10years

10 〜eternally〜

作:水上うらら

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わたしは あなたの 腕の中でなら





誰よりも 幸せな女の子に なれるんだよ・・・・・・っ





・・・・・・・・・・・・・。




今 教室に戻ったら。


・・・本当に大変なことになっちゃうっっ!!!


わたしたち、授業さぼったことになってる・・・よね・・・・・・やっぱり・・・。



どうしようっ



彷徨に聞いたら。


「どうしよっかぁ〜」


・・・なんて 上の空な返事。  しかも、抱き締めた腕を緩めてくれない。



もぅっ!!///



う、嬉しい・・・・・・けどぉ・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃなくてっ!!!



頭はすっごくいいくせに・・・  何でこーゆー時に役に立たないのよぉっ!!!






きーんこーん...  かーんこーん...





っっ!!!



・・・あ〜ぁ・・・ 結局さぼっちゃったぁ・・・


先生、怒ってるかなぁ・・・



と、その瞬間 わたしを抱きとめていた腕がぱっと離れる。



「うひゃっ」


足がよろける。


いっ・・・いきなりだったからだもんっ!! 


わ、わたしが彷徨によっかかってたとかそーゆー訳じゃないもんっっ!!!



「さっ、行こうぜ。・・・6時間目もさぼったら、さすがにやばいだろ。」


「ま、まってっ」


彷徨は笑い 走り出す。


「まってってばぁ〜!!!」



彷徨は わたしにあわせて 走ってくれている。



・・・すぐに追いついた・・・



彷徨の腕を 抱き寄せる。



「み、未夢・・・」



もう  離さないんだから・・・・・・っ







◇◆◇







あれは・・・・・・西遠寺くんと光月さんって子じゃない?


へぇ?二人とも や〜っとくっついたのかしら・・・


腕なんか組んじゃって・・・



うっ ふっ ふ ♪



私は声をかけてみる。



「お〜いっ・・・西遠寺く〜ん、光月さぁ〜んっ」



「あ・・・神村じゃん。どうしたんだ?」



「二人とも〜・・・うふふっ♪やっぱり、や〜っとくっついたのねぇ〜♪

光月さん、よかったわねぇっ 西遠寺くんたらあなたにベタ惚・・・」


うわーーっ!!ちょっ、なっ、神村っ!!!」



焦る西遠寺くん。


珍しいわよねぇ〜・・・



「おほほほ〜 お幸せに〜♪ 光月さん、また会いましょ★」



少し俯き加減の彼女に手を振り、私は歩き出す。


光月さん、どうしたのかしら?・・・なんか元気なかったけど。


でも・・・・・・いいわね〜ぇ・・・熱々カップル♪羨ましいわ・・・


純で可愛らしいわよねぇ・・・・・・なんて、私おばさんみたいね・・・


あら!あと4分で授業始まっちゃうわっ


私はダッシュで教室に戻る。



どうぞ 幸せに、ね。







◇◆◇







突然、あの澄んだきれいな声が耳に入ってくる。


「お〜いっ・・・西遠寺く〜ん、光月さぁ〜んっ」


わたしは振り向く。


「あ・・・神村じゃん。どうしたんだ?」


神村・・・・・・さん?


思わずわたしは掴んでいた彷徨の腕を離す。


なかよくしゃべる二人。


彷徨は わたしだけ って言ってくれたけど・・・・



「おほほほ〜 お幸せに〜♪ 光月さん、また会いましょ★」



わたしもゆっくり手を振り返す。


彷徨に、ほんとに告白されなかったのか 聞こうと 口を開いた。


でも。


「やばっ・・・!あと4分で授業始まるっ!未夢、早く行くぞっ」


「えっ・・・・・・あ・・・・・・うん。」


まぁ、いいか。


あとで聞こうっと。








二人で、『せーのっ』と言い、教室のドアを開ける。


とたん、注目が集まる・・・っ




・・・と思ったが、そうでもなかった。




・・・・・・あれ?


さぼったのに・・・・・・・・・・・・




「み〜〜ゆっ」



後ろから誰かに声を掛けられる。



「な・・・なみちゃん・・・?」


「大丈夫よ、先生には『さぼってる』って言ってないから。

ちょっと、具合が悪いとかで西遠寺くんと保健室いきました〜って。

ついでに、次は自習よっ♪英語の先生、また休みだってっ!!」

「そーなのっ!!自習だよっ 

・・・・・・未夢ちゃん・・・西遠寺くんと、・・・会えた?」







どきっ!!!







