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作:あゆみ

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「へーここも結構変わったのね…」

未夢は両親に言われて家の外に出てきた。
一年しか経っていないのに、外の風景もずいぶん変わったように感じる。

とり合えず、前の学校、再び編入する学校まで行くことにしてみた。


……ガヤガヤ・……
「へぃ!いらっしゃい!!」
「それでね〜主人たら…」


商店街、アーケード…ここら変の雰囲気は一年経っても変わってないのねと顔をほころばせながら歩いていく。

商店街を通り抜け、スクールゾーンに差しかかる。




あっ…これだ…




そこには優の言っていたイチョウの並木道があった。
黄色い葉が生い茂っていて回り一面黄色の世界が広がっていた。

未夢がふと目を向けると記念碑があった。



わが町の宇宙飛行士
光月未来
夢と未来への掛け橋




うわぁ―――ママってばすごいなぁ…

改めて自分の母親のすごさに気づく、
夢と未来への掛け橋ね………。スクールゾーンって言ってない所がおかしい(クスクス)。

目を向けると見たことのある制服の学生、また学生のような風貌の人たちがイチョウの木の下にいる。
どうやら人を待っているみたいだ。

あ…あの制服…学校の制服だ。

それはこれからまた通う未夢の学校の制服だった。



そこに並木道を歩いている生徒の声が聞こえてきた。


『ここの並木道も有名になったよねー。』
『デートの待ち合わせでしょ、恋の願掛け…』
『夢をかなえた光月未来の道ってことで願いがかなう・・・ってあれでしょ?』

『でも実際願掛けして恋人と結ばれた人もいるらしいよ!』
『へ―じゃああの子も?』

イチョウの木の下にいる自分たちと同じ制服を着た子のことを指していう

『そうよ。いつまでも幸せであるように…ここで待ち合わせしているのよ!』
『いいな―いつか私も……』





そんなうわさがあるんだ…
へぇ――――私もいつかそんな人とこの木の下で待ち合わせとかするのかな…

未夢は頬を赤らめその学生たちが言っていたことを心の中で考えていた。





紅葉の落葉が舞いちるなか未夢はその並木道をとおり、学校へと向かった……







・・・・学校前

「ひさしぶりだなぁー――この学校も!!」

未夢は学校に着き正門の前で中の様子を見ていた。

前の学校結局2年生を終わる前にこっちにきちゃったな…

こっちの学校には3学期の途中から編入する
2年生の途中から入り3年生に…

彷徨たちと一緒に3年生になりたかったな…


それは未夢が第四中にいるときにはあたりまえのように思っていたことだった。
みんなと3年生になれる。
みんなで受験を頑張る。


しかし突然の親の帰国・・・。夢がかなったから日本に戻ってくるのはあたりまえだけど・・・
あたりまえだと思ってた環境が転校という形になってしまった。

「いつまでもくよくよしててもしょうがないよね!がんばろ!!」


そう未夢が口にしたときだった。








「未夢ちゃん??」








と未夢の背後から誰かが声をかけてきた。
自分の名前を知ってる。
だれ?と未夢が振り返った先には・・・・・・・


「瑞樹さん?!」



そこには漫画家みかんさんの弟、瑞樹が立っていた。

「ほんとに未夢ちゃん?びっくりしたな――どうしてここにいるの?」

「瑞樹さんこそ・・・どうしてここに?」

「ぼくはねぇ。春からこっちの大学に通うんだ。一応推薦できまってね。その下見に来たんだ。
未夢ちゃんはどうしてここにいるの?」

「わたしは、家がこの町なんです。実は・・・・
・・・ということで西遠寺をでて本当の私のうちに帰ってきたんです!!」

「そうなんだ〜びっくりしたよ。未夢ちゃんがいて。」


ここ一体は中学、高校、大学と学校が連なっていた。
瑞樹の大学は未夢の中学の向かいの敷地に建っている。

「瑞樹さんここの大学通うんですか〜私はこの中学なんです。」

「へ〜近いねぇ。未夢ちゃんよろしくね!」

「はい!」
と満面の笑み。

「僕の実家もこの町なんだ!だからちょくちょく会うことになるかもね!」

「実家もですか?!うわぁ〜。そういえば瑞樹さんの実家の話って聞いたこと無かった。」

「ねぇちゃんが姉ちゃんだからね。用があるときだけ呼びつけるから。大変なんだよ。」













未夢と瑞樹はその後も時間を忘れて笑いながら話した。
瑞樹はかつて、みかんさんの漫画を手伝ったときに登場してきた主人公で未夢はあこがれていた。
彷徨とはちがう大人の魅力。






やっぱり素敵だな瑞樹さん・・・
あこがれちゃう………









続く・・・



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