作:妖緋
「未夢ちゃん・・・未夢ちゃんは・・・」
「「「「西遠寺くんのことが好きなんでしょう?」」」」
突然に自分の名前が飛び出して、彷徨は思わず陰に隠れた。
そして人ごみの中の未夢を覗く。
「ね?大変でしょー」
「こんなことになったのは西遠寺くんに原因があるんだからね」
彷徨について陰に隠れたななみと綾が、それだけ言って未夢を見守った。
ななみと綾に彷徨、それに三太や望の力を借りたとしても
この女子たちをなんともできないということをよく知っているのだ。
「未夢を助けてあげられるのは、西遠寺君だけだよ」
ななみにボソッと言われた一言が妙にきになる。
そんな間にも、未夢は女子達につめよられていた。
「お願い、答えて」
「未夢ちゃんの、本当の気持ちを・・・」
「わたくし・・・もう大丈夫ですから・・・お願いします」
「みんな・・・わ、わたし・・・わたし・・・・・・は・・・」
未夢はなんと答えるのだろうか。
自分のことをどう思っているのか、彷徨は気になった。
心臓の音が高鳴るのを抑えながら、未夢のほうをみていた。
「わたしは・・・・・・」
「「「「わたしは???」」」」
「わたしっ・・・彷徨のことなんか、大っ嫌い!!!」
目を瞑って思いっきりそう言って、未夢は走り去って行った。
ななみと綾がその後を追いかける。
クリスたちは戸惑いの色を見せていた。
そしてだんだんとわいわいと騒ぎ出す。
「まさか光月さんがあんなこと言うなんて!」
「でも、未夢ちゃんのあの言い方・・・なんだか本当に思えた・・・」
「そういえば、あたしも・・・」
「わたくし・・・未夢ちゃんの心がつかめませんわ・・・・・・」
彷徨は呆然と立ち尽くしていた。
未夢が彷徨を好きだ、と思っていたのは自惚れだったのだろうか。
「彷徨っ、彷徨っっ!」
三太に揺さぶられ、彷徨は自分の頬を伝うものに気が付いた。
「俺・・・泣いて・・・・・・?」
「彷徨・・・俺、光月さんが本心でああ言った訳じゃないと思うぜ?」
困ったように、三太と望は涙を流す彷徨を見守っていた。
名簿に気合をいれまして、文字を搾り出してみました。
超スローペースですが、これからも宜しくお願いします〜。
ベタ脱出できないかもしれませんな・・・(汗)