作:杏
「ぎぃやぁぁぁぁ―――――!!!!」
「ふにゃぁ!??」
「!?」
静まり返った西遠寺。
突然の奇声のもとへ、ここに住む者たちが集まった。
「みっっ未夢さん!? どうなさったんですか!」
「何だよ、真夜中に…」
そこから一番離れた部屋に居た彷徨が顔を出したとき。
静寂を取り戻しつつある空間に二度、柱時計が邪魔をする。
「ワ、ワンニャー……かな、た…」
声の主、未夢はその部屋から這い出し、よたよたと彷徨の背後へまわる。
ようやっと暗闇が眼に馴染み、彼女が青ざめていたのが見て取れた。
「どうし…」
チリン、チリチリン―――…
震える手で彷徨のシャツを掴んだ未夢。
彼女に何があったのか。
訊ねようとした矢先、覚えのある懐かしい音を聞いた。
「未夢、おまえ…何見た?」
「え……?」
彷徨の不審な言葉に、未夢の身体がびくりと震えた。
「お、おいっ」
「未夢さんっ!」
瞳を小さくして彷徨を見上げた未夢は、床へと落ちる。
「…な、なにそれ…」
「あ、………悪い、気にすんな」
「気になるわよぉ…っ」
今にも涙を零しそうな目で彷徨に縋り付く。
支えられた腰の手に気が付く余裕もなく、ただ怯えていた。
「…いいから」
「彷徨…?」
「何でもない。 …あとは俺に任せて、忘れて寝ろ」
空いた片手で未夢の目元を覆う。
「かな…」
するりと。
僅かな余力で握りしめていた彷徨のシャツから未夢の手が落ちた。
「か、彷徨さん……?」
「…ワンニャー」
「は、はいっっ!」
「おまえらの部屋にもう一組、布団あったよな? それに寝かせてやってくれ」
「み、未夢さん、大丈夫ですか? 眠ってらっしゃるだけですか?」
「―――…」
眠った未夢を片腕に抱えたまま。
部屋の隅々まで、何かを探すように目を凝らす彷徨。
意識はすべてそちらに向いているようで、ワンニャーの声はまるで聞こえていない。
「彷徨さんっ!」
「…あぁ、悪い。 眠ってるだけだよ。 心配ない」
「で、では、お布団を敷いてきます、ね…」
自室の入り口でワンニャーが振り返ったとき。
床に散らされた未夢の髪でも、力をなくしたその身体でもない何かを、彷徨は撫でるように指先を動かしていた。
(な、何もありませんけど…。 彷徨さん…?)
こんばんは。杏です。
お目にかかれて光栄です。ありがとうございます。
“プールサイド”、まだかかりそうなので、時節ネタを先にぶっこみます。(プールも季節ものだって><;;
…が、書いてみたけど、これ、着地点がありません。ラストが決まってない!とゆーか、ここしかない!
うへへへへ。(←夏バテw
あ、パラレルじゃないですよ。ちゃんと(?)フツーの(?)だぁ!の世界。(笑)
これこそ短めに終わらせれるように頑張ります。
前後編くらいで書けるようになりたい。でもこれはもう無理。3話くらいで終われないかなぁ…。
拍手御礼10万記念、ちょっとだけ上げました。もうひとつかふたつで、完成です。
いろいろ、頑張ります。最近こればっかですね。
私事ですが、もうすぐ歳くいます。誕生日が嬉しくなくなったのはいくつの頃からだろう…w
今年もなんか企画出来ればいいなぁ。案ないけど。
何かあればください。
とゆー訳で、こっちもよろしくお願いします。最近迷走中…な杏でした。