I lost my heart

〜1〜

作:ゆな

←(b) →(n)


未夢さん、未夢さん。あなたは仮面をかぶっていませんか?

え、どうしてそれを・・・?

 
 
I lost my Heart 〜1〜




 

未夢さん、未夢さん。あなたは仮面をかぶっていませんか?
 


え、どうしてそれを・・・?



あなたをいつも見ているから、よ。



それに、戻りたいんでしょう。元の自分に。



・・・いや!あの自分に戻ってしまったら、また悪夢が・・・



あ、もう時間のようね。



ほんの少しでも思っているのなら、西遠寺くんと親しくしなさい。



あの子が鍵を握っているし、あの子のことも救えるはず。



さ、西遠寺くん・・・?



同じ夢を・・・・・・・・


 

リンリンリンリン―――――


「ゆ、夢か・・・」
 


時刻は7時。未夢は目が覚めた。

 
(それにしてもずいぶんリアル(?)な夢。
西遠寺くんと親しくしなさい?どういうこと?
アイツは私のクラスメイトで一緒に学級委員やってて、同じく成績トップクラスにいる、
いわゆるライバル的存在なのに。)


未夢は西遠寺彷徨を嫌っていた。
ライバルは別として、同じ性格からなのかいつも追突ばかり。
でも何となく自分に似ていて、気になっている存在でもあった。




「未夢、ご飯よ!リビングに来なさい!」
「はい、今行きます!」



まぁ、いっか。



未夢は気に止めていなかったが、心の底では気になっていた。






「「「おはようございます!クールビューティー光月さん!」」」
「お、おはよう・・・」



『クールビューティー』。未夢の学校での呼び名。
未夢の性格と風貌から来ている呼び名だが、本人はあまり好きではない。
・・・自分が別世界の人のように思えたから。




「未夢!大丈夫?顔色悪いけど・・・」
「うん。ありがとうななみちゃん」



親友のななみ。未夢の頼れる人。




「「未夢ちゃん、おはよう!」



綾とクリス。同じく未夢の親友。
この3人は、未夢とは幼稚園の頃からの付き合い。
未夢が激変してからも、ずっと一緒にいてくれた。
未夢も信頼している。




珍しくボケッとしていたら・・・・、




どん!




人にぶつかった。



「ちょっと、痛かったじゃな・・・ぁ」
「おい、どこ見てるんだよ?光月」



西遠寺彷徨だ。



「か、考え事してて。でもあなたも除けるとかしたらどーなの?」
「はぁ?ま、これからは気をつけるんだな。怪我ないんなら、行くぞ」



どこまで王様気取りなのよ、アイツ。

―――西遠寺くんに

―――同じ夢を・・・・





訊かなきゃ!あのこと!





ちょっと迷ったけど、未夢は深く深呼吸をして訊いた。



「あ、西遠寺くん!」
「なんだよ?」




「あ、あのさ。変な夢見なかった・・・・・・?」






1話目終了。
ただのクラスメイト設定のだぁ!パロに挑んでみました。
ある意味敵の未夢と彷徨。
来週は、最後で急展開につき注意を。



←(b) →(n)


[戻る(r)]