作:しーば
[岩陰]_・。)まず言い訳を言わせてください。
これは四中サイトさんに投稿させて頂いた「全ては黄昏となりて」(未完)の別案ラクガキでして。
最終場面までは考えましたが、途中をどう繋げるのかがまだ決まってません・・・(-_-;)
( ̄o ̄;)ハッピーな展開じゃ無いので、お気をつけて。
私は今日も縁側に居る。
居続ける理由は分からない…これからどうなるかも分からない。
ただ分かる事は、この場所はあの人の定位置、私はいつもその隣に座っていた。
でも、あの人はその場所には居ない・・・何故なら、あの日から座る事をしていない。
その場所を眺める事はあっても、座らずにいつも素通りしてしまう。
季節は12月の下旬。
あっ・・・ゆき・・・降って来た・・・。
白く小さな物が真っ暗な夜空からふわりふわりと降りてくる。
それが地面に落ちた時、白い物が段々と薄れ最後は濡れた跡だけが残る。
せっかく雪になれても、すぐ消えてゆく。
最初に降った雪が地面を冷し、後から降りてきた分の白い雪を残す。
…白くて綺麗・・・。
こうやって、上を見上げると段々と空に登っていくみたいだね。
私は何処まで登れるんだろう。
最後には何処に辿り着くのかな?
雲の上に着いたら、またこの場所を見下ろす事が出来るのかな?
もしかしたら、今降っている雪のように雲から帰って来れたりして・・・。
でも、雪になって降りてきても、すぐに消えて無くなっちゃうかもね。
ガラッっと背後で扉が開かれた音がする。
振り返るとあの人がいつもの場所に立っていた。
彼は舞い降りる雪を見上げる。
ねー、今夜は積もるかなー?
初雪だよ〜ほらほら見て見て。
私は両手を広げ、縁側の前の庭の中ではしゃいで見せる。
彼は少し微笑んだ後、その場に座った。
私は両手を後ろで組み、少しずつ彼の場所へ向かう。
すると彼がつぶやく様に話始めた。
「なぁ?俺達2人でルゥやワンニャーを迎えるって約束覚えてるだろ?いつになったら帰って来るんだろうな?」
うーん、150億光年も離れてるし…本当の所帰ってくるのは難しいのかもしれないね。
でも、いつ帰って来ても笑顔で『おかえりなさい』って約束したよね。
「最初に2人が来なかったら、俺達はどうなっていたのかな?」
・・・もし来てなかったら、今の私がこの場所に居る事さえ無かったかもしれないね。
「覚えてるか?夏にみかんさんやクリス達と海に行った事あっただろう?」
うんうん、もちろん覚えてるよ。
月食の時にあの木の下でキスをしたカップルは永遠に結ばれるって言う所でしょ?
「あの時のジンクス、ちょっとは気にしてたんだぞ」
へー、彷徨も信じてたの?
あの時、あんな形だったけど一応キスみたいな事しちゃったから・・・、もしかして私が彷徨と・・・?って考えちゃって。
それで眠れなくて、浜辺に居たら彷徨が来たんだよね。
「あの夜浜辺で、未夢と俺が結婚・・・まさかな、そんな事は無いだろうって考えてたんだぞ」
なーんだ、彷徨も同じ事考えてたんだ。
あの時、私一人で考えてドキドキしてたのかと思ったよ、だって彷徨普段通りだったし。
「あと、あの日も。みかんさんにロープで捕獲されて式場に連れて来られて、無理やり衣装を着せられて・・・」
あの時は大変だよね、ズルズルと引きずられたよね。
「今だから白状するけどな、あの時の未夢のウェディングドレスまともに見れなかったんだぞ?」
出る所も出てない私の体系じゃ色気も何にも無いですからねー。
でも、彷徨のタキシードは凄くカッコ良かったよ。
だって彷徨に見惚れてたもん。
あの時は本当に酷い目にあったけど、凄く良い日でもあったから…。
「だって、未夢ヤバイぐらい似合ってたからな・・・もっと見たかったけど、未夢を見たら俺の表情バレるからな・・・、あー勿体無い事したー」
えへへ・・・、そんな褒め過ぎじゃないの?
そんなに言っても、今の私は何もあげませんよーだ。
「本当なら今頃、あの時と同じ場所に居たんだけどな・・・」
嘘・・・えっ?今日だったっけ?クリスマス・・・
今の私は、あの時以降の記憶はほとんど無いの。
ごめんね彷徨。
あっ、でもホワイトクリスマスだし、明日は彷徨の誕生日だね。
おめでとう! 今回の誕生日プレゼントはずっと前から決めて用意してたんだけど、忘れてきちゃた…。
私っていつもドジだね・・・。
いつの間にか、私達の周りには薄っすらと雪が積もり始めていた。
彷徨の居る縁側にも積もってる、彷徨寒くないのかな?
「なあ、返事ぐらいしてくれないか・・・?」
やだな〜返事ならさっきからしてるでしょう?