「じ・・・・・・じつは・・・・・・ね・・・」

「「なになに??」」


そっと 小さい声で 二人の耳に話す。


「か、かなたと・・・・・・両思いになって・・・」



「「えぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜っっっ・・・・・・むぐっ」」


急いで二人の口を塞ぐ。


「な、ななみちゃん、綾ちゃん、声でかいよ〜・・・」


「ほんと?」


「/////ぅん・・・」





きーんこーん... かーんこーん...





始まりのチャイム。



「ま、いいや。・・・自習だし。・・・もっと話して♪・・・なんて言われたの?」


「//////おれが好きなのは、未夢だけだ・・・・・・って・・・ほんとかな//」


「未夢ちゃん、よかったね・・・っ」


「二人とも・・・・・・・・・」



ありがとう。




ありがとう・・・




二人とも、ずぅっと大事な親友だよ・・・っ







◇◆◇







帰り道。


いつもの道なのに、ドキドキする。


だ、だって、隣に、彷徨が・・・



「なぁ、未夢。」


いきなり声を掛けられる。


「ひゃいっ!!!!」


「おれが告白されたの見た・・・って言ってたじゃん?それって・・・ほんとにおれ?」






どきっ!!!!






彷徨に その質問をされるとは 思ってなかった。


・・・なんでばれてるのっ!?


でも、聞いてみる・・・



「か・・・彷徨が神村さんに・・・

『・・・・・・ずっと好きだったの・・・』 『えっ・・・・・・お・・・れも・・・。』

『ほんと・・・?』 『・・・うん』 『・・・一緒ね・・・っ』って・・・・・・

だから、彷徨は神村さんと付き合うのかな・・・って」



彷徨がキョトンとする。


何かを思い出そうとしている。





「・・・・・・あっ!!!」





「へ?」


「くくく・・・・・・・・・あはっ・・・・・・あははははっ・・・」


いきなり彷徨が笑い出す。


・・・さも可笑しそうに。


「な、な、なんで笑うのぉ〜っ」


「おまっ・・・・・・あはははっ・・・そ、それ・・・・・・サボテンマンの・・・話だよっ・・・」


「へ?・・・サボテンマン・・・・・・?!・・・えぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!

もしかして・・・・・・わたしサボテンマンで悩んでたの・・・?」



「あはっ・・・・・・・・・あはははっ・・・」



「かっ、かなたぁっ!!!笑いすぎぃっ!!

そ、そりゃ・・・わたしが・・・誤解したのが・・・悪いけどぉ・・・」



「・・・・・・ごめん・・・な。」


「ぇ?」


「おれが好きなのは未夢だけだから。・・・本当だ。誤解させてごめん・・・。

・・・・・・あっ! 未夢・・・そいえばシャーペン返してなかった・・」





なにが?


いきなり話が変わり、頭がこんがらがる。


彷徨は鞄をあけ、筆箱を取り出す。




「ほら、・・・これ、おまえのだろ?」




彷徨はわたしの前に、何かを差し出す。




何か見覚えのある柄。





・・・・・・。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





「あぁーーーっ!!わたしのっ!!!!!」



「だろ?・・・なんかおれの机に置いてあってさ・・・」



あの時、



彷徨に手紙を書いたシャーペン。



色々と忙しくて 無くなったとは思ってなかったけど・・・



ずっと・・・・・・



彷徨の手にあったんだ。




「・・・彷徨・・・捨てないで・・・持っててくれて・・・ありがとう・・・。」




「いんだよ、別に。」



ふいっと横を向く彷徨。


そっけない所も、 今はとっても嬉しかった。











―十年後 あなたは何をしてると 思いますか?―





そんなこと、今はわからない。


でも・・・


あなたと一緒にいれたらいいな。



10年経っても



20年経っても



そして・・・・・・おばあちゃんになっても・・・



ずっと ずっと・・・・・・・・







あなたの隣で・・・・・・ 












水上うららです〜

とうとう最終話!・涙 ちょっとまだ心残りがありますが・・・

できたら、これからゆっくり書いていきたいと思います。

質問したいことがあったらいつでも聞いてください。待ってます♪

今まで見てくださってありがとうございました。

拍手をくれた方も。 このページを開いてくださった方も。

どうもありがとうございます。ほんとにほんとに。。。

これからもどうぞよろしくです。。


あと、勝手で悪いのですが・・・

わたし5/16〜/18は家にいませんので、ここに来れないのです。。

ケータイも出せないですし・・・持ってきたら没収・汗 ばれなきゃ平気ですけどね・笑

もちろんばれないように持って行きますけど・・・(悪っ!!

夜中 布団の中でやるかな・・・(無理だから


では。またいつか 会いましょうねっ






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