明日は昨日

はじめは火曜日 3

作:あゆみ

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家に帰って、夕食をとり、テレビを見る。
それから未夢は自分の部屋に戻った。

明日の予習をしないと・・・。

勉強は好きではない。しかし、今日のようなひどい目にあうのはいやだ。

「そういえば、昨日の分のノートを借りないといけないな・・・。」
月曜日の時間割を見ながら未夢はため息をついた。
国語なら一時間程度抜かしても何とかなりそうだが、数学などをはじめとする理系の科目はそうはいかない。

「でも・・。」
未夢は首をひねった。
ななみの言葉を信用すれば未夢は昨日も学校に来ていることになる。
とすると・・・。

未夢はバインダーを広げてみた。数学のノートは取ってなかったが後は国語も、理科もちゃんと月曜日の授業内容が記載していた。

「・・・」
未夢はその内容を何度も読み返したが記憶によみがえるものがなかった。
書いてある筆跡は未夢のものである。
確かに未夢の字・・・

しかし・・・

書いた記憶も、この授業を受けた記憶もなかった・・・

いまさらだが未夢は寒気がした。
こうも完璧に記憶が、しかもたった一日前の記憶が消えるものだろうか?
度忘れをすることがあってもきっかけがあれば思い出せるはずだ
しかしその記憶がない。

今目の前にしているルーズリーフをみても他人のノートを見ている感覚なのだ。




まるで別の自分が昨日を過ごしたような…




二重人格。
もしそうだったらどうしよう。
自分でない自分が体を動かしているのだとしたら・・・

気にしないと決めた未夢だがこの妄想はなかなか消えてくれなかった。
親に相談するべきだろうか?
両親はNASAで働いている。
なにかアドバイスをくれるのでないか…


「そうだ。日記。」
未夢はふと思い出した。

未夢は日記をつける習慣を持っている。
毎日ではないが印象に残ること、思いついたことがあるときは欠かさずつけるようにしていた。


ひょっとしたら昨日の自分が何かつけているかもしれない。

未夢は引き出しを引いた
底には色々なものが入っている。
しかしここに締まっていたはずのレターセットが見当たらなかった。
しかし、今はそれどころではない。
いそいで気持ちを切り替えて日記をとりだした。


日記のはじめの日付は中学入学式の日付だった。
ぱらぱらページをめくると書いてあるのは半分くらいだった。

それはともかく未夢は記述のある最後のページを探し出した。






昨日の日付だった・・・・





筆跡も未夢のものである。

そしてそこにはこう書いてある。








「あなたはいま混乱している。あなたの身に何が起こったのか、これからなにが起こるのか、それはまだ教えられない。
だけど記憶喪失ではないし、気が狂ったわけでもないから心配しないで。
だけど他人にはこのことを話さないでね。あなたが相談していいのは西遠寺君だけだから。
西遠寺君に相談しなさい。最初は冷たい人だと思うかもしれないけど、彼は頼りになる人だから。」







未夢は息をするのも忘れてその文を何度も読み返した。







〜注意〜
この作品は以下の作品をリスペクトし
だぁ!だぁ!だぁ!設定ではどうなるか考えて書いたものとなります。
メディアワークス 
「タイム・リープ・・・あしたはきのう」
著者 高畑京一郎

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