サンタ・クロスのプレゼント

1.

作:ロッカラビット

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クリスマス終了まであとわずか・・・。

ぎりぎりセーフかな?

奏しゃんの素敵なイラストを見て思わず書き上げた勢いだけの作品です(笑)

心優しい奏しゃんならきっと許してくれるはず…。

という訳で、”ギャラリー”にある、奏さんのイラスト「Merry Christmas」をご覧になり、作品をお読みいただければ幸いです。



――ピンポーン――


西遠寺に響くチャイムの音。


「はーい、今行きまーす。」


バタバタと足音を立てながら声をかける未夢。


「はいはい、どちら様ですかー?」


ガラガラと玄関扉を開けながら尋ねれば、目の前には見慣れた姿が。


「こんちはー。光月さん、彷徨いるー?」


「三太君!!あっ彷徨は今食料品の買い出しに行ってていないよ?」


ワンニャーとルウ君、今どこにいたっけ?と思考を巡らせ、三太に見つからないことを願う未夢。

突然の訪問者に冷や冷やの未夢に対して、いつもと変わらない三太。


「そっかー彷徨いないのかぁ〜。まぁいいや光月さんに受け取ってもらえれば。
へっへーん。俺、黒須三太は今日輝かなくていつ輝くの!!って感じじゃん?
なんてったって黒須三太・クロスサンタ・サンタクロス・サンタクロースだろ?
だからサンタ・クロスからのプレゼントをと思ってさ。」

「へ?」


三太の勢いに押されて呆然とする未夢をよそに三太の話は進んでいく。


「でもさ〜昨日、花小町さん家でやったパーティーでプレゼント渡しちゃったし、どうするかな〜って思ってさ。
そういえば今日彷徨、家でパーティーするって言ってたの思い出してさ。
じゃあこれがいいんじゃないかと思って。」


そう言って、背負っていた白い袋の中からゴソゴソと取り出す三太。


「じゃじゃ〜ん!」

「え?何これ。」


出された品に、目が点になる未夢。


「昨日俺が着てたサンタ衣装!もう今年は必要無いし、彷徨今日着るかな〜と思ってさ。もちろん光月さんのもあるぜ。いや〜、今年はひねって女版サンタ衣装にしようかと思ったんだけどさ、花小町さんがサンタ衣装着るって言ってたから結局普通のサンタにしたんだよねぇ〜。でも、一応準備はしてあったからこれ、光月さんにプレゼントするよ〜。
これ着たらルウ君も、“か・な・た”も喜ぶぜ〜。じゃ、これ彷徨にも渡しといて。ハッピーメリークリスマ〜ス♪」


未夢に衣装を手渡すと、三太はあっという間に走り去っていった。


「うっ…また厄介な物を受け取ってしまったよぉ…。でも……。」


クリスマス衣装を広げて自分にあててみる。


「せっかくのパーティーだもんね…。今日くらい着てみてもいいかな?」


ぎゅっと衣装を抱きしめて自分の部屋へと向かう未夢。



ちなみにこれ、今までの作品とまったく関連しておりませんので、未夢と彷徨は付き合っておりません…。

気持ちが通じ合う…のでしょうか?うふふふ。

5話完結です。お楽しみに…。

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