嫉妬の行き先

【1.告白】

作:ロッカラビット

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どうも、ロッカラビットです。
長編をアップします。

これが最初に書き始めた作品です。初っ端から行き詰まり放置しておりましたが、目途が立ったので晴れてお披露目となりました。(笑)


嫉妬の行き先 第1話 告白 



「相変わらずモテるねぇ西遠寺君。ねぇ、未夢ちゃん。」

「えっ?あっ本当だぁ。また手紙もらってるね。彷徨のどこがいいんだか〜?」

「未夢がいるから無駄なのにね〜。」

「えっ?どういう意味?」

「ななみちゃん、未夢ちゃんが気付くまでダメダメ〜!」

「わかってるよ〜。こういうことは他人が教えちゃダメだもんね。でも…。」

「「言いたいよね〜!」」

「?えっ?何?綾ちゃん、ななみちゃん、何のこと?」

「「はぁ〜。西遠寺君も大変だね〜。」」


お昼休みにこんな会話をしたから、なんだかその後ずっと彷徨のことを考えていて、気が付いたら放課後になってたよ〜。はぁ。今日は買い物当番だし、彷徨は手伝ってくれそうに無いし。まぁ委員会みたいだから、仕方ないけれど…。
さて、帰りますか〜。

と立ち上がった時、教室の入り口から三太に呼ばれた。

「光月さ〜ん!ちょっとこいつが用あるらしくてさ〜。」

こいつと呼ばれた男の子に未夢は見覚えが無かった。

未夢が、誰だっけ?と考えつつ教室を出ると、三太は「じゃ、俺急ぐから!トリ〜!待ってろよ〜!」と言いながら走って行ってしまった。


取り残された見知らぬ男の子と未夢。

「なんだか悪い。いきなり呼び出して、ゴメン。あっ、俺陸上部でさ。」

「あっそれで三太君と…。」

「そうそう、知り合いな訳。2年の空井隼人(ソライハヤト)。よろしく。」

「あっ。うん、よろしく。」

なんだか不思議な会話に二人は思わず吹き出して笑ってしまった。

「ハハハ。なんか変だな。あ〜あ、本当はもっと格好良く自己紹介する予定だったのに。まぁいっか。いきなりだけど、光月さん。俺、君の事が好きなんだ。」


しばしの沈黙の後、「えぇ〜!?!?!」と言う未夢の叫び声が廊下に響いた。

どうしよう、告白されちゃったよ!え〜好き?好きって何?何が?私?え?
未夢の頭の中は混乱していた。もちろんそれは顔にも出ていて、その態度に彼はまた吹き出した。

「大丈夫だよ光月さん。だからってすぐどうこうしたいって言うつもりは無いんだ。ただ、俺の気持ちを伝えたくて。それで君と話がしてみたかったんだ。」

「え?話?」

まだ治まらない真っ赤な顔を傾げながら上目使いに聞く未夢に彼の目は釘付けになり、またしばしの沈黙が続いた。

はっと我に返った彼は、ほんのり頬を染めつつも、友達になって欲しいと告げた。それに未夢は笑顔で了承した。


こうして、新しい男友達が出来た未夢はご機嫌で西遠寺へ帰宅した。重たい買い物袋にいつもなら文句の一つぐらい言う未夢が、笑顔で帰って来た事に彷徨は少し違和感を覚えた。それでも笑顔の未夢を見られるのは喜ばしいことだし、ルゥがママキャッキャッとご機嫌なのを見ていたら、その違和感は何処かへ消えていた。


その夜、未夢は布団の中で今日のことを思い返していた。告白をされ、友達になり、そして一緒に帰宅した。スーパーに買い物に寄ると言ったら、付き合ってくれて西遠寺の下まで荷物を持ってくれた。

彼の父親は海外勤務で、母親は医者をしているらしい。その為、料理や洗濯は彼が受け持っていると聞いて、未夢は心から尊敬した。最初に対面した時にどことなく自分に似ている気がしたのは、忙しい両親のもとで育った所だったのかもしれない。話をしてみて、とても気さくで優しくて、すごく良い友達になれる気がした。そんなことを考えながら未夢はだんだん夢の中へと落ちていった。




私はきっと綾ちゃんが好きなのね(笑)

どうしても登場させてしまうわ…頭の回転が良さそうな点が話の流れを作ってくれそうで、ついつい頼ってしまう。

そんなことより、未夢ちゃん!!告白されてみました(笑)
原作では栗太君に告白される未夢ですが、きっともっと絶対!!!モテていたはず。
なので、勝手にオリキャラ登場させました。

さて、話がどう転がっていくか…うまくまとまるといいなぁ…。

嫉妬の行き先 第1話、告白、 読んで下さりありがとうございました。



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