作:ゆな
「ゆ、夢・・・?」
「そう、夢よ。見なかった?」
I lost my Heart 〜2〜
只今8時25分。朝礼まであと5分。
廊下のど真ん中で、未夢と彷徨は会話していた。
「お、おいおい。なんで夢の事を光月に聞かれなきゃならねぇんだよ?」
「私だって信じたくないわ、あんな夢」
「じゃあ答える。オレは見てない。第一に夢なんて信じる性質じゃねーし」
「あ、あらそう。呼び止めてすみませんでしたね、西遠寺くん」
結局けんか調子で終わってしまった、未夢の質問。
でも彷徨は見ていた。
しかし、女のコとしか言っていなかったあの人。
その人は、数年前に失った大切な人に似ていた・・・。
(光月が仮面をかぶっているなんて信じがたい)
どうしても信じられなかった彷徨は、冒頭のように言ってしまったのだ。
「あーあ。あの夢信じた私が馬鹿だったなぁ」
学校も終わり、家に向かっていた未夢。
今日は一日珍しくボケッとしていた。
いつもは完璧に答えられる質問も間違ってしまった。
(どーしちゃったんだろうな・・・)
やっぱり引っかかる夢。
1週間、様子を見てみようと決心した。
どうでした未夢さん?彼は。
どうもこうも、夢なんて見てないって言ってました。
(あ、またこの人!)
全く。素直じゃないんだから・・・。
素直じゃないって・・・、まさか西遠寺くんはウソを?
それは秘密。自力で、ね。
あぁ、あと、これからはもっと西遠寺くんと近くなる可能性があるわ。
えっ・・・・、ど、どうしてですか?
明日、分かるよ。あなたの母親から聞かされるから。
あ、明日・・・
リンリンリンリン――――――――
「あ、ま、またあの夢・・・」
(明日?ってことは今日ね。西遠寺くんに近づく?どうやってかしら?)
「未夢!重要な話があるの。降りてきなさい!」
「はーい。今行く!」
(重要な話ってなんだろう)
下に降りていった未夢に夢にも思わないことを聞かされた。
「ママとパパ、NASAに選ばれて、アメリカに行く事になったの」
「なっ、あ、アメリカ!?」
「そう。でも、未夢のことはどうしても連れて行けなくなっちゃって」
「そう・・・、で私は?」
「だから、ママの親友の家であり、未夢のクラスメイトの西遠寺さんに預かってもらうことになったの」
西遠寺・・・・・・?ってまさか!
「ま、ママ・・・今なんて?西遠寺、さん・・・?」
「そう。西遠寺さん。彷徨くんの家よ」
そういうことだったの!?でもよりによってなんで、同居?
「信じらんなーい!!!!」
2話です。
未夢が彷徨のうちに引っ越す事に!!!
どーなるどーなる?(自分で書いてるくせに)
それでは!