作:西光ゆな
私を助けてくれたのは意外な人。
前まで、私を落としいれようとしていた彼なのに。
全く、状況が分からない。
どうして、どうして・・・?
Wander each love
★Play SIX★
「光・・・ヶ丘くん・・・!何で・・・?」
「未夢っちらしき可愛い子があらぬ行動に・・・
と思ったら勝手に体が動いてね」
未夢を助けたのは光ヶ丘。
未夢本人は知らないが、前までは敵だった光ヶ丘。
その彼が、未夢を助けたのだ。
「それにしても、何で・・・飛び込もうと?」
場所は変わって、宇宙船町。
未夢を送ろうと、光ヶ丘と2人で歩いていた。
未夢は1人で大丈夫だと言ったが、
「レディがこんな夜に1人だと危ない」
らしく、しぶしぶ送ってもらっていた。
「・・・・彷徨に・・・・振られたの。
私も所詮、彼女の1人だった。
それに、前の学校に戻るんだって」
「前の学校、か・・・」
前の学校。
すなわち、由香のいるところ。
彷徨の意図が何となく分かるような気がする。
たぶん、彼女のそばについて・・・。
苦渋の決断だっただろう。
ある意味、自分の言動でこうなってしまった。
光ヶ丘は心の中で未夢に謝った。
「うん。
でも、ね。すっきりしたの。だって、アレは・・・」
「自分の本心に、嘘ついてない?」
「えっ、ほ、本心?全然、そんなのあるわけ・・・」
「本当は、西遠寺くんのこと、好きなんだろ?」
その言葉にはっとなったのか、未夢は言葉を失う。
そうだ。
私は、彷徨が好き。
すっきりなんて、してない。
だって、大好きな人に振られたんだもん。
大好きで愛しくて、大切な、彷徨。
涙が溢れ出す。
光ヶ丘は、未夢をそっと、抱きしめながら
「泣きたいときは、泣いていいんだよ・・・・」
と慰めていた。
平尾高校2年1組。
彷徨は、平尾高校の教室前に立っていた。
転校したたった5ヶ月。
正直言って、清々していた。
由香から、離れられたから。
でも、今回は目的を持っている。
自分の愛しい未夢を救うため。
由香の魔の手から、未夢を助けるため。
未夢のためなら何でもやる。
彷徨の目は、前より鋭くなっていた。
扉を開ける。
教室の扉。
そして、由香との対決の扉。
「こんにちは。
都合により戻ってきました、西遠寺彷徨です」
文字に変なところがあったので再UPさせていただきました。