き合わねぇか?」
「えっ、本当に?」
付き合う。
由香が求めていたもの。
そして、今実現しようとする。
「あぁ」
「うん!付き合う。勿論」
「そっか。じゃ、一緒に帰ろう」
由香は知らない。
彷徨の本来の目的を。
けれど、彷徨も知らなかった。
由香がユリナに任務を続けさせていることを・・・。
任務の本当の目的は・・・未夢を消し去ること。
由香は未夢を心の底から憎んでいた。
「未夢!ちょっとええか?」
未夢はユリナに呼び出された。
未夢は未だにユリナといい人だと思っているので、
全く警戒心もない。
ユリナの後をついていった。
その先はありふれたカフェ。
「ウチが飲み物買ってくるから、待っててな」
「分かった」
その後、大事が起こることを未夢は知らなかった・・・。
だんだん、佳境に入ってきている、かな?
えっと、由香には母親がいません。
その理由が未夢に大きく関わってくると思います。
相変わらず、短い・・・。