「せめていつものあの笑顔ぐらい見せてくれよ」
はいはい、いくらでも飽きるほど見せてあげるから・・・。
私は薄っすら降り積もった雪に足跡を付ける事無く彷徨の目の前まで移動する。
ほら、いつまでもうつむいてないで顔を上げなさい。
「はは・・・俺ってやぱっり弱いよな…、未夢が居ないと何も出来ない。 未夢が居ないと駄目なんだよ」
本当は伝わるはずの無い私の声・・・だけど彷徨はうつむいた顔を雪が降りてくる方向に移してくれた。
私は彷徨の顔を上から覗き込むように見つめ、彷徨の頬に両手を添えようと近づけた。
ふぅ・・・なんですかぁ?そんな顔してちゃ彷徨のカッコイイ顔が台無しだよ?
いつものクールな彷徨さんに戻って欲しいな・・・。
私は笑顔で微笑んで見せた。
「未夢・・・頼むから帰って来てくれ・・・、どうしてこんな急に居なくなるんだ?卑怯だぞ?」
大丈夫だよ彷徨・・・、私はいつまでもアナタの傍に居るって誓ったでしょ?
「覚えてるよな?俺はいつまでもお前と一緒に居るって言った事。今は俺の方から未夢に逢いに逝くしかないから・・・」
へっ?何言ってるの?
私に逢いに来るって、私は今、彷徨の目の前にいるでしょ?
「もう我慢の限界なんだ・・・未夢の居ない世界に俺は居たくない。今すぐに未夢に逢いたいんだよ・・・」
だめ・・・ダメ! 絶対に駄目!!
そんな事私は許さないからね!
彷徨が居なくなったら、おじさんが悲しむよ・・・それに西遠寺を継ぐのは彷徨の役目でしょ?
それに・・・私なんて居なくなった方が良かったでしょ?
本当は私が彷徨と結婚できるなんで信じられないぐらい嬉しかった・・・、それと同時に私なんかで良いの?って思ってたんだよ。
そうだよ
私なんかより彷徨にお似合いの女性がすぐ見付かるって
それにその女性との方が彷徨を幸せにしてくれるし
とびっきりの美人で・頭が良くて・料理が上手で・スタイルも良くて・・・
私なんかと全然違う彷徨に相応しい女性が絶対居るはず!
「なあ、もし未夢が今の俺の前に居たら自分をけなすだろ?そんな事しても無駄だからな・・・俺は未夢じゃないと駄目だって何回言わせれば気が済むんだ・・・?、長年一緒に暮らしているんだから未夢の考えてる事ぐらい大体分かるんだぞ?」
・・・・・・だからって・・・、私の場所に彷徨を来させる訳にはいかないよ・・・。
私は彷徨の顔を空から眺めている。
私をすり抜けて降り続ける雪が彷徨の頬や額に落ちる。
目を真っ赤にした彷徨の顔全体が濡れてる・・・濡れている要因は雪だけでは無い。
今の私に涙を流す事ができたなら、彷徨よりもっと多いよ・・・。
「なぁ・・・このままこの場所で寝るから・・・ちゃんと起こしに来いよ・・・未夢・・・」
彷徨はその場で崩れるように後ろに倒れこんだ。
顔を真っ赤にしながら、苦しそうな表情をしている・・・。
もしかして、彷徨熱あったの!?
どうして?そんな状態でこんな雪の降る縁側なんかに来るのよ・・・。
彷徨に触れようとしても、今の私には彷徨の身体や他の物体にも触れる事が出来ない…。
御願い・・・嫌だよ・・・誰か・・・助けて・・・このままじゃ彷徨も本当に死んじゃうかもしれない・・・。
そんな・・・私のせいで・・・彷徨が不幸になってしまうの・・・?
私が、死んじゃったからその罰として彷徨も死んじゃうの?
違う・・・そんなハズないでしょ・・・。
要らない私がただ居なくなっただけ・・・ただそれだけなのに・・・。
どうして彷徨を巻き込んでしまうの・・・っ。
私と彷徨が結婚しなければ良かった・・・
私と彷徨が恋人にならなければ良かった・・・
私と彷徨が好きにならなければ・・・
私と彷徨が出会わなければ・・・
私なんか居なければ・・・
彷徨が幸せになれたのに・・・
全部私のせいだ!!!!
そう思った時
私は何かに引っ張られ、彷徨のから引き離されてしまった。
真っ暗な渦に飲み込まれ、彷徨が居る世界のの光りが段々と狭くなる。
私は最後まで倒れている彷徨を見続けていた。
雪の展開がいきなりすぎてごめんなさい<(_ _)>
分かりにくいので解説させて頂きます。
一応暗い内容でして(^^;;
この世には居ない未夢が彷徨の傍にずっと居るけど、彷徨はその存在を知ることが出来ず未夢の声も聞こえない、未夢が居ない悲しさで段々と悪い方向に考えを運んでいく彷徨。
未夢が居なくなって、眠れもせず体調を崩してしていた彷徨がついにダウン。
未夢はどうにかして彷徨を助けたいが、触れることも出来ないので、何もできない。
そして、自分の存在の否定をし始める未夢に何かが迫る…。
つづく。
ありがとうございますm(。_。;))m ペコペコ…
[壁]‥)ここの文章意味不明なんだけど?と言う方はWEB拍手でご質問ください。
出来る限り、この場所で答えます。