全ては黄昏となりて外伝

私達 (これで完結です)

作:しーば

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投稿中のしーばへ。
この分は、過去未夢視点の文章です。




昔の私は、幽霊は恐いと思っていた。

でもね、今私の目の前には女の人の幽霊が見えている。

人魂みたいにゆらゆら揺れる姿でも無いし、お化け屋敷に出てくるお化けの姿でも無い。

少し透明がかっているから顔の表情があまりはっきりしないけど、外見は普通の人と何も変わり無い。
年齢は私より7歳ぐらい上のお姉さん。ただ違うのは、宙に浮いている事と、私にしか見えない事。



・・・・・・それと、私に乗り移れちゃうこと・・・・・・。



このお姉さんとは海で会った。
ほら、みかんさん達と海へキャンプに行った時ね。


最初の方は、何かが私の側に居る感じがしてた。
怖い感じとかは全く無かったから、気のせいかな?と思ってた。

そしたら、その内私の中から声が聞こえるようになったの。


その時は、私が無意識に独り言言ってたのかな?と思っていたけど
私が考えていない言葉まで聞こえて来て、オカシイと思った。

気付くのに時間が掛かったのは他にも理由があって
その聞こえてくる声が、私の考えている事とほとんど一緒だったの。


例えば、足場の悪い岩場を彷徨と2人で歩いてた時に、私が転びそうになった。
とっさに、彷徨が私の腕を支えてくれて転ばなかったんだけど・・・。

私が彷徨に「ありがとう」と言う前に、彼女から『ありがとう』の声が私の中で聞こえた。
その時の私は、助けてくれた彷徨にドキドキしてて、言葉が出なかった。
彼女からの『ありがとう』が聞こえたおかげで、彷徨に「ありがとう」と言えた。


それ以降、私は彷徨と会話している途中で考えるのを意図的にやめてみた。
すると、彼女の声だけが聞こえるようになった。

だから、私は(わざと)その声を頼って彷徨と会話してみた。
凄く不思議なんだけど、彼女が私の心の中で言っている言葉だけで、彷徨と会話が出来た。

しかも、私なら恥ずかしくて素直に言えない彷徨へのお礼も、普通に言ってた。
きっと私はこの時に確信してたと思う。この人には敵わないな・・・と。


その日の夜、恋人達の木の所で彼女が私と接触をした。
途中から私の記憶が無くなってて、実は何があったのかよく覚えて居ない。

初めて乗り移って身体を貸しちゃったから、その分離れていた私の記憶が全く無い。
気付いたら、ズブ濡れの私と、同じくズブ濡れの彷徨しか居なかった。


もしかして、私。彼女に記憶を消されたとか?

その後、私から彼女に「一緒に西遠寺に行きましょう」と誘った。
彼女は いく と言って付いて来てくれた。

それから、彼女と一緒の暮らしが始まったけど。

運が良い事に、私は言葉を発しない限り、彼女に私の考えを読み取られる事は無かった。
彼女に身体の主導権を預けて、たまに私も身体に残っていると彼女のイメージした記憶が読める時があった。

彼女の記憶は、今の私より10年以上先の所まであった。


‥(@ω@;)
追記、追記で書いてるからちょっと重複してる所が多いですがごめんなさい。

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