作:西光ゆな
光ヶ丘、オマエもグルだったのか?
未夢を、何処にやるつもりだ・・・。
Wander each love ★Play FOUR★
アイツまでグルだったとは。
全く想像もつかなかった。
パーティーをすっぽかしてから約15分。
トランシーバーから聞こえる雑音をあてに場所を探しているが全く分からない。
よほどあせっていたのか、携帯という方法が思いつかなかった。
「・・・・平尾町・・・隣町じゃねぇか!?」
無我夢中で走っていたらあっという間に隣町。
しかもトランシーバーから声が聞こえなくなった。
すると、彷徨の携帯が鳴った。
着信は天地。
ななみからの電話。
「西遠寺くん!未夢、探してるんでしょ?私たち、居場所分かるの」
「え・・・何でだ?」
居場所が分かる?
一体どういうことだ?
「あのね、光ヶ丘っていう人が小泉さんに(ちょっと、LIGHTBARに行ってくる)って」
「LIGHTBAR・・・平尾町のか?」
「うん」
LIGHTBAR。
彷徨がよく行ってたBAR。
プレイボーイのたまり場だ。
「サンキュ。じゃあ、あとで連絡する」
ここからあと5分だ。
走れば何とか間に合う・・・。
「ここは、西遠寺くんがよく色々なコたちと遊んでいた場所だ」
場所は変わってLIGHTBAR。
目的はタダひとつ。
彷徨の過去を聞かせて、未夢を絶望させること。
「そう・・・なんだ・・・」
未夢はだんだん眠くなってきた。
意識が朦朧としてくる。
光ヶ丘の声が頭の中で響いている。
「西遠寺くんはプレイボーイの世界で有名なんだよ。僕もよく来てるけどね」
「・・・」
バン!
「未夢っ!」
「やぁ、西遠寺くん。お疲れ様」
彷徨が追いついた。
でも未夢は睡眠薬で眠らされていた。
「お疲れ様って・・・未夢をどうするつもりだ」
「どうって、絶望させるつもりだよ♪
ユリナが崇拝している由香様から君を奪ったって聞いたし。
いくらレディに優しい僕でも、そういうことをするコは嫌いなんだよね」
「・・・・違う。未夢は、奪ったわけじゃない。由香、アイツも分かってるはずだ。
アイツは単にコイツを傷つけたいだけだ!」
口調が荒くなってくる。
光ヶ丘の口から聞かされたユリナの任務目的に憤りを覚えた。
由香も。
そんなにオレに未練があるのか?
オレの心を利用して無理やり彼氏にしただけなのに。
「未夢ちゃん、返してほしい?」
尋ねる光ヶ丘。
「当たり前だろ?」
冷静に応える彷徨。
「じゃあ・・・・・・
未夢ちゃんと別れるのが条件だ。
そうでなければ返さない。
そしてユリナが君たちを見張るよ。
嘘ついて付き合いを続けていたら、未夢ちゃんの命はない」
「何だって・・・・・?」
未夢と別れる。
別れなければ、未夢の命は無い。
選択肢の無い質問。
もちろん、答えは・・・・
「どうするんだい?」
「分かった。未夢と別れる。
未夢もきっと清々するだろう。元はオレが無理やり付き合わせたんだからな。
未夢は返してもらう」
そう言い放つと眠っている未夢を抱きかかえ、その場を去った。
光ヶ丘は唖然とした。
''元はオレが無理やり付き合わせたんだからな・・・''
由香様のやっていることは違うんじゃないか・・・?
疑問を覚えた。
ダークにしようとしたら、ダークにしすぎてしまった・・・!
未夢の気持ちに気が付いてないです、彷徨くん。
未夢がほとんど話してない・・・。
今気が付きました。
まだまだ続きます。