I lost my heart

〜12〜

作:西光ゆな

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I lost my Heart 〜12〜





彷徨が光ヶ丘に対してキレてしまった翌日、すなわち美少年コンテスト当日。学校は混乱状態に陥っていた。

「西遠寺くん!これは本当なの?」

これと言って差し出されたのは校内新聞。タイトルは「西遠寺彷徨、光ヶ丘望に暴力?」だった。たしかに思わず胸倉をつかんでしまったが、暴力ではない。否定しようとしたが、先に登校していた未夢がそれを遮った。

「本当だよぉ〜それは。光ヶ丘くんが言ってたもん。ねっ、光ヶ丘くんv」
「ほら、光月さんがそういってるんだ。本当のことだよ、レディたち。西遠寺くん、なんで昨日はあんなことしたんだ!?」
「・・・」


呆然としてしまった彷徨は何も言えず、疑惑はそのままとなってしまった。未夢は相変わらずおかしい。




(オレは、何もできないのか・・・?でも、なんであんなにムキになったんだ?もしかして、オレは光月のこと・・・)





彷徨の疑惑は晴れず、美少年コンテストの投票時間になった。未夢の用紙には光ヶ丘望と書いてある。


「光月さん、ちゃんと入れてねv・・・光月さん?」


未夢の様子がおかしい。その瞬間、光ヶ丘くんはしまった!という顔をしていた。



「えっ、私何してるの?なんで、光ヶ丘くんの名前が書いてある紙もってるの?私、西遠寺くんに入れようって思ってたのに。この新聞は?彷徨がこんなことする訳ないじゃない!」

それが大声だったために、周りの女子たちはびっくり。

「えっ、未夢どーいうこと?」
「だから、西遠寺くんに入れようと・・・」
「じゃあ、今までの未夢ちゃんは・・・?」
「えっ、あ、光ヶ丘くんに何か飲まされた」


・・・光ヶ丘くんに何か飲まされた・・・?

「どーなってるの?光ヶ丘くん!!!!」
「見損なったよ、光ヶ丘くん!」

光ヶ丘くんは女子にせめられっぱなし。その間未夢は、彷徨の名前に書き換えて投票していた。



優勝したのは彷徨。光ヶ丘くんは棄権となった。2人が家に帰ろうとしていると、光ヶ丘くんが近づいてきた。

「ちょっと・・・いい?」
「また、光月に何かするつもりか?」

彷徨は神経を尖らせている。未夢への想いに気づいたから。これが・・・恋だって言うことを。


「すまなかった!」
「あのな「いいよ、もう。西遠寺くんも、反省してるみたいだから、許してあげようよ」
「・・・・、2度とこんなことするなよ」
「分かった」

それだけ言うと光ヶ丘くんは去っていった。



彷徨は、何か見つけるとそれをとって、未夢に差し出した。


「これ・・・やるよ」
「えっ・・・?」
「お礼」


彷徨が差し出したのは野の花。


「あ、ありがとっ・・・彷徨!」


満面の笑みで未夢は彷徨に言った。
彷徨は(これが、本当の光月か・・・)と思いながら愛おしそうな眼で見つめた。未夢にも気持ちの変化が、あったかもしれない・・・・・・。



なんか、最初予定していたのと全然違う・・・(泣
そして、私は薬ネタが好きらしい。
どーしても、パターン化してしまうのよね。
次回は修学旅行です。
ここでまた一波乱?

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