作:妖緋
肩を揺さぶられるまで
頬を伝うものに気が付かなかった
まさかこの俺が涙を流すことになるなんて
あいつがどれだけ大切か
改めて分かった気がした―――
いつもどおりの朝のはずだった。
未夢が起きてくるのが遅いのも、いつものこと。
「きゃーっ!遅刻しちゃうーっっ!!」
「あ、未夢さんおはようございますぅ〜」
「マンマッ!」
ワンニャーが出したご飯を急いで食べ、飛んでくるルゥにおはよう、と笑いかける。
けれども、昨日見て、聞いてしまったことはそう簡単には忘れられないのだ。
彷徨が、未夢を見ながら立ち上がった。
「ほら、早くしろよ。置いてくぞ」
普段なら、待ってよー、と言ってわたわたと慌てるところ。
しかし、今日は違った。
「え、あ・・・うん・・先行っていいよ・・・」
「え・・・」
「ほら、行ってらっしゃい」
どこか悲しそうな未夢に不信感を抱きながら、彷徨は未夢よりも先に家を出た。
彷徨が教室に入ると、今日は早く来ていたらしい、三太が近寄ってきた。
「おはよー彷徨っ」
「おはよ」
「今日は光月さん一緒じゃねーの?」
「ああ、なんか先行ってろ、とかなんとか」
2人で会話を交わしていると、ガラリと扉が開いた。
「未・・・「おはよー光月さーんっ」
入ってきた未夢に、彷徨を押しのけて三太が声をはる。
「おはよう、三太くん」
三太とは普通に言葉を交わした未夢だったが、彷徨とは目をあわそうとしなかった。
「・・・彷徨、光月さんどうしたんだよ?」
「知るかよ・・・」
事件は、放課後におこった。
未夢を探している彷徨の元へ、ななみと綾の2人が駆け込んできた。
「「西遠寺くんっ!未夢(ちゃん)が大変なことになってるよ!!!」」
2人に案内されるままに向かうと、未夢のまわりにものすごい人だかりができていた。
しかし、男子は三太と望以外におらず、全てが女子である。
その中にいたクリスが、未夢の手をぎゅっと握って言った。
「未夢ちゃん、正直に答えてください・・・」
「く、クリスちゃん・・・・・・?」
「「「「未夢ちゃん、答えて!」」」」
「み、みんな・・・・・・?」
続き書くのに何日もかかってしまいました・・・。
しかもまだ第2話の1部・・みたいな感じです。
テスト前なので、今度続きを書けるのはテスト後だと思います。
しかし2部はさっさとアップしてしまいたいなぁ^^;
・・・どうなるかは、私次第なんですよね^^;;
まぁ、楽しみにしていただけるとありがたいです。