作：西光ゆな
I lost my Heart 〜10〜
さて、演劇大会本番当日。未夢たちはアラビアン風の衣装を着ていた。
｢うわぁ･･･光月さん今日は可愛い･･･｣
｢西遠寺くんカッコいい･･･｣
未夢と彷徨は周りに好奇の目で見られていた。
｢はぁ･･･やっぱりやだなぁ｣
｢･･･｣
さぁ、なんだかんだで2年1組の出番になった。
｢次は、2年1組のアラジンです。それではどうぞ！｣
最初は、彷徨扮するアラジンがアブーと共に食べ物を取り(盗り)に行くシーン。
そして、未夢扮するジャスミンが、退屈そうにしているシーン。そして、メインともいえる、飛行シーン。ここは、綾が張り切っておよそ５Ｍくらいのところに絨毯があった。
2人は絨毯に乗って、歌い始めた。が、しかし････
｢なっ!｣
｢え･･･？｣
絨毯がガクッと揺れたと思ったら、未夢側に傾いた。
｢あっ、おち････｣
未夢が絨毯から落ちてしまったのだ。
｢っ、未夢！｣
｢助けてっ･･･彷徨！｣
未夢のクラスの発表は中止。未夢は目を覚まさずに病院へ運ばれた。
診断結果は、頭部強打に左足骨折。頭部はほぼ問題ないものの、左足は複雑骨折のために手術する事になった。未夢の両親もこの知らせを受け、日本に一時帰国した。
そして彷徨は、未夢の両親に謝っていた。
｢ゴメンなさい。未夢さんを助けられなくて･･･。責任は｢いいのよ、彷徨くん。自分を責めないで｣｣
｢でも･･･｣
｢ううん。本当に大丈夫。だけど･･･ショック状態になってるみたいだから、見ててあげてね！｣
｢はい。でも、なんでショック状態に？｣
未来は躊躇ったが、この強い瞳の少年に自分の親友の息子だにだったら話せると思ったのだろうか。一呼吸置いて話し出した。
｢彷徨くん。落ち着いて聞いてね。あれは未夢が小2の時だったわ･･･｣
はい。未夢ちーは怪我をしてしまいました・・・。
彷徨は、守ってあげられなかったことを悔やんでます。
そして、未来さんが話そうとしているのは、
いままで全然触れていなかった、未夢の過去です。
来週、その真相を！
では！